議論される「文化の盗用」問題
ニューヨーク在住のある母親は、5歳の娘から映画『モアナと伝説の海』の主人公モアナの仮装を希望されても、同作が実在したハワイの先住民族をベースに作られた物語であり、白人の娘が文化の違う仮装するのは「文化の盗用」だからという理由で認めなかったという。
「文化の盗用(Cultural Appropriation)」とは、近年よく議論されるトピックの1つで、ある民族の文化的要素を、その文化に属していない人たちが取り入れること。
そんな「文化の盗用」に敏感に反応した母親は、「モアナは、実際の歴史と民族がもとになっているから、実在した人に仮装するなら、尊厳を持ったやり方をしないといけない。そうでなければ、その文化をバカにすることになる」と、娘に説明。
「数年前に『アナと雪の女王』のエルサの仮装をさせたけど、それは架空のキャラクターだから問題ない。今回のモアナの仮装も(ハワイの先住民の)ポリネシア系の人がする場合はいい。問題なのは、モアナの文化は私たちの文化ではないということ」と考える母親が、娘との一連のやり取りをネットに投稿すると、瞬く間に拡散。
意見は賛否両論
また、女性に同意しながら、モアナがディズニーのキャラクターであるため状況が違うと指摘する人も多く、その中のひとりは、「キャラクターはいいけどカルチャーに仮装するのはダメというのが私のルール。だからポカホンタスやタイガー・リリーには仮装してもいいけど、ネイティヴ・アメリカンに仮装するのはダメって考えてる」と意見した。
「文化の盗用」というトピックに加えて、モアナを「キャラクター」ととらえるのか、それとも「実在した先住民」ととらえるのかという点でも、議論が激化している。
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