数えきれないほどの映画のなかで、見ているだけでオシャレ感度がアップしそうな映画はたくさん。真似したくなるようなコーディネートや、目の保養にもなる美しいドレスの数々…。また、ハイブランドが作品に衣装提供するケースは昔からあるけれど、その流れがここ数年で一気に増え、より映画でのファッションが華やかになっている。そこで今回は、オシャレ映画のなかから5作品ピックアップして、ファッションの解説や裏話と一緒にご紹介。
(上部写真:左から時計まわり)『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』©2016 Jackie Productions Limited、『カフェ・ソサエティ』© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.、『パリの恋人』TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.、『華麗なるギャツビー』©Warner Brothers Entertainment,Inc.

ファッションと映画の関係性

 映画の世界において、ファッションは時代背景や世界観を表現する欠かせない存在。現実世界でファッションが人の個性を表現する方法であるのと同じく、映画でも、登場人物の人となりや心情、関係性までをも表現する手段として使われる。

 例えば、故郷のアイルランドを離れ、移民として1人の女性がニューヨーク・ブルックリンで逞しく成長していく物語を描いた2015年の映画『ブルックリン』。シアーシャ・ローナン演じる主人公のエイリシュは、映画冒頭からアイルランドのナショナルカラーであるグリーンの服を着ているシーンが多い。

画像: ファッションと映画の関係性

 しかし、ストーリーが進んでいき、ニューヨーカーとして洗練された女性へと成長したエイリシュは、だんだんとグリーンを着ていく機会が減っていき、アメリカの国旗にも使われている青や赤を使った服を着ているシーンが増えていく。

 このように、セリフで説明を入れずとも、多くの映画がファッションを通して登場人物の心の変化を描いている。

ファッションがオシャレな映画をピックアップ!

 そこで、数あるオシャレ映画の中から、フロントロウ編集部がとくにオススメな5作品をご紹介。有名ブランドが衣装を提供していたり、細部までこだわっていたり…。あなたのお気に入りはどれ?

1930年代のファッションをシャネルが彩る
『カフェ・ソサエティ』

 人気監督ウディ・アレンが、1930年の黄金時代のハリウッドを舞台に、主人公ボビーの恋と人生を描いたロマンティックコメディ。映画界での成功を夢見て、ハリウッドで働く叔父を訪ねた青年ボビーは、叔父の秘書であるヴォニーに一目惚れ。猛アタックの結果親しくなるも、「恋人がいる」と告白されてしまい…という、ビタースウィートな気分になれる極上の作品。クリステン・スチュワートとブレイク・ライブリーのWヒロインでも話題に。

画像1: © 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

ファッション解説

 ファッションにも重点を置くことが多いウディなだけあり、今作のファッションも1930年代を表現したオシャレなスタイルばかり。シャネルが衣装を提供したことでも知られているけれど、ほかにも当時、シャネルのライバル的立ち位置にあったスキャパレリやブレイク・ライブリーの愛用ブランドであるキャロリーナ・ヘレラも参加している。

画像2: © 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

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 衣装を担当したスージー・ベンジンガーは、直接パリまで行き、シャネルのデザイナーであるカール・ラガーフェルドに頼んでアーカイブを見せてもらい、そこからクリステンに合うものを選んだそう。

画像3: © 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

 さらにシャネルが、何億円相当にもなるジュエリーを好意で提供したそうで、現場には何人ものセキュリティガードがいたという。クリステンやブレイクが身につけるシャネルのジュエリーは、ガブリエル・シャネルが生前にデザインし、1930年代に大きな影響を与えたラインを再現したもの


かの有名なシャネルのスーツを完全再現
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』

 1963年に暗殺されたジョン・F・ケネディ元大統領の暗殺から葬儀までの4日間を、妻のジャクリーン・ケネディの視点で描いた伝記作品。愛する夫が目の前で殺される瞬間を目の当たりにしたジャクリーンが、夫を過去の人として葬らせないために決断した「最後の使命」とは…?

