FRONTROW

Z世代は「遅れて大人になる世代」、飲まない若者が増えた理由とは

FRONTROW Journal
BY FRONTROW Journal
Z世代は「遅れて大人になる世代」、飲まない若者が増えた理由とは
Close-up of two people toasting with pint glasses of beer while sitting at an outdoor wooden table. The scene captures a casual and social atmosphere, with soft natural light suggesting a warm day. The focus is on the hands and drinks, symbolizing friendship, relaxation, and celebration.

1990年代半ばから2010年代序盤に生まれたアメリカのZ世代が、親世代と比べ、飲酒量を大幅に減らしていることが各種調査で明らかになっている。研究者たちはこの世代を「遅れて大人になる世代」と表現しており、その傾向は日本でも同様の広がりを見せているという。(フロントロウ編集部)

数字が示す「飲まないZ世代」

 ミシガン大学が長年にわたり実施している「モニタリング・ザ・フューチャー」の調査によると、現在の米国の高校3年生に相当する12年生で過去1年以内に飲酒した割合は41%だった。約30年前の75%前後から大幅に減少し、その差は30ポイント以上に及ぶ。10年生や8年生でも飲酒率の低下傾向が確認されている。

 米ギャラップの調査でも、飲酒すると答えた米国成人の割合は54%で、約30年ぶりの低水準となった。35歳未満の若者で「飲む」と答えた割合は、20年ほど前の72%から62%まで低下した。さらに同調査では、米成人の53%が「適度な飲酒でも健康に害がある」と考えており、これは約10年前の28%から約2倍に増えた数値だ。

コロナ禍&SNSと飲酒の関係

 この変化の背景には健康意識以外の要因が大きく関わっていると言われている。米調査会社「The Up and Up」の創設者レイチェル・ジャンファザは自身のニュースレターで、「コロナ禍とSNSが、若者の交流のあり方を根本から変えてしまいました」と語っている。

 米Axiosによると、米国の若者が友人と対面で過ごす時間は、20年ほど前の月30時間から月10時間へと3分の1に激減。飲み会や対面の集まりといった従来の社交の場そのものが消えたようだ。

 また、Z世代の49%が「SNS上での自分のイメージを意識しながら生活の選択をしている」と答えている。

「外見」と「お金」へのプレッシャーも影響

 外見への強い意識も、飲酒から遠ざかる要因のひとつだとも。「体を最適化する(body optimization)」という文化がZ世代のあいだで広まっており、カロリーの高いアルコールを避ける若者が増えているそう。ウェアラブル端末での体調管理や、GLP-1(肥満治療薬)の普及なども背景として指摘されている。Z世代の41%が、アルコールに「不安」「無防備さ」「乱用」といったネガティブな印象を抱いているという調査もある。

 また、経済的な背景も無視できないようだ。大手蒸留酒メーカー、ブラウン・フォーマンのCEOは「若者の財布事情は厳しい」「そのためアルコールは少量ずつしか購入しないようだ」とも語っていた。

「遅れて大人になる世代」?研究者が語るZ世代の実像

 一部研究者たちはこうした傾向を「遅れて大人になる世代(late bloomers)」と表現している。レイチェルは「飲酒量が減っているだけでなく、性的な経験が遅れ、運転免許の取得時期も後ろにずれている」と語る。

日本のZ世代も「飲まない世代」に

 こうした傾向は日本も例外ではない様子。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、若年層の飲酒習慣は低下傾向にある。ニッセイ基礎研究所の分析では、日本の20代の約20%が「ほとんど飲まない、またはやめた」と回答しており、20代女性では日常的に飲酒しない層が多数派になっている。

 日本インフォメーションが国内のZ世代1,616人を対象に実施した調査(2023年実施)でも、「お酒が好きではない」と答えた割合は40%に上った。「ソーバーキュリアス(sober-curious)」と呼ばれる、健康やウェルネスを理由に自らアルコールを控えるライフスタイルがとくに若い女性のあいだで広がっている。

MORE

FEATURE

RECOMMEND