お金のためではなく、すべての女性のため
2013年に行ったコンサートのバックステージで、元ラジオパーソナリティのデヴィッド・ミューラーからお尻を触られたとして訴えを起こしていた、超人気シンガーのテイラー・スウィフト。裁判所に提出された書類には、その時の生々しい様子がつづられている。
「(デヴィッドは)故意に彼女(※)のスカートの中に手を入れ、彼女のプライベート・ゾーンを非常に不適切な方法で、承諾もなく、彼女の意志に反するかたちでまさぐりました」
しかしこのテイラーの主張に対し、デヴィッド側は「触った覚えはない」と断固否定。むしろこの一件が理由で仕事をクビになったとして、テイラーに対して賠償金を要求している。
そんなお互いの意見が真っ向から対立するセクハラ事件の真偽を問う裁判が8月7日から始まったのだが、今この裁判でテイラー側が提示した賠償金の額に注目が集まっている。
その金額とは…、まさかのたった1ドル!
日本円にして110円という、賠償金にしてはあまりにも少額すぎる金額。その理由について、テイラーの弁護士がこう明かした。
「スウィフトさんは、すべての女性のために闘うことにしたのです。1人の女性(テイラーの事)がセクハラをされたと報じられた直後、今度はそのセクハラ事件を理由に女性のほうが訴えられました。大勢の人たちが集まる場所も含め、彼女はこれまで1,000人以上のファンと交流してきましたが、セクハラをされたことなど一度もありませんでした」
「もし誰かが立ち上がって、お手本となるような行動を示すことができなければ、誰もセクハラや性的暴行を訴えることができません」
「彼(デヴィッド)は被害者にお金を支払えと要求しています。それも、彼のかつての給料の15倍もの額をです。テイラーは賠償金を1ドルに設定することで、女性がちゃんと『ノー』と言えることを示そうとしているのです」
今回の裁判は、お金のためではなく、声を上げることの大切さを訴えるために起こしたものであることを告白。これまで「女性の味方」として、多くのファンや女性たちを勇気づけてきたテイラーのこの行動に、世間からは称賛の声が多く集まっている。