若手実力派俳優のティモシー・シャラメとワン・ダイレクションのハリー・スタイルズが対談。彼らが語った次世代の「真の男らしさ」って? (フロントロウ編集部)

時代を代表する2大スターが夢の対談

 最新主演映画『ビューティフル・ボーイ』の日本公開が2019年4月に決定した俳優のティモシー・シャラメ

 男性同士の淡いひと夏の恋を描いた2017年公開の映画『君の名前で僕を呼んで』での演技が高く評価され、アカデミー賞主演男優賞に史上最年少でノミネートされたティモシーは、その後も話題作に立て続けに出演。今ハリウッドで最も勢いに乗っている若手俳優として、業界内外からの視線を独占している。

 そんな彼が、英カルチャー誌i-Dに登場した。

i-Dの表紙に登場したティモシー。

 線が細く中性的な“ザ・美男子”といった普段の印象とは一線を画す、ワイルドな姿で同誌の表紙を飾ったティモシーは、誌面での特別企画でボーイズグループ、ワン・ダイレクションのメンバーで、2016年春以降のグループの活動休止中はソロシンガーや俳優として活躍の幅を広げているハリー・スタイルズとの対談を行った。

画像: ハリー・スタイルズ。

ハリー・スタイルズ。

 時代を代表する2大イケメンスターの夢の対談は、ハリーがインタビュアーとしてティモシーに質問をするという形式でスタート。

 2人がさまざまなトピックについて意見を交わしたインタビューでは、ティモシーもハリーも家族ととても仲が良く、それぞれ出演作のプレミアやツアーの舞台裏などに両親を招待して一緒の時間を過ごすことが心の安らぎとなっていること、日々の生活の中で起きた様々な事柄を役作りや楽曲制作に役立てるために、じつはコツコツと日記をつけていることなど、意外な共通点が明らかに。

 ハリーの「テレビのトーク番組に出ているときの君は、映画で見るよりもすごく緊張しているように見えるよね? 自分自身でいるよりも、誰かを演じていたほうが楽ってことはあるの?」という突っ込んだ質問に、ティモシーが「ああ、良い質問だね。これは最近の若者全般に言えることだと思うんだけど、僕がトーク番組でやたらと緊張するのには、うぬぼれや自負心が関係していると思うんだよね。僕にとってはまだすべてが目新しいから、観客の気持ちになって、『どこから来たのかもよくわからない若造が、なんか一生懸命映画について説明しようとしてるなあ』なんて客観視したりしちゃうんだ」と腹を割って答えるなど、お互いの意外な一面が垣間見える機会となった。


ティモシーとハリーが考える「男らしさ」とは?

 リラックスしたムードで進行したロングインタビューの中で、2人が最も真剣なトーンで語ったのは、現代社会における「男らしさとは何か? 」というトピックについて。

 ハリーからの「最近の世間の流れから見て、自分には俳優として、スクリーン上で新たな“男らしさ”を表現する責任があると感じることはある?僕らが幼かった頃と比べると、“男らしさ”の定義ってだいぶ変わってきていると思うんだけど」との質問に対し、「じつは、僕も君に同じような質問をしようと思っていたんだけど、その質問をすることで、自分が世の中の“男らしさ”に関する基準を変えられる存在だ、みたいな奢りを持っていると思われたくなかったから、ためらってたんだ。でもせっかく聞いてくれたから…」と言いながら、ティモシーはこんな風に持論を展開した。

画像1: ティモシーとハリーが考える「男らしさ」とは?

「質問への答えはもちろん『イエス』だね。僕らの世代って、誰かしら目標にする人がいたよね。今ほどはあからさまではなかったけど。もしかしたら意外がられるかもしれないけど、僕にとって、最もインパクトがあったのはリル・B(※)だった。だって彼はミュージシャンとして、“男性らしさ”という枠組みの境界線を上手くぼかしたと思うんだ。もし僕自身にも、演技を通じて社会に変化を生み出すような影響をもたらすことができるとしたら、それはとても光栄なことだと思う」

※アメリカ・カリフォルニア州出身のラッパー。2011年に「アイ・アム・ゲイ(アイム・ハッピー)」と題したアルバムを発表し、狭量さや憎しみ、暴力的な表現に満ちたヒップホップ・コミュニティを憂い、男性中心であるヒップホップ文化に揺さぶりをかけたと言われている。

「うまく言えないけど…僕たちはどんな自分にだってなっていいと思う。(男らしさの)特別な規範なんて決まってないし、“男らしく”見せるためにジーンズのサイズはこれでなくちゃいけない、マッチョに見えるTシャツを着なくちゃいけない、キザに振る舞わなくちゃいけない、過激な行動をとらなくちゃいけない、なんてことはないんだ。それに、“男らしく”あるためにこれまでの“男らしさ”をあえて崩壊させる必要もなければ、やみくもにドラッグに手を出したりする必要もない。逆にワクワクしてくるよね。素晴らしい新世界って感じだ。もしかしたらSNSの影響もあるかもしれない、もしくは原因なんて誰にも分からないけど、僕らの世代には物事を新しいやり方で切り開いていくという楽しみがあるんだ」

 自身が考えるこれからの“男らしさ”について熱弁し、「君がどう思ってるかにもすごく興味があるよ」と話をふったティモシ―に、ハリーも熱っぽくこう回答した。

画像2: ティモシーとハリーが考える「男らしさ」とは?

 「僕は男社会で育ったわけではないんだ。母さんと妹と一緒に過ごす時間が多かったからね。でも、この2年くらいの間にだいぶ自分自身を受け入れて満足することができるようになった。“男らしさ”や“男性性”といったもののなかには、自分の脆さや自分の中にある女性らしい側面をも認めるということも含まれているんじゃないかと思う。僕はその点においてはすごく寛容になった。若い頃は、それがどういう意味かも解らなかったけどね。ただ漠然と“男らしさ”とは何かというイメージを頭の中に持ちつつ、大人になって色んな事を経験するうちに、自分自身がどんな人間かということに自信を持てるようになったっていう感じかな。」

「今という時代においては、さまざまな方法で”男らしさ“を感じることが容易になってる。僕が自信がみなぎるのを感じるのは、自分の繊細さを露呈しているとき。とくに音楽をやってるときや曲を執筆しているとき、心を許せる友人たちと会話をしているときとかだな」

 このハリーの答えに「すごく美しくて刺激的な考え方だね」と感心した様子のティモシーは、ハリーの言葉に同意するように「やっぱり、カオスの中にこそ心地良さを感じ、狂気の中で何かを創造するっていうことだよね。儚さはハイになった状態と似てる。その感覚はすごく解るよ。芸術においてもそうだし、誰かとの親密な関係においても同じことが言えると思う」、「人間ってすごく複雑なもの。色んな感情を経験する必要がある。みんながみんな同じってわけじゃないんだ」と哲学的な考えを口にしていた。 

 社会における男女間差別の撤廃や女性の権利向上が声高に叫ばれるようになった昨今、昔とは違う女性の在り方や立場が議論されるなか、その対極として「男らしさとは何か?」、「本当の強さとは何か? 」という論点については、世間でも活発に意見が交わさている。

 そんななか、それぞれ性別の境界線をあえて意識することなく自分を表現しているティモシーとハリーが、自分たちが考える“男らしさ”について思いのたけを語った今回のインタビューは、かなり貴重だったと言えるだろう。(フロントロウ編集部)

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