先週、ファーストルック写真の数々が公開され、来年春の公開に向けてますます期待が高まっているディズニー実写版映画『美女と野獣』。

エマ・ワトソン Emna Watson 美女と野獣 実写版 

 ファーストルックの写真が公開されたのと同じ米エンターテイメント・ウィークリー誌でのインタヴューで、同作の主演を務めた女優のエマ・ワトソンが、主人公のベルに関するアニメ版と実写版でのある大きな違いを明かした。

 国連の女性の地位向上を目的とする組織「UNウィメン」の親善大使を務め、男女平等を訴えるスピーチを行うなど、フェミニストとして知られるエマが主演する同作ならではの、女性に対するステレオタイプを取り払うために採用されたベルの変化とは?

 

1. ベルの職業は「発明家」

 インタヴューの中で、アニメ版では、ただの「本好きの町娘」として描かれていたベルに対し、実写版でのベルの職業は「発明家」であることを明かしたエマ。

 「彼女が本好きなのはわかったけど、一体何のために? 職業は? 」と疑問を感じたエマと制作陣は、アニメ版ではベルの父の職業として設定されていた発明家という職を実写版ではベルの職業として描いたという。

エマ・ワトソン Emna Watson 美女と野獣 実写版 

新たに公開されたベルと父親の会話シーンの写真。

 エマは「(実写版では)ベルが洗濯機のようなものを発明し、そのおかげで自分で洗濯する時間や手間を省くことができて、大好きな読書に没頭する時間を持てているっていうバックストーリーを作ったの」と細かい設定まで考えたことを告白。

 発明家という知的な一面を加えることで、ベルのキャラクターを家事や雑用だけをしている昔ながらの女性像から、自分自身で学び、新しいものを創り出すことができる才能溢れる女性像へと飛躍させた。

 

2. ベルはコルセットを身に着けていない

 物語の重要な場面となる野獣とのダンスシーンで、アニメ版のベルが着ていたドレスを見てみると、ウェストが不自然なほどにキュッとくびれている。

美女と野獣 アニメ ドレス

Ⓒ WALT DISNEY STUDIO

 これは、物語の舞台となった中世ヨーロッパの女性たちが着用していたコルセットをベルも着ていることを意味する。

 コルセットには、男性が理想とする女性らしい体の曲線美を強調する役割があり、締めつけにより体の動きや呼吸を制限するものであったことから、いろんな意味で「女性の自由を束縛するもの」というイメージも。

エマ・ワトソン Emna Watson 美女と野獣 実写版 ドレス

実写版でのベルのドレス。

 このことに納得がいかなかったエマは、実写版でのベルはドレスの下にコルセットを着用していないという設定にし、よりアクティブなプリンセスとして描きたいと考えたそう。

 同作の衣装担当のジャクリーン・デュランは「エマにはコルセットや動きを制限するような衣装は嫌だと言われました」とエマが直接彼女に交渉したことを明らかにした。

 仕事、教育、政治など、さまざまな面での女性平等を叫ぶ声が日に日に大きくなっている現代。

 エマは同作で、ただ美しいだけのお姫様から強さや知性を持ち合わせたパワフルな女性へと時代に合わせた変化を遂げたベルの姿を通して、若い世代の女性たちに自信と誇りを持つことの大切さを伝えようとしているのかもしれない。

Text & Photo: フロントロウ編集部(FRONTROW)/Ayumi Nakazawa、ニュースコム、Instagram/ Beauty and the Beast, Entertainment Weekly

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