Photos: スプラッシュ/アフロ、ニュースコム
2018年も多くの女性が活躍したが、その中から、周囲をうならせた10のエピソードを紹介します。

ナタリー・ポートマンのディス発表

画像: 映画監督のロン・ハワードと共にゴールデングローブ賞のプレゼンターを務めたナタリー・ポートマン。

映画監督のロン・ハワードと共にゴールデングローブ賞のプレゼンターを務めたナタリー・ポートマン。

 1月のゴールデングローブ賞の最優秀監督賞の発表シーンで、決まり文句である「Here are the nominees(候補者はこちらの方々です)」と言う役割を任された女優のナタリー・ポートマンが、「Here are the all-male nominee(候補者はこちらの男性の方々です)」 と、ひと言足して発表

 これは、映画『ワンダー・ウーマン』のパティ・ジェンキンスや、『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグといった女性監督が活躍した年でさえ、女性をノミネーションに入れなかったゴールデングローブ賞へのディス。ちなみにゴールデングローブ賞の75回の歴史で女性が最優秀監督賞を受賞したのは、たったの1回。1983年にバーブラ・ストライサンドが『愛のイエントル』で受賞した。

ミス・アメリカが水着審査を廃止

画像: 2019年のミス・アメリカには、ニューヨーク州代表のニア・イマニ・フランクリンが選ばれた。

2019年のミス・アメリカには、ニューヨーク州代表のニア・イマニ・フランクリンが選ばれた。

 ミス・アメリカが97年の歴史で初めて水着審査を撤廃。女性の重役が中心の団体となったミス・アメリカ機構は、自分たちを「Miss America 2.0」と銘打ち、「今後は出場者を外見で判断しません」と言って、米情報番組『グッド・モーニング・アメリカ』で水着審査の廃止を発表した。

 9月の大会では水着審査の代わりに、出場者の情熱や知性をはかるためのインタビューが行われた。ちなみに今年のミスコンでは、トランスジェンダーの女性アンジェラ・ポンセがスペイン代表に選ばれ、史上初めてトランスジェンダーのミス・ユニバース出場者が誕生したことでも話題となった。

ジェニファー・ローレンスのドレス“騒動”

画像: “騒動”の主役となったジェニファー・ローレンスのヴェルサーチのドレス。

“騒動”の主役となったジェニファー・ローレンスのヴェルサーチのドレス。

 主演映画『レッド・スパロー』のPRをしていた女優のジェニファー・ローレンス。2月のロンドンで着たヴェルサーチェのドレスが「寒そう」と一部メディアで報じられると、ジェニファーがSNSでこう報道を切り捨てた

 「あのヴェルサーチェのドレスは素晴らしい1着だった。あんなゴージャスなドレスを、私がコートやスカーフなんかで隠すと思う?私が屋外にいたのはほんの5分くらい。でも、あのドレスのためだったら雪の中に立ったっていい」。そして報道を「性差別」と呼び、「誰かの言動や行動に、いちいち波風を立てて、さして問題ではないことを大袈裟に騒ぎ立てることは、私たちの社会にとって進歩とは呼べないはず。こんな議論は、本当に話し合わなくてはいけない問題に集中する邪魔になってる」と批判した。

16歳の女子高生が南極でサンドイッチづくり

画像: ©Jade Hameister/Instagram

©Jade Hameister/Instagram

 2018年1月、オーストラリア人女子高生のジェイド・ハマイスターが史上最年少の16歳という若さで南極点、北極点、グリーンランド氷床の3箇所をスキーで踏破するPolar Hattrick(ポーラー・ハットトリック)を達成。するとジェイドは南極からサンドイッチを持つ写真をインスタグラムに投稿し、「ほら、あなたのためにサンドイッチを作ってあげたわよ」とコメント。

 じつはジェイドには、彼女の驚異的な活動を快く思わない男性から、英語で「女は自宅で家事をしていろ」という意味を持つ「俺のためにサンドイッチを作ってよ」というフレーズをSNSで投げかけられたことが。この写真はそんな差別的な言葉へのジャブで、ジェイドは「(自分と同じく)37日間、600㎞の距離をスキーで旅して南極点まで来られるんだったら、どうぞ召し上がれ!」と、KO勝ちな皮肉をつけ加えた。

セリーナ・ウィリアムズのチュチュ

画像: セリーナ・ウィリアムズのチュチュ

 2017年に第1子が誕生したあとに血栓症に苦しみ、全身に圧力をかけて血液の循環を促す通称キャットスーツを着用して実戦に挑んだセリーナ・ウィリアムズ。しかし仏テニス連盟のベルナール・ジウディセリ会長が、キャットスーツは「度を越している」として着用禁止に。出産した女性の体を考慮すべきだという批判が一部であがるなか、セリーナは意外にも素直に会長の決定を受け入れた。

