Photo:シンクストック/ゲッティイメージズ
アメリカのノースカロライナ州のレイプに関するある法律に、「今すぐ改正されるべき」と批判が殺到。

レイプ被害者を苦しめる法律

 アメリカのノースカロライナ州で38年前に制定された、「女性が1度性行為に及ぶことに合意した場合、取り消すことはできない」という内容の法律が、「現代社会のレイプの定義にそぐわない」としてアメリカ全土から非難を浴びている。

画像: レイプ被害者を苦しめる法律

 米大手メディアObserverのインタヴューに応えた、ノースカロライナ州立大学に通う女子学生アリーヤ・パルマー(19)も前述の法律に苦しめられた1人。

 アリーヤによると、パーティで出会った男性と性行為に及んだが、次第に暴力的になったことから「やめて欲しい」とお願い。しかし彼は行為やめるどころか、痛みを訴える彼女をよそに行為を2時間近く続けたという。

 「嫌だと言ったのに相手が行為を辞めなかったら、それはレイプよ」

 そう話すアリーヤは、結果的に彼女に性行為を無理強いした男性と、その様子を撮影していたとされる男性3人を告発することに成功。しかし、彼女が「やめて欲しい」という前に1度性行為に合意していたことから、前述の法律のせいで苦しめられ、当初、警察から「レイプとは認められない」と言われたことを明かしている。

法改正を訴えるも…

 そして先日、そんな理不尽な法律を変えようと民主党のジェフ・ジャクソン議員が新法案を提出したが、なんとまさかの棄却。首を縦に振らなかった理由について、議会を取りまとめる共和党議員は「30年以上変わっていない法律だから」「これまで問題になったことはない」と釈明。被害者の気持ちをないがしろにした言い訳に批判が集まっている。

 このノースカロライナ州の法律以外にも、レイプ被害に遭った女性たちに不利な法律が世界中に存在する。また、証拠が不十分だという理由で、警察などでレイプ被害に遭ったことを疑われるケースも多い。アリーヤも体から証拠を採取するレイプキットを使うために病院を訪れた際、身体的な外傷がなかったことを理由に、看護師から「レイプ加害者を起訴するには、ケガをさせられるか、殺されるしかない」と冷たく言い放たれたことを明かしている。

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