画像1: ©2016 Jackie Productions Limited

©2016 Jackie Productions Limited

ファッション解説

 世界でもっとも愛されたファッションアイコンとも言われていたジャッキー。完璧主義だったジャッキーらしい非の打ち所のないサイジングや代名詞とも言えるパール、こよなく愛していたオートクチュールの服などは「ジャッキースタイル」として愛された。 

画像2: ©2016 Jackie Productions Limited

©2016 Jackie Productions Limited

 史上もっとも愛された米大統領と言われたケネディ元大統領の人気を支えていたのは、各国の首相や大統領と友好的な関係を築き、夫の外交を徹底的にサポートした妻ジャッキーだった。そしてそんなジャッキーの人気を支えた1つの要因がファッション。それほどファッションは重要な役割を果たしており、そんな理由から、今作でもファッションは何よりも欠かせない要素となっている。

 今作では、そんな往年のファッションアイコンであるジャッキーが実際に着ていた服を完全再現している。手掛けたのは、映画『イヴ・サンローラン』でも衣装を担当したマデリーン・フォンテーヌ。

画像: 暗殺後、ジャッキーは夫の血がついたシャネルのスーツを「犯人に見せつける」と言って、着替えることなく報道陣の前に姿を見せた。©2016 Jackie Productions Limited

暗殺後、ジャッキーは夫の血がついたシャネルのスーツを「犯人に見せつける」と言って、着替えることなく報道陣の前に姿を見せた。©2016 Jackie Productions Limited

 皮肉にも「ジャッキーといえばこの服」と多くの人の記憶に残っている、ケネディ元大統領が暗殺された日に着ていたシャネルのピンクのスーツや、真っ赤なディオールのワンピース、ジバンシィによる喪服など、当時のアイコニックな「ジャッキースタイル」が映画の中で蘇る。


シャネルやカルティエ…有名ブランドが協力
『パーソナル・ショッパー』

 多忙なセレブの代わりに服やアクセサリーを買いつけるパーソナル・ショッパーをするモウリーンは、数ヵ月前に双子の兄を失くした悲しみから立ち直れないでいた。そんな時彼女の元に何者から謎のメールが届き始める。クリステン・スチュワートが主演を務める、スリリングな心理ミステリー。

画像1: ©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM– SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM– SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

ファッション解説

 ヒッチコックを思わせるようなサスペンス要素たっぷりの今作の衣装は、クリステンが広告塔を務めるシャネルが衣装協力をしている。それだけでなく、カルティエやクリスチャン・ルブタンなどの有名ブランドが多く登場するので、ファッション好きにはたまらないシーンがたくさん。

画像2: ©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM– SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM– SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

 煌びやかな衣装とは対照的に、モウリーンの普段着はデニム、ニット、レザージャケットというジェンダーレスな等身大ファッション。ハイブランドのドレスも着こなし、カジュアルなスタイルまで違和感なく着こなすクリステンは、劇中で着て気に入ったニットを何枚かもらっていったそう。


豪華爛漫な1920年代スタイルが見どころ
『華麗なるギャツビー』

 米作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説『グレート・ギャツビー』をレオナルド・ディカプリオ主演で映画化。1920年代のニューヨークで、毎晩のように大豪邸で豪華なパーティを開いている大富豪のジェイ・ギャツビー。一体彼は何者なのか? パーティの目的は? 後に明らかになる、ギャツビーが抱える哀しい事実とは?

画像1: ©Warner Brothers Entertainment,Inc.

©Warner Brothers Entertainment,Inc.

ファッション解説

 狂騒の20年代と言われたほど、1920年代のニューヨークは好景気だった。それを反映するように、これまでは保守的だったファッションも変化した。当時は「フラッパー」と言われるスタイルが流行し、膝丈の短いスカート、ショートボブのヘア、メイクは濃い目でジャス音楽やお酒を楽しむ女性が急増。 

画像2: ©Warner Brothers Entertainment,Inc.

©Warner Brothers Entertainment,Inc.

 そんなフラッパースタイルを今作で見事に再現し、アカデミー賞の衣装デザイン賞を受賞。女性キャストが着用するものはプラダやミュウミュウが提供しており、男性キャストが着用するスーツはブルックス ブラザーズが提供している。ちなみに、原作者のF・スコット・フィッツジェラルドは、ブルックス ブラザーズの長年にもわたる顧客だったそう。

画像3: ©Warner Brothers Entertainment,Inc.

©Warner Brothers Entertainment,Inc.

