注目されていたシンガーのビヨンセとアデルのグラミー賞での勝負は、予想外の展開を見せながらも、授賞式を大いに盛り上げる内容となった。
主要部門にノミネート
ビヨンセとアデルは第59回グラミー賞授賞式で「最優秀レコード賞」「最優秀楽曲賞」「最優秀アルバム賞」の主要部門にそろってノミネートされ、実力派シンガーのどちらに軍配が上がるのかに注目が集まっていた。
2人は「グラミー賞で一晩にもっとも多くの賞を受賞した女性アーティスト」という称号を共有しており、ビヨンセが2010年に、アデルが2012年にそれぞれ6冠に輝いて、最高記録を持っている。
そんななか日本時間の今朝(13日)開催されたグラミー賞の結果は、以下のとおり。
「最優秀アルバム賞」-アデルの『25』
「最優秀楽曲賞」-アデルの「ハロー」
「最優秀レコード賞」-アデルの「ハロー」
主要部門はまさかのアデルの総勝ち。
ビヨンセは1999年のローリン・ヒル以来初となるアフリカ系女性による「最優秀アルバム賞」の受賞に期待が集まっていただけに、今回の受賞なしはグラミー賞についてまわる「多様性がない」という論争をさらにヒートアップさせる予感がする。
ただ、今回ビヨンセは受賞以外で多くの活躍を見せており、双子の妊娠を発表したばかりとは思えないパワフルなパフォーマンスを披露したほか、最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞の受賞スピーチで多様性を訴え、「過去から学び、私たちは同じ間違いを繰り返しやすいということを認識するべき」と語った言葉が、この日最も素晴らしいスピーチのひとつと賞賛されている。
2017年のグラミー賞はアデルが主要部門を勝ち取ったものの、実際の授賞式ではどちらの女性も存在感を放ち、優劣がつくというよりも、2人が一緒になって音楽界における女性シンガーのパワフルさを見せつけてくれた一夜となった。つまりこの日の「勝者」はビヨンセとアデルの両者。音楽界が誇る歌姫たちにおめでとうとお疲れさまを言いたい。