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30秒6億円のCM料を払ってスーパーボウルで「多様性」を訴えたブランド7選

2017-2-7- 19:06

第51回スーパーボウル ロゴ  CM

Photo: NFL

【フロントロウ編集部】

 今週テキサス州ヒューストンで開催された、アメフトの優勝決定戦、第51回スーパーボウル。

 ハーフタイムショーではレディー・ガガがパフォーマンスをおこない、冒頭で、「この国はひとつ。分裂はさせられない」とコメント。ドナルド・トランプ大統領の政策で不安定な状況にあるアメリカへメッセージを送った。

 このような政治的なメッセージは、スーパーボウルのもう一つの名物であるCMにも反映。従来のCMはユーモアのある内容が多かったけれど、今年は、「女性の権利」や「移民」など、トランプ大統領の誕生で影響を受けている分野をテーマに選ぶCMが多くみられた。

 

コカ・コーラのCM『イッツ・ビューティフル』

 コカ・コーラ(Coca Cola)は、愛国歌「アメリカ・ザ・ビューティフル」を様々な言語で歌うという手法を取って、シンプルながらも力強さのある方法で「多様性」を訴えた。

 このCMの放映後、トランプ大統領の支持者の間では同社の製品に対する不買運動がとなえられている。

 

バドワイザーのCM『ボーン・ザ・ハード・ウェイ』

 移民問題に対して政治的な表現をしたのは、アメリカの国民的なビールブランドである、アンハイザー・ブッシュ社のバドワイザー(Budweiser)。

 このCMは、同社の創立者でドイツからアメリカに渡ってきた移民のアドルファス・ブッシュの物語。アメリカの国民的ビールがドイツ人移民のアメリカン・ドリームによって誕生した経緯を描き、移民の国アメリカを象徴するような内容になっている。

 アンハイザー・ブッシュ社はこのCMはトランプ政権下で起きている移民問題に対するメッセージではないと説明。しかしこのタイミングでのことだけに因果関係があるとみている人は多く、トランプ大統領の支持者の間ではバドワイザーの不買運動を口にしている人もいる。

  ちなみにアンハイザー・ブッシュ社はもう一つの看板商品「バド・ライト」では、毎年スーパーボウルで放映されるCMらしいユーモアのある内容のCMを制作。社会的メッセージの強い「バドワイザー」のCMと、ユーモア要素のある「バド・ライト」のCMで、企業イメージのバランスをとった。

 

エアビーアンドビーのCM『ウィー・アクセプト』

 宿泊施設・民泊サービスを提供しているエアビーアンドビー(Airbnb)のCMタイトルは、「我々は受け入れる(We Accept)」。

 様々な人種・年齢・性別の人の顔が登場するなか、「我々はあなたが誰であろうと、どこから来ていようと、誰を愛そうと、何を信仰していようと、すべての人に居場所があると信じています。受け入れる心が世界をより美しい場所にする」というメッセージがスクリーンに映る。

 米CNBCにによると、エアビーアンドビーがスーパーボウル関係者にCM枠の打診をしたのは、なんとイベント開催の直前。トランプ政権によるイスラム圏7ヵ国に関係する人たちの入国制限を受け、30秒平均5億円と言われるCM枠を買い、今回のCMを放映したという。

 

84ランバーのCM『ザ・ジャーニー・ビギンズ』

 建設資材会社の84ランバー(84 Lumber)のCMは、メキシコ人の母子がより良い生活を求めてアメリカに渡ろうと試みるも、国境に大きな壁があってアメリカに行くことが出来ず苦戦。しかし、壁に作られたひとつのドアのおかげでアメリカに入ることができたという内容。

 トランプ大統領の公約であるアメリカとメキシコの国境間における壁の建設に対する明らかなジャブであるこのCM。「政治的すぎる」という理由で壁のシーンがあるフルバージョンはテレビ放映は許可されず、ネット上での公開となった。

 

エクスペディアのCM『トレイン』

 旅行会社エクスペディア(Expedia)のCMの主人公は、旅する女性。「フェンスの上からお隣さんをのぞいてみると、反対側にはわくわくするものが隠されていることに気づく」というメッセージが投げかけられる。

 米エクスペディアは米アマゾンらと共に、トランプ大統領が進めようとしているイスラム圏7ヵ国からの渡航制限に対抗する裁判への支持を表明している。

 

イッツ・ア・テンのCM『スーパーボウル・コマーシャル』

 ヘアケア製品を展開しているイッツ・ア・テン(It’s a 10)は、自分たちらしい方法で社会的なメッセージを提唱。

 「アメリカ合衆国へ、我々はあと4年間はかっこ悪い髪形と付き合うことになる」と、髪形が揶揄されることがあるトランプ大統領に対するジャブで始まるCMでは、多種多様な人の色とりどりのヘアスタイルを取り上げて「多様性」を訴えた。

 

アウディのCM『娘』

 自動車メーカーのアウディ(Audi)は、「男女の賃金の差」をCMのテーマに。

 ナレーターを務めたジョージ・クルーニーの、「娘に何と伝えるべきか?おじいちゃんの方がおばあちゃんよりも価値が上だと?母よりも父の方が価値があると?」という声をバックグラウンドに、幼い少女がカーレースに参加する。そして最後には、「アウディは平等な労力に対する平等な賃金の支払いを支持します」というテロップが流れる。

 アメリカ合衆国労働省の2014年の調査では、学士号を取得している女性の給与が同等の学歴を持つ男性の給与の76%に留まっていることが分かっており、賃金格差はアメリカで近年、注目度の高い問題。

 しかし今回のアウディのCMは支持派がいる一方で反対派も多く、「女性を弱者扱いしている」といった批判のほか、アウディが重役に女性を1人も起用していないことに対して、「賃金格差の問題をPR目的で使ってるだけ」という厳しい意見があがっている。 

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