新作映画の役作りのために20キロ以上体重を増やした女優のシャーリズ・セロンが、増量を通して学んだ、色んな意味での「一番ダメな食生活」とは? 

役作りのため20キロ以上増量

 3人の子供の育児に追われる母親のリアルな日常を描いた最新主演映画『タリー』(Tully)で、子育てに疲れきった母親を演じたシャーリーズ。

 家族の生活を優先するあまり、身なりなどお構いなしで、すっかり女性として「美しく見られたい」という願望を捨ててしまったマーロを演じるにあたり、「このマーロという女性が物事をどんな風に感じるのか自分自身でちゃんと感じてみたい」と思ったシャーリーズは、50ポンド(約23キロ)の増量にチャレンジすることを決意した。

 アカデミー賞主演女優賞を受賞した2003年公開の映画『モンスター』では、元娼婦の連続殺人犯を演じるために約13キロの増量に成功し話題となったシャーリーズだが、今回は、それよりもさらに10キロもプラスするという荒行に臨むことに。

 そんな「逆ダイエット」の方法としてシャーリーズが取り組んだのは、朝から晩まで、ひたすらジャンクフード中心の不健康な食事をとるという作戦。

 シャーリーズは米ETオンラインとのインタビューで「朝食にはIn-N-OUT(※)のハンバーガーを食べてミルクシェイクを2杯飲んだわ」、「わざわざ夜中にアラームをセットして起きて、深夜2時に冷たくなったマカロニ&チーズを2カップ食べてたりしてた」と役作り中の暴飲暴食ぶりを明かした。

※米人気ファストフード店。

画像: 映画『タリー』のワンシーン。©Tully Movie/ Twitter

映画『タリー』のワンシーン。©Tully Movie/ Twitter

 しかし、最初の3週間ほどは楽しかったものの、彼女の逆ダイエットは突然限界を迎えることに。「もう食べることが作業でしかなくなってた…もう、食べるっていうより喉に押し込むって感じね。太るのって楽じゃない」と普段は健康的な食生活を好む彼女だからこそ、輪をかけてツラかったと話したシャーリーズ。

  

メンタルまでダメにする食生活

 さらに、今回の増量を通して彼女が気がついたのは、「太る」ということが覚悟していた以上に大変だということ以外にもあった。

 それは、「人はあまりにも大量の加工食品や砂糖を摂りすぎると、深刻な鬱(うつ)の症状に悩まされる」ということ。

 当時の精神的な変化について、「自分でもびっくりするくらい、鬱に陥ったわ。こんなにも大量の加工食品を口にしたり砂糖の入った飲み物を飲んだりしたのは、人生で初めての経験だった。この作品の撮影現場では、私ってすごく嫌な人だったかも」と、落ち込んだり、気分にムラが出て周囲のスタッフたちに八つ当たりするような態度を取ってしまったことも告白した。

 そんなメンタルまでダメにしてしまう食生活を乗り切ったシャーリーズ。撮影終了後には、健康的な食生活に戻り、エクササイズも再開して元の体形にカムバックしたが、これには1年半ほどかかり、体重を落とすのにもまた苦労したと話している。

 “カメレオン女優”の異名をとるシャーリーズが体を張って挑んだ『タリー』は、全米で5月4日に公開。1月に世界最大のインディペンデント映画祭、サンダンス映画祭でプレミア上映され、好評を得ている。

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