ある男友達2人のメールのやりとりに見る問題点とは?

レイプ事件はこうして起きる

 レイプが社会問題となっているアメリカでは、「キャンパス・レイプ」といって大学でのレイプ被害がとくに深刻化している。そんななか、バラク・オバマ元米大統領とジョー・バイデン元米副大統領の2人がこれ以上のレイプ被害を防ぐために始めたキャンペーン「It’s on Us」が、身近に潜むレイプの危険性を示した動画を公開して話題に。

 約30秒の動画で、酔っていた女性を自分の部屋に連れて来たという男性と、その男性の友人のメールのやりとりを見ることができるのだが、ところどころ単語の間違いを正す修正が入っているのが見てとれる。

画像1: レイプ事件はこうして起きる

 例えば「ヤッたのか?」という友人からの問いに対し、元のメールでは「あー、ちょっと勇気づける必要があったけど(Well…I had to encourage her a bit)」と書かれていたのが、「Encourage(勇気づける)」に「×」のマークがつけられ、代わりに「Force(強いる)」という言葉が提案されていた。

 これを先ほどの文章に当てはめてみると、「あー、ちょっと無理矢理だったけど」となり、元のメールとはまったく違う意味合いに。女性が酩酊状態であったことを考えると、後者のほうがこの状況を正確に表していると言える。

画像2: レイプ事件はこうして起きる

 このほかにも「She wanted you(彼女は君を欲しがってたんだ)」が「She wanted you to stop(彼女は君にやめて欲しかったんだ)」に変更されるなど、この動画では女性と性行為をした男性だけでなく友人の言葉も修正されている。

 これらのやりとりを見てわかるのは、軽い気持ちで相手の「同意」なしに性行為に及ぶ人間と、それを助長もしくは見て見ぬふりをする周りの人間の愚かさ。そして、この「同意」の有無こそがレイプ被害を生み出しているのだ。

 もちろんこの動画にあるメールのやりとりは“フェイク”だが、残念ながらこういったやりとりや出来事は実際にいたるところで起きている。

 ある調査では98人に1人がレイプにあっているとも言われるアメリカ。「相手の同意なしの性行為=レイプ」という考えを1人でも多くの人たちに定着させることが、今後の大きな課題と言えるだろう。 

This article is a sponsored article by
''.