「# LesPrincessesOntDesPoils」
「プリンセスも毛は生える」という意味にあたるフランス語のハッシュタグ「#LesPrincessesOntDesPoils」がネット上で拡散し、伸びたわき毛やすね毛、ひげの写真をSNSに投稿する人が急増中。
このハッシュタグの背景にあるのは、欧米で広がる男女平等ムーブメント。
今までは男女の給料ギャップなどが大きく取り上げられてきたけれど、近年ではその波は体毛の扱いにまで拡大。
「男性はひげやわき毛が生えていても何も言われないのに、なぜ女性は不潔と言われるのか」という意見が徐々に増えており、「プリンセスも毛は生える」というハッシュタグは性別による対応の違いを見直そうという思いから誕生した。
生まれつき体毛が濃い女性やホルモンバランスの影響で多毛になる女性は多く、そういった人のなかには「女性は体毛を処理するべき」とう世間の理想に苦しめられている人も少なくない。
体毛に関して男性も女性も社会ではなく自分の意志で決められるようになるべきだという願いが、このハッシュタグの拡散を手伝っている。
濃い体毛が原因で「自殺しようとした」
こうしたハッシュタグをはじめ女性の体毛の自由な扱いについて特に声をあげているのが、整えられたひげが印象的な英ロンドン在住のアクティビスト、ハナーム・カウアさん。
幼い頃から多毛症だった彼女は、顔に生える濃い毛をからかわれたことをきっかけに、思春期を迎える前から体毛について悩まされるようになった。
その後は、あらゆる手段を使って除毛を試みたものの、濃い体毛を処理していることすらもいじめの対象になったのだという。
「どんな事をしても体毛のせいでいじめられるから自分の体を嫌った。自傷行為も繰り返していたし、自殺しようとした」
いじめによって自殺を考えたほど自信喪失してしまったハナームさんだけれど、なんとか立ち直り、そうした批判に立ち向かい、同じ境遇に立っている人々のサポートを行おうと決心。
そのころから体毛を処理することを止め、今では美しく整えられたひげを武器に、体に関する批判やいじめに立ち向かう活動を積極的に行っているのだという。
性別で区別されない、多様な美を受け入れる社会づくりのため、ハナームさんは身をもって女性の体毛の扱いの自由を訴えている。
ハッシュタグ「#LesPrincessesOntDesPoils」は、そんな女性の支援の輪としても広がっている。