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映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の日本公開を記念して、オリジナルの『ジュラシック・パーク』を特集。2018年に公開25周年を迎えた『ジュラシック・パーク』は、じつはファッションやフェミニズムなど、女性にたくさんの影響を与えた映画だった!
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『ジュラシック・パーク』がファッションに与えた影響

 映画『クルーレス』のプレイド柄や、『プリティ・ウーマン』のニーハイブーツなど、1990年代は、女性のファッションに影響を与えた映画が多く作られた。そして映画『ジュラシック・パーク』も、じつはそんな作品のひとつ。

画像: (左)『クルーレス』PARAMOUNT PICTURES / Album/Newscom/(右)『プリティ・ウーマン』TOUCHSTONE/WARNERS / Album/Newscom

(左)『クルーレス』PARAMOUNT PICTURES / Album/Newscom/(右)『プリティ・ウーマン』TOUCHSTONE/WARNERS / Album/Newscom

 恐竜アクション映画である『ジュラシック・パーク』とファッションは結びつかなそうだが、90年代を代表するヒット映画で注目されたのが、ローラ・ダーン演じるエリー・サトラー博士が着ていたハイウエストデニム・スタイル。

画像: ハイウエストデニムにデニムシャツをINしたスタイルで『ジュラシック・パーク』のセットに立つローラ・ダーン(右)。一緒に談笑するのは、スティーヴン・スピルバーグ監督(中央)とサム・ニール(左)。

ハイウエストデニムにデニムシャツをINしたスタイルで『ジュラシック・パーク』のセットに立つローラ・ダーン(右)。一緒に談笑するのは、スティーヴン・スピルバーグ監督(中央)とサム・ニール(左)。

 セクシーに着飾る女性の役が多いハリウッドで、古植物学者のエリー・サトラー博士役は、カーゴパンツやブーツなどのカジュアルなスタイルを披露。社会が“女性らしい”とする格好をしていなくても美しく魅力的なエリー・サトラー博士は多くの女性のハートをつかみ、とくに、映画冒頭で見せたデニム・オン・デニムのコーディネートはアイコニックなスタイルとして語り継がれている。

 こうして、90年代のハイウエストデニム・ブームに貢献した『ジュラシック・パーク』。ちなみにハイウエストデニムは、2010年代に入り、モデルのジジ・ハディッドやケンダル・ジェンナーといった現代の若手セレブの手によってトレンドとして人気が再熱している。

画像: (左)ジジ・ハディッド/(右)ケンダル・ジェンナー

(左)ジジ・ハディッド/(右)ケンダル・ジェンナー

 一方、『ジュラシック』シリーズは、リバイバル版である『ジュラシック・ワールド』シリーズでもファッションに影響を与えている。しかも現代では、そのトレンドは、より洗練されたハイエンドな路線へとシフト。

 例えば、『ジュラシック・ワールド』が公開された翌年には、コーチが恐竜デザインのセーターを、セリーヌが恐竜チャームのついたアクセサリーを、ポール・スミスが恐竜モチーフのフットウェアを発表しと、ハイファッション界に恐竜ブームが到来。

画像: コーチの恐竜セーターは、セレーナ・ゴメス(左)やケイト・モス(右)はじめ、ファッショニスタの争奪アイテムになるほどの人気だった。

コーチの恐竜セーターは、セレーナ・ゴメス(左)やケイト・モス(右)はじめ、ファッショニスタの争奪アイテムになるほどの人気だった。

 この動きは2018年の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の公開でも続いており、今年も多くのデザイナーが恐竜をテーマとした新作を制作。4月には、『ジュラシック』全5作品にインスパイアされたファッションショーが開催された。

『ジュラシック・パーク』がフェミニズムに与えた影響

 『ジュラシック・パーク』はさらに、ファッションを超えて女性に大きな影響を与えた。というのも、『ジュラシック・パーク』は90年代には珍しいフェミニスト映画だから。

 前述したとおり、同作の女性主人公のキャリアは、古植物学者。さらにエリー・サトラー博士は、知的なだけでなく、勇敢で、頼もしい。ハリウッドでは今でさえそういった女性の役が少ないのだから、90年代にエリー・サトラー博士が登場したことがどれだけ異例で新鮮なことだったかが分かる。同作の大ヒット後に、女児の間で古植物学者や古生物学への興味が上がったことは言うまでもない。

画像1: © 1993 Universal City Studios Inc. & Amblin Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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画像: ©PF1/WENN/Newscom

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 さらに劇中には、男性至上主義な社会に対するジャブも入れられている。

 映画の前半でイアン・マルカム博士(ジェフ・ゴールドブラム)が、「神は恐竜を創り、恐竜を滅ぼし、神は男を創り、男は神を殺し、男が恐竜を創る(※)」と語るシーンがあるのだが、それを横で聞いていたエリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)が、「恐竜は男を食べて、女は大地を受け継ぐ」と、男性主体で考えた発言に皮肉なコメントを返す。

※日本語字幕では「神は人間を創り、人間は神を殺し、人間が恐竜を創る」という言葉が使われているが、英語は「mankind(人類)」や「human(人間)」ではなく「man(男)」という言葉が使われている。

 このシーンについてローラは、「あれは重大なシーンだった。型通りの大作映画のなかに、楽しくて、素晴らしい、フェミニストな瞬間が取り入れられたんだから」と、のちに誇らしげに語っている。こういった経緯から、エリー・サトラー博士は映画史に残るフェミニスト・キャラクターとして知られている。

画像2: © 1993 Universal City Studios Inc. & Amblin Entertainment Inc. All Rights Reserved.

© 1993 Universal City Studios Inc. & Amblin Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 ファッションから、ハリウッドでの女性の描かれ方、さらには未来の世代の夢にまで影響を与えてきた『ジュラシック・パーク』。女性が色々な形で輝くことが叫ばれている現代に、ぜひ見返したい映画と言える。

ジュラシック・パーク シリーズがdTVで一挙配信中
dTVにて『ジュラシック』シリーズの過去作品が配信中。映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の予習や、公開25周年にあの名作を見直すためにチェックしたい。

配信作品:『ジュラシック・パーク』、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』、『ジュラシック・パークIII』(『ジュラシック・ワールド』はdTV内にてレンタル視聴可能)
視聴はコチラから

(フロントロウ編集部)

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