ついに日本時間の2月26日に開催される、映画の祭典アカデミー賞。現時点では最多14ノミネートの『ラ・ラ・ランド』に大きな注目が集まっているけれど、ノミネート作品のなかには、他にも押さえておきたい作品がたくさん。
『ムーンライト』4月公開
助演男優賞大本命
俳優のブラッド・ピットが制作を手掛けた映画『ムーンライト』は、内気な少年シャロンが大人になっていく姿を3つの時代を通して描いた感動作。先日開催されたゴールデングローブ賞では、見事作品賞を受賞した。
そんな本作で一番の注目を集めているのが、ジュアン役を演じたマハーシャラ・アリ。その高い演技力が評価されているマハーシャラは、すでにさまざまな映画祭で助演男優賞を獲得。アカデミー賞助演男優賞の大本命とみられている。
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』5月13日公開
主演男優賞有力候補の1人
突然の兄の死をきっかけに故郷に戻ってきた主人公の心の葛藤を描き、アカデミー賞で6部門にノミネートされている本作。タイトルになっている『マンチェスター・バイ・ザ・シー』というのは実在する場所の名前で、映画の撮影も実際にこの町で行われている。
この作品で注目なのが、主人公リーを演じたケイシー・アフレック。難しい役を見事に演じきったケイシーは、『フェンシズ』のデンゼル・ワシントンや『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングと並び、主演男優賞の有力候補とみる声が多数。果たして、主演男優賞は一体誰の手に渡るのか?
『フェンシズ(原題)』日本公開未定
助演女優賞確実か
1950年代を舞台にした本作は、労働階級の父を演じたデンゼル・ワシントンが主演男優賞に、そんな彼を支え続けた妻を演じたヴィオラ・デイヴィスが主演女優賞にノミネート。特にヴィオラは、海外メディアのオスカー予想でもほぼ満場一致といっていいほど彼女を推す声が多く、助演女優賞確実とみられている。劇中でデンゼルに感情を爆発させるヴィオラの迫真の演技は、予告編からも確認することが出来る。
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』3月31日公開
エマ・ストーンと主演女優賞を争う
1963年に暗殺されたアメリカ大統領ジョン・F・ケネディの妻で、「史上最も有名なファーストレディ」と呼ばれるジャクリーン・ケネディ。『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』は、そんな彼女が夫ケネディの死後、彼の偉大な功績が人々から忘れ去られてしまうとないようにと奔走する物語。
ジャクリーンを演じたナタリー・ポートマンは、ジャクリーンの特徴的な話し方や癖なども完璧にマスターし、その再現度の高さなどが評価され主演女優賞候補に。ナタリーがアカデミー賞にノミネートされるのは、『ブラック・スワン』以来3度目となる。
『レッドタートル ある島の物語』2016年公開
ジブリスタジオ作品が2年連続ノミネート
日本を代表するアニメ制作会社であるスタジオジブリが、フランスやベルギーとともに制作した『レッドタートル ある島の物語』が、長編アニメ映画賞にノミネート。無人島を脱出しようと試みるある男の姿を通し、「いのち」とはなんなのかを訴えかける本作は、実に約8年もの年月をかけて制作された。
アニメのアカデミー賞と言われるアニー賞で長編アニメーション映画賞を、またカンヌ国際映画祭では「ある視点」部門特別賞を受賞している『レッドタートル』と賞を競うのは、『ズートピア』や『クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス』など、どれも強豪作品ばかり。昨年はジブリスタジオの『思い出のマーニー』が惜しくも受賞を逃しただけに、『レッドタートル』での受賞に期待がかかっている。