アナと雪の女王の物語
ディズニー映画『アナと雪の女王』は、アレンデール王国の王族であるエルサとアナ姉妹の物語。エルサには「触れたものを凍らせる」という魔法の力があり、その力を隠していたものの、ある出来事がきっかけでその力が制御できなくなり、国中を冬にしてしまう。
事件をきっかけに国を飛び出したエルサを連れ戻すため、そして冬になってしまった国を救うため、アナが冒険の旅に出るというお話で、姉妹の絆などが感動的に描かれている。
アナとエルサは姉妹じゃなかった
「姉妹」という設定が大きな要素となっていた『アナと雪の女王』だけれど、プロデューサーのピーター・デル・ヴェッチョが最初に考えた設定では、なんとエルサとアナは姉妹ですらなかったという。
初期設定でのアナとエルサについてピーターは、「アナとエルサは姉妹ではなかったんだ。しかも王族ですらなくって、アナは王女じゃなかった。エルサは自称『雪の女王』で、しかも邪悪な心を持った悪役の予定だったんだよ。アンデルセン童話(に出てくる『雪の女王』)みたいなね」と、Entertainment Weekly誌にコメント。
しかも最初の設定では、エルサが心を閉ざしてしまう理由も違ったそうで、その原因は「結婚式の日に相手にすっぽかされてしまったから」。ショックを受けたエルサは、もう誰のことも愛することの無いようにと、自分の心を凍らせてしまうのだという。
エンディングも別だった
さらにピーターは、最初に考えていたエンディングについても告白。『アナと雪の女王』に出てきた山男のクリストフや、南諸国の王子であるハンス王子といったキャラクターも登場するもので、エルサが軍隊として生み出した雪のモンスターとアナたちが戦うものだった。
エルサの攻撃を止めるため、ハンス王子はエルサやアナだけでなく、国の人々の命を落とすこともお構いなしに、雪崩を引き起こしてしまう。全員を救えるのはエルサしかいないと気づいたアナは、国を救うために力を使ってほしいとエルサを説得。人々の命を救ったことで、エルサの凍っていた心が解け、再び人を愛せるようになる、という結末を迎える。
しかし、ピーターはこの結末を「ありきたり」であると感じ、さらにエルサにも共感できなかったため、このエンディングをボツに。さまざまな変更が加えられ、今の『アナと雪の女王』の物語になり、映画は大ヒットとなった。
そんな『アナと雪の女王』は現在、同じスタッフで続編の制作が進行中。また、劇中に登場する「オラフ」という雪だるまのキャラクターをメインにした、「オラフズ・フローズン・アトベンチャー」という短編が12月にアメリカで公開される予定となっている。