 しかし数日後にセリーナがお披露目した新ウェアに、ファンは爆笑。セリーナが着たのは、キャットスーツ以上に目立つ、バレエのチュチュつきのワンショルダー風ウェアだったのだから。この目立ちまくりな新ウェアを着たセリーナは、全米オープンを準優勝で飾った。

グラミー賞重役の発言に歌姫がブチギレ

画像: 主要4部門中、女性として唯一の受賞を果たしたアレッシア・カーラは新人賞を勝ち取った。

主要4部門中、女性として唯一の受賞を果たしたアレッシア・カーラは新人賞を勝ち取った。

 全ノミネートのうち女性アーティストの占める割合が1割だったことから、「GrammySoMale(グラミーは男性ばかり)」というハッシュタグが流行った2018年のグラミー賞。そして授賞式後にグラミー賞を主催するNARASのニール・ポートナウ会長が「女性たちはもっと頑張る必要があります」と発言すると、歌姫の怒りが爆発。

 「今年は女性アーティストが音楽界を制したわ(ピンク)」、「不条理な不平等を目の当たりにしたら、ちゃんと声を上げて非難するのは私たちみんなの責任(ケイティ・ペリー)」、「コイツは一体何を言ってくれちゃってるわけ?(チャーリーXCX)」「ノミネートは仲間内だけで、彼らの音楽に対する意見に基づいて選ばれたもの(ホールジー)」といった批判がSNSで相次いだ。歌姫からの集中砲火を受けたポートナウ会長は、「言葉が明瞭ではなかったことを後悔している」と弁明。音楽界に男女差があることを認め、環境改善に努めていくと約束した。

ニッキー・ミナージュの性教育

画像: ニッキー・ミナージュの性教育

 9月にトーク番組『エレンの部屋』に出演したラッパーのニッキー・ミナージュが、「1週間に1、2回しか会えないなら1晩に3回はヤリたい」などと自身の性生活を告白。そのなかで、「数年付き合った男性から、『自分の快感を満たすことを求めてきた女性は初めてだ』って言われたんだけど、女性のみなさん、セックスは彼の快楽のためにあるんじゃなくてあなたの快楽のためでもあるの。カモン、レッツゴー!時代は2018年よ、1920年代じゃないの!」と女性たちにアドバイス。

 女性観客たちから拍手喝采を浴びると、「(お仕置きとして)こっちも雑にやってやると、向こうも頑張りはじめるわよ」言って笑いを誘った。

クリッシー・テイゲン、搾乳写真への批判に反論

画像: ©Chrissy Teigen/Instagram

©Chrissy Teigen/Instagram

 セレブ界で授乳する姿をSNSで見せること(※)が“普通”となりつつあるなか、7月に、生後間もない息子マイルズくんの授乳シーンをインスタグラムに公開したモデルのクリッシー・テイゲン。しかし一部のユーザーが「見たくなかった」などと不快感を表したところ、クリッシーがこれに返答。

 「私だって画質の悪い花火の写真や、コーチェラでの自撮りや、インフィニティプールの写真は見たくないけど、(反応しないで)その人の自由にさせてるわよ。興奮しないで、スクロールして飛ばせばいいじゃない」とサラリと批判をかわした。

※赤ちゃんを食べさせる自然な行為である授乳を母親がわざわざ別室に行ってやる必要はないという考えから、近年、あえて授乳する姿をSNSで公開する女性が増えている。

女性議員の質問がSNSで拡散

画像: 女性議員の質問がSNSで拡散

 人工妊娠中絶に関する法律が国を分断する議論となっているアメリカ。トランプ米大統領に最高裁の判事として指名されたブレット・カバノー氏の人事承認を巡る9月の公聴会で、人工妊娠中絶の反対派だとウワサされるカバノー氏に、女性議員のカマラ・ハリスから、「男性の身体のことに関して、政府が決定権を持つことを許している法律は何かありますか?」という質問が。

 これは、男性にないなら女性にもあるべきではないというハリス議員からの皮肉を込めた質問だが、カバノー氏は口ごもり、「もっと具体的な質問なら答えますが…」と回答。「男性と女性でどう違うかという質問です」「もう一度質問を繰り返します」とハリス氏から追求されると、「私は存じ上げない…というか、今は何も思いつきません」と答えた。ハリス議員がこのやり取りを収めた動画をツイートすると、投稿は3万回近くもリツイートされた。

女性ヒーロー増加の兆し

画像: 女性ヒーロー増加の兆し

 マーベル映画『アントマン』の続編『アントマン&ワスプ』が公開された2018年。続編では、主人公よりも戦闘能力の高い女性キャラのワスプがダブル主演し、女性キャラの活躍が称賛された。そして9月、マーベル社の製作社長であるケヴィン・ファイギが、女性ヒーローを主人公にした作品が増える予定であることを発表。

 「女性が主演のスーパーヒーロー映画の誕生が珍しいことではなく、普通のことになる時代を願っている」とコメントした。マーベル社からは、2019年に初の女性ヒーロー主演映画『キャプテン・マーベル』が公開される。

(フロントロウ編集部)

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