 この時代の華やかさを伝えるために、衣装デザインを担当したキャサリン・マーティンが1番大切にしたのはジュエリー。映画で使われているヘッドアクセサリーやネックレス、ブレスレットやリングは、すべてティファニーが提供している。女性たちが着こなす豪華爛漫な衣装やジュエリー、そして男性たちが着こなすスマートなスーツを存分に楽しんで。


一秒たりとも目が離せないオシャレ映画
『パリの恋人』

 映画『雨に唄えば』の名監督スタンリー・ドーネンがオードリー・ヘプバーンを主演に迎えたミュージカル映画『パリの恋人』。ニューヨークのファッション誌で働くカメラマンのディックは、古本屋で働く女性ジョーをスカウトする。乗り気ではないジョーだけれど、大好きな哲学者が暮らすパリに行けると知り、モデルの仕事を引き受ける。パリの街で繰り広げられるジョーの恋模様を、歌やダンスとともに描いていく。

画像1: TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

ファッション解説

 ファッション業界を舞台にした映画なだけあって、オープニングからオシャレな今作は、どのシーンを切り取っても絵になるのが魅力。

画像2: TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

 今作で衣装を担当しているのは、オードリーとプライベートでも深い親交があり、『麗しのサブリナ』からオードリーの衣装を担当しているファッションデザイナーのユベール・ド・ジバンシィと、50~70年代に活躍し、かの有名なサブリナパンツを生み出した伝説的衣装デザイナーのイーディス・ヘッド

画像: オードリーの衣装と言えばジバンシィという印象が強いけれど、じつはジバンシィよりも前からオードリーの衣装を担当していた。

オードリーの衣装と言えばジバンシィという印象が強いけれど、じつはジバンシィよりも前からオードリーの衣装を担当していた。

 イーディスは、アカデミー衣装デザイン賞を8回受賞した経歴があり、オードリーだけでなく、グレース・ケリーやエリザベス・テイラーなどの人気女優の衣装を担当した。ふくよかな体型が好まれていた時代に、すらっとした細身の体がコンプレックスだったオードリー。しかしイーディスは、そのコンプレックスを活かした「オードリー・スタイル」を作り上げた第一人者である。

画像: ケイ・トンプソン演じるマギー編集長の洗練されたファッションもオシャレ。TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

ケイ・トンプソン演じるマギー編集長の洗練されたファッションもオシャレ。TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

 ファッションの観点から見た今作の見どころは、パリでの撮影シーン。ジバンシィがデザインした華やかな衣装に身を包み、撮影に挑むオードリー演じるジョーの姿と、わくわくするような演出に心踊らされる。ルーブル美術館のサモトラケのニケの前で、真っ赤なロングドレスを着たジョーが、自信に満ちた笑顔で階段から「私を撮って!」と降りてくるシーンは息をのむ美しさ。

9月にスターチャンネルでファッション映画特集が放送!

 今回紹介した5作品は、9月3日(月)からBS10 スターチャンネルで放送されるファッション映画特集『シネマ・ファッション・コレクション』で一挙放送される。

画像: (左から時計まわり)『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』©2016 Jackie Productions Limited、『カフェ・ソサエティ』© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.、『パリの恋人』TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.、『華麗なるギャツビー』©Warner Brothers Entertainment,Inc.

(左から時計まわり)『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』©2016 Jackie Productions Limited、『カフェ・ソサエティ』© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.、『パリの恋人』TM & COPYRIGHT © 2018 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.、『華麗なるギャツビー』©Warner Brothers Entertainment,Inc.

 美しい女優たちが豪華なドレスを纏う映画は、見ているだけでも楽しい。有名ブランドも衣装協力しているファッションが可愛い名作をこの機会にチェックして。

シネマ・ファッション・コレクション
【STAR1字幕版】 9/3(月)~ 9/7(金)深夜0:00頃~ 連日放送 / 9/15(土)午前9:45~ 一挙放送 / 9/17(祝・月)~ 9/21(金)午前9:00頃~ 連日放送 (全5作品)

『カフェ・ソサエティ』
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
『パーソナル・ショッパー』
『華麗なるギャツビー』
『パリの恋人』

■スターチャンネルとは
BS10チャンネルで放送されているエンターテイメント専門チャンネル。TV初放送の最新映画や、毎月変わる映画のキュレーション、話題の海外ドラマの独占放送など、ラインナップの豊富さが魅力。
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(フロントロウ編集部)




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