あのプリンセスもこのプリンセスもみんなブルーの服
世界中で愛され続けるディズニーの人気アニメに登場する女性主人公たちの衣装に注目してみると、その多くがブルーのドレスやワンピース、スカートなどを身につけている。
『シンデレラ』のシンデレラ、『美女と野獣』のベル、『不思議の国のアリス』のアリス、『アナと雪の女王』のエルサ、『アラジン』のジャスミンなど、若干の違いはあるものの、彼女たちのトレードマークとして知られている洋服は、みんな似たような淡いブルー。
このことは決して偶然ではなく、その裏には深い理由が。
プリンセスたちがブルーの服を着ている理由
ファッション業界では、プリンセスたちが着ているこの気品あるブルーを総称して「ディズニー・ブルー」と呼ぶことも。
米パントン・カラー研究所の色彩専門家レアトリス・アイスマンは、プリンセスたちの衣装に使われているこの色について「ブルーの洋服を着せることで、キャラクターに“強さ”を与えているのです。言ってみれば、若い女性や幼い女の子たちに『あなたたちだってパワフルになれる』というささやかなメッセージが込められているということですね」と米アリュール誌に分析している。
さらに、エマ・ワトソンが主演し、世界的なヒットとなっている実写版『美女と野獣』の衣装を手がけたジャクリーン・デュランは、主人公ベルの衣装について「淡いブルーには洗練された上品さと爽快さがあります。ブルーはとても実用的な色で作業服などにもよく使われる色です。そういう意味では、アクティブさや強さの象徴でもあります」と話していて、アニメだけでなく実写版映画においても『ディズニー・ブルー』の伝統が受け継がれているよう。
古くから、女性を象徴する色と言えばピンクや赤などが親しまれてきたなか、女性の強さを表現するひとつの手法として何十年も前からプリンセスたちの衣装にブルーを取り入れ続けてきたディズニー。その密かな計らいには感動を覚える。今後発表される作品でも、女性主人公たちの衣装にブルーが採用されるのか、注目したい。