子供を生むことが出来る女性を道具として扱うディストピアな世界を描き、社会現象となっているHuluドラマ『ハンドメイズ・テイル』。このドラマであるはずだった「レイプシーン」がなくなった理由とは?

出演俳優が「レイプシーン」を拒否

 出産可能な女性が侍女として性の道具として扱われるという現代社会に反するテーマで、宗教や圧政で女性の人権が侵害される女性たちを描く大ヒットドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』。

 これまでのドラマでは描かれなかった過激なテーマで、アメリカの社会問題に切り込む『ハンドメイズ・テイル』は、Huluで配信されるやいなや大反響を呼んでいる。

画像1: 出演俳優が「レイプシーン」を拒否

 そんなドラマで、侍女に月に一度の儀式という名のもと性行為を強要する司令官フレッド・ウォーターフォードを演じたジョセフ・ファインズが、シーズン2の台本にレイプシーンがあったことを明かした。

画像2: 出演俳優が「レイプシーン」を拒否

 ジョセフ演じる司令官は権力を使って女性たちを支配しようとする、いわば悪役的なキャラクター。そんな司令官が、シーズン2で妻のセリーナをレイプするシーンがあったという。

画像3: 出演俳優が「レイプシーン」を拒否

 しかしジョセフは、レイプシーンをすることを拒否したため、このシーンはカットされた。

 すでに侍女を性の奴隷として扱う司令官の役なのに、なぜレイプは拒否したのか。その理由をジョセフはこう語った。

「忌まわしく、不快で邪悪なフレッドだけど、僕は彼のどこかのパートは守らなきゃいけないと思った。エピソード9でフレッドがホテルに入った瞬間に(妻の)セレーナをレイプするシーンがあったのだけれど、僕には(話が)つながらなかった。だから僕は、危険を冒してでもそのシーンを拒否した。だってフレッドはあんな奴だけれど、人間なんだ」

 ジョセフいわく、フレッドというキャラクターは「悪役の内にある人間らしさと闘っている」と考えているために、レイプシーンは、「妻がやりたくないのに圧力をかけてレイプしようとする」のはフレッドらしくないと思っていたという。

 そう考えたジョセフは「長文の抗議メールで猛プッシュ」して制作陣を説得した結果、レイプシーンは却下された。

 過激なドラマの世界観でも道徳をわきまえて脚本を変えたジョセフに、女性視聴者を中心に称賛の声が寄せられている。(フロントロウ編集部)

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