男社会のヒップホップ界で活躍
人気女性ラッパーのニッキー・ミナージュは、音楽業界のなかでも特に女性が活躍しづらい男社会なヒップホップ界で、トップの座を勝ち取ったアーティストの1人。
並々ならぬ努力を重ねてトップアーティストになったニッキーでも、いまだ直面する性差別の現状をツイッターで訴えた。
「どの業界でも女性は2倍がんばっても、男性の半分ほどしか尊敬されない。いつこれが止まるの?」
「ドレイクやケンドリック・ラマー、J・コールとコラボするのは、彼らが素晴らしいラッパーだから。でも彼らがニッキーとコラボするのは、誰かに恐喝的にお願いされたから」
「私が10年間継続して成果を上げても、なにも変わってない。何を教えているの?男性にはそんなことしないのに」
「ケンドリックが7年前にツイートしたもの(※)が、物語っているわ。恐ろしい。男性から公に支持されるためには、ダボダボのパンツにティンバーランドを履かなきゃいけないの」
※女性ラッパーであるニッキーに嫌悪感を抱く男性たちに呆れたケンドリック・ラマーが「女性より男性のほうがニッキー・ミナージュを嫌っている」という内容を2010年にツイートしている。
女性ラッパーと男性ラッパーでは対応が異なり、女性がトップで活躍できない状況に、ニッキーは疑問を投げかけた。
性別で変わるキャリアの歩み方に言及
彼女がこうした発言に至ったことの発端は、女性ラッパーであるという理由だけでニッキーをいつまでも中傷する人に対して、ラッパーのラスがTIDALのインタビューで発言したから。
「もっとリスペクトしなきゃいけない人がいるだろ、ニッキー・ミナージュだ。彼女のおかげで多くの女性ラッパーが生まれた。ラッパーだけじゃない。すべての女性だ。しかもその功績をもう長く構築してる。ジェイ・Zやカニエの曲でコラボした人っていう扱いはやめよう」
以前もニッキーはこうしたヒップホップ界の現状を訴え、「アルバムが100万部売れた女性ラッパーは私がはじめてだった。私の役目は女性ラッパーをポップカルチャーとして紹介すること」と、女性ラッパーたちが成功するには、ヒップホップ界だけでは生き残れないため、違うジャンルへと導いていかなければいけない現実を語った。
大成功を収めた女性ラッパーの先駆けとして、ニッキーはヒップホップ界の性差別がなくなるように声を上げ続けている。