ある黒人系のモデルがファッションウィークのバックステージで受けた扱いを暴露。そこから浮かび上がるファッション界の課題とは?

バックステージで避けられる

 多様性が叫ばれる昨今、流行の最先端となるファッションショーでも、白人系モデル一辺倒だった以前と比べ、さまざまな人種が起用されるように。

 そんななか、アフリカ系黒人の血を引くあるモデルが、ショーの舞台裏での知られざる実情を暴露して話題になっている。

 アフリカ系のフラ二族とアイルランド系白人の血を引くアメリカ人モデルのロンドーン・マイヤーズは、自身のインスタグラムでファッションウィーク中に登場したあるショーの開始直前のバックステージでの様子を撮影した動画を公開。

A post shared by Londone (@londonemyers) on

 そこに映っているのは、慌ただしく動き回るヘアスタイリストやメイクアップアーティストの様子をキョロキョロと眺め、早く誰かが自分のヘアをセットしてくれないかとじっと待っている姿。

 白人系やアジア系の他のモデルたちの元には次々とヘアスタイリストがやってきて、本番に向けヘアセットが完了していくのに対し、黒人系の血を引く彼女の元には、誰も近づこうとしない。

 その理由は、彼女の髪が扱いにくい縮れ毛のため。

 コツを掴まないとセットが難しい黒人系モデル髪の毛を扱った経験が少ないヘアスタイリストたちは、ショー前で時間に追われているということもあり、失敗を恐れて、なかなか彼女のような髪質のモデルの髪に触れようとしないのだ。

 ロンドーンはこの動画に、「ショーのバックステージでスタイリストたちに避けられるのにはもうウンザリ」とコメント。ヘアスタイリストたちに、「どうか黒人系のモデルの髪の扱い方を学んで欲しい」と主張した。

画像: ルイ・ヴィトンのランウェイに登場したロンドーン。©Londone Myers

ルイ・ヴィトンのランウェイに登場したロンドーン。©Londone Myers

 このような経験をしているのは、彼女だけではなく、黒人系のモデルたちにとっては日常的に起こっていること。今回ロンドーンが実情を公にしたことで、多様化するファッション業界が今後取り組むべき課題のひとつが浮き彫りになった。

  「どんな人種のモデルも安心して働き、胸を張ってランウェイを歩けるような環境を築いてほしい」という彼女の願いに対し、世間からもサポートの声が上がっている。

This article is a sponsored article by
''.