女優兼シンガーのゼンデイヤが、マーベル社制作の映画『スパイダーマン:ホームカミング』でMJ役を演じるという報道に、ネット上で賛否両論が。

画像: ゼンデイヤのMJ役、肌の色が原因で論争に!監督や原作者が批判へ反論

 マーベル社製作の映画のキャスティングを巡って、映画界でとある論争が起こっている。


なぜ、ゼンデイヤでは批判が起こるのか

 『スパイダーマン』原作でMJ役は、「赤毛の白人」という設定。近年制作された映画でも、MJ役を演じてきたのは、キルスティン・ダンストやシェイリーン・ウッドリーといった、白人の女優たちだ。

画像: サム・ライミ監督が手がけた3部作では、キルスティン・ダンストがMJを担当。

サム・ライミ監督が手がけた3部作では、キルスティン・ダンストがMJを担当。

画像: 最終的には出演部分がすべてカットされてしまったものの、マーク・ウェブ監督の『アメイジング・スパイダーマン2』ではシェイリーン・ウッドリーがMJを演じていた。

最終的には出演部分がすべてカットされてしまったものの、マーク・ウェブ監督の『アメイジング・スパイダーマン2』ではシェイリーン・ウッドリーがMJを演じていた。

 そんなMJという役を、赤毛でもなく、さらには黒人の父をもつゼンデイヤが演じることに一部コミック・ファンの間で不満が出ている。

 SNS上には、「ゼンデイヤがMJだなんて間違っているわ。MJは黒人じゃないもの。どうしてハリウッドは原作に忠実にすることが出来ないの?あきれちゃうわ」という投稿もある。


マーベル社の意外なキャスティングは初ではない

 最近も、同じくマーベル社制作の映画『ファンタスティック・フォー』で、白人のキャラクターであるジョニー・ストーム役を黒人俳優のマイケル・B・ジョーダンが演じ、「コミックに忠実じゃない」「台無しだ」という批判にあっていた。

画像: 『ファンタスティック・フォー』のプレミアにて。

『ファンタスティック・フォー』のプレミアにて。

 このことについてマイケル本人はEntertainment Weekly誌で、「50年以上もの歴史のあるコミックスのことを忘れてくれと頼むことは出来ないけれど、1961年に初めてコミックスが出たときよりも、少しは、現在の社会には多様性があるんだよ」と、人種の垣根を超えたキャスティングはスクリーンに多様性を求める現代ならではのやり方だと主張した。

 また、「しかも(原作者の)スタン・リーが監督にメールで『よくやっている、大丈夫だよ』と言っているのに、僕がそれに反対することなんて出来ないだろう?」と、原作者によるお墨付きがあったことも明かした。


マーベル映画の原作者と監督が反論

 こういったSNSでの「肌の色が違う」という批判に、監督や原作者たちが反論の声を上げている。

 マーベル社制作の映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の監督を務めたジェームズ・ガンは、マイケル・B・ジョーダンの件に触れつつ、ゼンデイヤのキャスティング批判に対して、フェイスブックに自らの考えを掲載。

画像: 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の、ジェームズ・ガン監督。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の、ジェームズ・ガン監督。

 監督は、「映画化されたときに、キャラクターの本質的な部分が変わってしまって、動揺する気持ちはわかるよ」と前置きしたうえで、キャラクターの特徴や特性というのは、「肌の色や髪の色ではない」と、肌の色を理由にキャスティングを批判している人に反論した。

 さらに今週、『スパイダーマン』と『ファンタスティック・フォー』の原作者であるスタン・リーも、ゼンデイヤのキャスティングに関してコメント。

画像: 原作者スタン・リー。

原作者スタン・リー。

 スタン・リーは、「僕がウワサで聞いているくらい彼女が良い女優ならば、きっととても素晴らしいことになるだろうね…。肌の色は問題じゃないし、宗教も問題ではない。重要なのは、その役にとって正しい人間かどうかだ」と、Toronto Sun紙に語った。

 もちろん、ゼンデイヤに対する意見は批判的なものだけでなく、「楽しみ」「ゼンデイヤは最高のMJになるはず」といった、好意的な意見も多く寄せられている。『スパイダーマン』のファンにとっては思い入れのあるキャラクターを、彼女はどのように演じるのだろうか。

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