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セレブがデモに参加するのには理由があった!デモに見るアメリカの歴史

2017-2-1- 10:00

【フロントロウ編集部】

  ドナルド・トランプ大統領の就任式に合わせて開催されたデモ行進「女性のマーチ(ウィメンズ・マーチ)」。セレブも多く参加したこのデモ行進はアメリカの歴史上、最大規模のデモだったと推定された。

 デモは社会を変えられるのか? アメリカの歴史は「イエス」と言っている。

女性のマーチ デモ

Photo: スプラッシュ/アフロ、ニュースコム、©MWM公式HP、Twitter/@eiffeltyler、Instagram/Gigi Hadid、RuPaul

 

女性の権利を訴えるデモ「女性のマーチ」

 トランプ大統領が暮らすホワイトハウスがあるワシントンD.C.を中心に企画された「女性のマーチ」は、LAやNYをはじめとした全米各都市、さらに日本を含む世界81ヵ国でトランプ氏の就任日に合わせて開催。

 主催者発表で500万人以上が参加した女性のマーチでは、女性だけでなく、有色人種、移民、LGBT+など、トランプ大統領から差別的な発言を受けてきた人々の権利が主張された。

女性のマーチ 

「女性のマーチ」に参加しフェミニズムを主張した女優のエミリー・ラタコウスキー

 

デモがアメリカ社会を変えてきた

 たくさんの民族が暮らすアメリカでは、男女格差やLGBT+の人権問題だけでなく、人種や宗教の違いから起きる差別がある。そして200年以上の歴史のなか、今回のようなデモが大きな役割を担ってきた。

 

基本的な権利を求めて―「女性の投票権」

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 19世紀から起きた男女平等を求めるデモ行進では女性の投票権が求められ、各州で合法化が進んだ。しかし先に投票権が認められたのは白人女性が多く暮らす地域で、黒人女性を含むすべての女性に投票権が認められたのは、最初の地域で合法化されてから50年も経った時だった。

 

人種差別撤回への動き―「私には夢がある」

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「私には夢がある」の演説をしたマーティン・ルーサー・キングJr.

 1963年に行われたマーティン・ルーサー・キングJr.牧師の演説「私には夢がある(I Have A Dream)」で知られるデモ行動では、人種差別の撤廃が軸に。それまで白人と有色人種とでは決定的な差別があった社会で、キング牧師は肌の色ではなく人格そのもので評価される社会の実現を訴えた。この演説は日本の教科書にも載るほど、アメリカだけではなく、世界中に計り知れない影響を与えている。

 

男女平等の労働環境-「ウーマン・リブ」

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 70年代には「ウーマン・リブ」と呼ばれるデモが行われ、女性も男性と同じ労働環境を求め、社会的自立を目指す女性解放運動が活発化。これがきっかけとなり1975年にその年の顔が表紙を飾るTIME誌の「今年の人物」に「アメリカの女性たち(American Women)」が選ばれた。当時の女性の功績が認められ、個人の功績に送られることが多かったこの称号が「アメリカの女性たち」という不特定多数の女性に与えられたことは、とても意味のあること。

 また同誌は1999年に、それまでは「今年の女性・今年の男性」と別けられていた名称を「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人物)」と変更し、性別での区別を撤廃した。

 

LGBT+の権利-「同性婚の合法化」

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ドラァグクイーンのルポールは性差別のない社会の実現を求めた

 80年代からLGBT+の権利を求めたデモ行動が増えはじめ、1993年に行われたデモは、当時社会問題として話題だったHIV/AIDS支援活動も重なり、約100万人近くが参加。LGBT+関連デモの中でも大規模なデモだったと言われる。こうしたデモ行動の結果、LGBT+の理解が深まり、徐々に同性婚が合法化される州が増え、2015年には同性婚が全州で合法化された。

 

人種差別の撤廃を求めて―「黒人女性の人権」

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 1997年には今回の「女性のマーチ」の語源となったといわれる「ミリオン・ウーマン・マーチ」という、社会的地位が低かった黒人女性たちの人権を訴えるデモ団体が設立され、平等な社会を目指す運動がなされた。このデモは今回の「女性のマーチ」のように世界中に拡散された初めてのデモ行進ともいわれている。

 

マイノリティーの人権を守れ―「反トランプ政策」

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ベラ・ハディッドとジジ・ハディッド姉妹もデモに参加

 今年1月27日にトランプ大統領がイスラム圏7ヵ国のパスポート保持者の入国を禁止して該当者の一部が空港で足止めを受けているという情報が拡散すると、すぐさま全米各地の都市部や国際空港に数百から数千人が集結。移民規制に反対するデモをおこない、28日夜、NYの連邦裁判所が難民・移民の強制送還を一時的に禁止する判決を下した。

 

SNSでデモの規模がますます拡大

 近年、デモの規模はどんどん大きくなっており、その理由にインターネットやSNSの力があげられる。 今回の「女性のマーチ」が世界81ヵ国で開催されたように、インターネットを通してだれでも、どこにいても、世界中の情報をリアルタイムで得ることができるように。

 アプリやツイッターなど新たな情報のプラットフォームも誕生していることで、「情報を知る」という行為が年齢や地域を選ばなくなっており、世界のどこにいても「参加者」になれる時代が訪れたのだ。

 

デモの先にあるもの

 デモ活動を通して「市民はこんな変化を求めている」というメッセージを発信した後に重要なのが、市民で作ったこのうねりを次につなげること。 そのためには政治家に手紙で訴えるなど個々が活動を参加し続けることが大切で、例えば今回の「女性のマーチ」の主催団体も、トランプ大統領の就任後100日間に10のアクションをおこなう「最初の100日間に起こす10のアクション(10 Actions for the First 100 Days)」という企画を立ち上げている。

 

 19世紀からさまざまな権利を求めるデモが絶えないアメリカが中心となって、平等な権利が確立された社会づくりへのアクションが進んでいる。

 

 

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