まだまだ絶えないネットいじめを撲滅するために、ある動画が作られた。それは、ネットに書き込まれた悪口を面と向かって相手に伝えるという実験動画。その動画が伝えたいこととは?

 そのいじめ撲滅動画を作ったのは、ホワイトハウスの実習生時代に、ビル・クリントン元大統領との不倫スキャンダルを起こし、自分自身もネットいじめにあったというモニカ・ルインスキー。モニカはその時の経験を思い出し、ネットいじめを撲滅させるために、広告代理店BBDOと協力して「In Real Life #BeStrong」という動画を配信。

4つのいじめのシチュエーション

 約2分の動画では、4つのシチュエーションで加害者が被害者に心ない言葉を浴びせるというもの。

 1つ目のシチュエーションでは、同性カップルがカフェにいると、ある男性がカップルに近づき、「ゲイの人たちは病気だと思うよ。死ぬべき。みじめな存在を消してくれよ、頼むから」と言い放つ。

画像: 4つのいじめのシチュエーション

 2つ目では、高校生の2人の女の子たちが、「あんたって本当バカ。自分でも分かるでしょ? 学校で一番変なヤツだよ、あんたって」と相手の女の子にひどい言葉を浴びせる。

 3つ目は、ある女性が公園で相手の女性に、「ムスリムの人たちは、腐った場所にさっさと戻るべきね」と話す。そのあとに近くにいた女性に、「信じられる? テロリストよ」と語りかける。

 4つ目は、カフェで座っている女性に、「あんたみたいな太ってる女は、さっさとダイエットしなさいよ」と話す女性が映る。「ママを待ってるだけだから、放っておいてくれる?」と反論するも相手の女性は、「信じられない。ジムに入会すべきね。デブの人たちって本当大嫌い」と、泣いている女性を気にすることなく、ひどい言葉を言い続けている。

周りで見ていた人たちは…?

 じつはこの加害者と被害者は演者。しかし周りでそのいじめの様子を見ている人たちは、実験のことを知らない一般人である。すると、カフェで「デブ」と言い放った女性に対して別の女性が、「あなた、ここを出て行くべきよ」と救いの手を差し伸べるシーンが。

画像: 周りで見ていた人たちは…?

 他のシチュエーションでも、「どうして彼女にそんな口のきき方するの? 向こうへ行ってちょうだい」「ここから失せろ!」と、いじめに遭っている人をかばう人たちの姿が映される。さらに「ハグする?」とぎゅっと抱き寄せる人も。

この動画が伝えたいこと

 この動画内で放たれる相手に対しての残酷な言葉たちは、すべてネットで実際に言われていた言葉。ネットでは、実際に中傷する相手に面と向かって伝えているわけではないため、相手がどう思うかを真剣に考えることなく、簡単にひどいことを言える。しかし、それは実際に言われると深く相手を傷つけるものばかり。

画像: この動画が伝えたいこと

 この動画の最後には、「このような態度が実生活で許されないなら、なぜネットでは普通なのか?」という言葉が映される。直接面と向かって言えないことは決してネット上でも伝えるべきではなく、この動画を見ると、どれだけ言葉が人を傷つけ、逆に癒す力もあるのかということが分かる。

画像: In Real Life #BeStrong www.youtube.com

In Real Life #BeStrong

www.youtube.com

 根深く残るネットいじめについて釘を刺すこの動画は広く拡散され、匿名性の高いネットでの自分の行動について改めて考えさせられる大きな機会となっている。

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