イスタンブールに住むフォトグラファーのアルファーが、12年間撮影し続けてきた同じ窓。その窓に待っていた結末とは?(フロントロウ編集部)

どんな日にも、そこにその窓はいた

 トルコのインスタンブールに住む弁護士兼フォトグラファーのアルファーという男性。アルファーが住む家の彼の部屋からは、ある窓が見えていた。真っ赤な壁にくり抜かれた、四角い窓。白いレースのカーテンがのぞいている。

 アルファーは毎日、彼の部屋から見えるその窓を眺めており、12年もの間その窓の姿を収めた写真を撮り続けていた。

画像1: どんな日にも、そこにその窓はいた

 真っ赤な壁のなかに浮かぶその窓は、晴れの日や陰る日、そして雪の降る日などの天気や、日々の出来事によって表情を変えていた。まるで、人がその時々で違って見えるように表情を変えながら、窓は日々の移り変わりをそこに映し出していた。

画像2: どんな日にも、そこにその窓はいた
画像3: どんな日にも、そこにその窓はいた
画像4: どんな日にも、そこにその窓はいた

 しかし、終わりは突然やってくる。

 この窓があるビルのオーナーがビルの建て替えのため、建物を壊すことが決定してしまったのだ。アルファーが12年間撮影してきた、この窓。ビルの解体が行なわれたその日、アルファーは窓の最後の瞬間まで記録しようと、その姿が消えるまでシャッターを切った。

画像5: どんな日にも、そこにその窓はいた

 建物が壊されるなか、撮影された窓。アルファーが12年間撮影し続けたその窓は、まるで彼に何かを訴えるかのように、外壁が崩れ落ちるなかで窓枠の形をとどめ、最後の姿を写真に残した。(フロントロウ編集部)

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