「これはもう観るしかない」――『プルリブス』、国境越えアーティスト参加のサントラが“予測不能な世界”を先取り演出


『プルリブス』の情報が解禁された瞬間から、ファンの間では妙なざわつきが走った。理由は単純である。ヴィンス・ギリガンの新作というだけで、期待値は自動的に最大まで押し上げられるからだ。しかも主演はレイ・シーホーン。『ベター・コール・ソウル』で見せた圧倒的な存在感が再び物語の核心に座るとなれば、作品の空気はすでに重厚で鋭い。11月7日から毎週金曜に更新されるApple TVの配信スケジュールは、考察勢にとってはたまらないリズムだろう。
そして驚くべきは、ドラマ本編に先行する形でサントラが配信されたことだ。音楽を担当するのは、ギリガン作品の裏の語り部ともいえるデイヴ・ポーター。23曲のスコアには、緊張と静謐が共存する彼独特の音楽的方程式が潜んでいる。物語の影を先に耳で掴ませるというこのアプローチ自体が、すでにギリガン流の布石といえる。
加えて、新エピソードに合わせて配信される国際色豊かなアーティスト陣のシングルが、作品世界をさらに複雑にしている。ムラット・エヴギン、ダハ・ブラハ、ロリス、ジョン・レムケ――いずれも異文化を背後に持つ強烈な音楽家たちであり、その曲調ひとつで物語の方向性さえ揺さぶりかねない。国境を軽々と越える音の連打が、視聴者の予測を翻し続ける未来が容易に想像できる。『プルリブス』は、始まる前からすでに事件である。

【シングル配信中】
●Nobody Told Me (Murat Evgin)
https://sonymusicjapan.lnk.to/MuratEvgin_NobodyToldMe
●Sonnet – Pluribus edit (DakhaBrakha)
https://sonymusicjapan.lnk.to/DakhaBrakha_Sonnet
●Sumac (Loris )
https://sonymusicjapan.lnk.to/Loris_Sumac
●Vessel – Pluribus edit (John Lemke)
https://sonymusicjapan.lnk.to/JohnLemke_Vessel
【アルバム情報】
●プルリブス オリジナル・シリーズ・スコアVol.1 (全23曲)
音楽:デイヴ・ポーター
Pluribs:Volume1(Apple Original Series Score)
1. Pluribus Theme (Main Title Theme from “Pluribus”)
2. 600 Light Years Away
3. As Humans Do
4. Swabbing & Stacking
5. The Event
6. Left Utterly Alone
7. We Just Want to Help, Carol
8. Cul-De-Sac
9. Your Life is Your Own
10. For Carol and Helen
11. Mindreaders
12. How Many?
13. Traitors to the Human Race
14. Stop the Plane
15. Bed of Ice
16. Post from the Past
17. Pull the Pin
18. Self Storage
19. Whiteboard
20. Freedom Falls
21. Self-Examination
22. Please Carol Please
23. A Carol for Carol





