2026年の洋画シーンを席巻している『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、興行成績だけを見ても異例の成功を収めている。日本、全米、そして全世界での累計興収は右肩上がりを続け、公開から短期間で歴史的ヒット作の仲間入りを果たした。
だが、この映画が“数字以上”に語られているのは、観終わったあとに残る感情の大きさにある。科学教師グレースと異星人ロッキーの絆は、壮大な宇宙を舞台にしながらも、極めて人間的で普遍的な感動を呼び起こす。
その感情を巧みに増幅させているのが音楽だ。サウンドトラックに収録された60〜70年代のカントリーやポップスは、最先端のSF映像とは意外なほど相性がいい。過酷なミッションの最中に流れる懐かしい旋律が、登場人物たちの心の揺れを浮かび上がらせ、物語に独特の温度を与えている。
とりわけ観客の記憶に深く刻まれているのが、エヴァ・ストラットによる「Sign of the Times」の歌唱シーンだ。この場面は偶然から生まれた。主演のライアン・ゴズリングが、ザンドラ・ヒュラーの歌声に心を打たれ、急きょ撮影に組み込まれたというエピソードは、映画ファンの間でも語り草になっている。
ハリー・スタイルズの代表曲に込められた“時代の兆し”という言葉は、物語の核心と重なり、静かながらも強烈な余韻を残す。
さらに、本作には劇伴音楽を堪能できるスコア版も存在する。『スパイダーバース』などで知られるダニエル・ペンバートンの音楽は、宇宙のスケールと人間の感情を見事に結びつけている。音楽を通して物語を追体験することで、この映画は何度でも新しい表情を見せてくれる。
Harry Styles – Sign of the Times (Official Video)

【オリジナル・サウンドトラック】
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(オリジナル・サウンドトラック)
Project Hail Mary (Original Motion Picture Soundtrack)
■主要音楽配信サービスへのリンク:https://sonymusicjapan.lnk.to/PHM_OST
〈収録曲〉
- Sunday Morning Comin’ Down / Kris Kristofferson(クリス・クリストファーソン)
- Pata Pata / Miriam Makeba(ミリアム・マケバ)
- El Amanecer / Carlos Di Sarli y su Orquesta Típica(カルロス・ディサルリ)
- Rainbows / Dennis Wilson(デニス・ウィルソン)
- Wind of Change / Scorpions(スコーピオンズ)
- Po Atarau / Turakina Maori Girls’ Choir
- Gracias A La Vida / Mercedes Sosa(メルセデス・ソーサ)
- Stargazer / Neil Diamond(ニール・ダイアモンド)
- Glory, Glory / Ike & Tina Turner(アイク&ティナ・ターナー)
※「Sign of the Times」(ハリー・スタイルズ)は収録されていません。

【オリジナル・サウンドトラック・スコア版】
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(スコア版)/ダニエル・ペンバートン
Project Hail Mary (Original Motion Picture Score) – Daniel Pemberton
■主要音楽配信サービスへのリンク:https://SonyMusicJapan.lnk.to/PHM_OMPS
【映画のあらすじ】
満ちの原因によって太陽エネルギーが奪われる異常事態が発生。このままでは地球の気温は低下し、全生命は滅亡する。この絶望的な危機を救う鍵が、11.9光年先の宇宙にあると突き止めた人類は、一縷(いちる)の望みをかけて宇宙船を建造。中学校の科学教師グレースを送り込む。彼は知識を武器に、“イチかバチか”のミッション〈プロジェクト・ヘイル・メアリー〉に立ち向かうことになる。
宇宙の果て、極限の孤独のなか、グレースが出会ったのは、同じく母性を救うためにひとり奮闘する異星人ロッキーだった。姿かたち、言葉も違う2人が、科学を共通言語に挑む、宇宙最大の難題。やがて育まれる種族を超えた友情の先で、2人が辿り着いた答えとは――。
【オフィシャルサイト、SNS】
公式WEBサイト:https://ProjectHM.movie















