まさかの価格
アカデミー賞を受賞した俳優や監督らが、嬉しそうにかがけるオスカー像。実際のところ、どのくらいの価値があるのだろうか。
その気になる値段は、米テレビ局CBSによって2011年に算出されている。24金メッキをほどこされたオスカー像の製作費はというと…推定約3万1,600円。
2011年当時は金の価値が高くこの値段がはじき出されたそうだけれど、なんだか思っていたよりも安い気もする。
オスカー像は売買禁止! それでも続くオークション
そんなオスカー像、本来は売買禁止。しかし実はこれまでに、何度かオークションに出されたことがある。
ただその際には、せっかく高額で落札したオスカー像をアカデミー賞側がたったの10ドル(約1,100円)という買い取り額で返還するよう要求するなどして、世間を賑わせてきた。
そんななか、1942年に『市民ケーン』で脚本賞を受賞したオーソン・ウェルズの親族が動きを見せた。アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーとの裁判に勝ち、なんと、オスカー像を売却する権利を勝ち取ったのだ。
そして2011年、ついに『市民ケーン』のオスカー像がオークションに出され、約6,700万円(86万1,542ドル)で落札された。当初予想されていた、約8,800万~1億3,300万円(80万~120万ドル)を下回る額での落札となったものの、米AOLによれば、2017年現在、『市民ケーン』のオスカー像は、最も高額なオスカー像として君臨している。
アカデミー賞受賞の本当の価値とは?
アカデミー賞受賞は「ハリウッドから評価された」という証しそのもの。それだけでも十分に名誉なことだけれど、実はアカデミー賞が俳優に与える影響はこれだけではない。
米コルゲート大学の論文によると、アカデミー賞を受賞した俳優のうち、実に81パーセントの主演男優のギャラアップが確認されているという。オスカー像は、周りからの評価だけでなく、出演料にも大きな影響を与えるのだ。
しかし、残念なことに、ここにも近年ハリウッドで話題となっている「男女の賃金格差」の問題が。アカデミー賞受賞後の俳優のギャラが最大約4億2,900万円(390万ドル)にまで跳ね上がっているのに対し、主演女優賞を受賞した女優のギャラ上昇額は、約5,500万円(50万ドル)に留まっている。