海外のあるアーティストが皮膚の疾患である尋常性白斑を持つ女性たちをモデルにした「まだら肌」の人形を制作。この人形に込められた想いとは?

子供たちが遊ぶおもちゃにも多様性

 性別、国籍、人種、宗教など、さまざまな違いを乗り越えて多様性を受け入れようという運動が盛んになっている昨今、世間や大人からの影響を最も受けやすい幼い子供たちが手にする玩具にも進化が求められている。

画像: 子供たちが遊ぶおもちゃにも多様性

 女の子のおもちゃの代表格で「時代を写す鏡」と言われるバービー人形にも、さまざまな体形や肌の色の女性を元にしたバリエーション豊かなモデルが誕生しているが、世の中にはまだまだ無視してはならない、“周囲との違い”に戸惑う子どもたちがたくさん。

  

「まだら肌」の人形が誕生

 そんな子供たちに、「人と違うことは美しい」と多様性の素晴らしさを教えるべく、ある人形作家がこれまでには無かった「まだら肌」の人形を制作。

 カスタム人形を専門としているアーティストのケイ・ブラックは、おもに黒人女性のクライアントからのリクエストに応えて陶器の人形を制作しているが、あるとき、尋常性白斑を持つ女性からの注文を受けたことがキッカケで「まだら肌」の人形を作ることに。

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 尋常性白斑とは、肌の色素が部分的に欠損して白くなってしまう慢性的な皮膚疾患で、2016年の調査では全世界の人口の約1%の人々がこの疾患を抱えていると言われている。

画像: モデルのウィニー・ハーロウも尋常性白斑を抱えている女性の1人。自身の肌を個性として活かしファッション界で注目を浴びている。©Winnie Harlowe

モデルのウィニー・ハーロウも尋常性白斑を抱えている女性の1人。自身の肌を個性として活かしファッション界で注目を浴びている。©Winnie Harlowe

 この疾患を持つ人々は、見た目のインパクトから周囲に好奇の目で見られたり、コンプレックスを抱えてしまうことも少なくない。

 この「まだら肌」人形が誕生した背景には、そんな尋常性白斑を持つ子どもたちだけでなく、ほかの子どもたちにも幼い頃から知識を広め、1つの個性として浸透させることで、より差別や偏見のない世の中を目指そうという想いも。

 「まだら肌」の人形は、美しさにはさまざまな形があり、違いは誇るべき個性だということを現代の人々に伝えようとしている。

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