2019年2月25日に開催されるアカデミー賞授賞式のホストとして選ばれたケヴィン・ハートが、過去の問題発言への批判を受けて、大役を辞退した。

過去の「ホモフォビア発言」への対応に批判殺到

 第91回アカデミー賞授賞式のホストに抜擢されたコメディアン兼俳優のケヴィン・ハートが、その数日後に自らホストを辞退する事態に発展してしまった。

画像1: 過去の「ホモフォビア発言」への対応に批判殺到

 アカデミー賞授賞式のホストといえば、これまで世界的に有名なコメディアンが務めることが多く、コメディアンであるケヴィンは名誉ある大役として発表されると、「感無量」と発言していたばかり。

画像: 2018年のアカデミー賞授賞式でホストを務めたジミー・キンメル。

2018年のアカデミー賞授賞式でホストを務めたジミー・キンメル。

 そこから一転、ケヴィンが大役から自らの足で背を向けることになってしまったのだが、その原因は、約10年前にまでさかのぼるケヴィンの過去にあった。

 2009年から2011年にかけて、ケヴィンは自身のツイッターで同性愛者を拒絶するような「ホモフォビア(※)」的な発言を繰り返したことが、再び明るみになり、それがバッシングの対象になった。
※同性愛者に対する偏見や恐怖感、嫌悪感、拒絶を示す、LGBT+コミュニティに否定的な価値観や感情を持つこと。

 「もし息子が家に帰ってきて娘のドールハウスで遊ぼうとしたら、俺はそれを息子の前で壊して『やめろ。それはゲイだぜ』って言うね」、「こんな質問をしたらどうだ、どれくらいの“ゲイ”男がドレスシャツを着て汗をかくかって。だって本物の男はかかないからな(笑)」といった、過去のケヴィンのツイートが蒸し返されると、批判が殺到。ツイートの中には、同性愛者に対する差別的な言葉も使われた。

 2010年のコメディ番組『ケヴィン・ハートのまじウケる(Seriously Funny)』では、「俺の1番の恐怖は、息子が成長してゲイになってしまわないかということだ。恐ろしい。頭に入れておいてほしいのは、俺はホモフォビアじゃない。君たちはしたいようにすればいい。でも異性愛者の男として、息子がゲイになるのを予防できるのなら、必ずする」と、自身の価値観を明かしていた。

画像2: 過去の「ホモフォビア発言」への対応に批判殺到

 こうした発言が再び指摘され、LGBT+コミュニティの人々などから批判が相次いで寄せられると、ケヴィンは過去のツイートを削除。

過去の発言への謝罪を拒否

 こうした批判を受けてケヴィンはインスタグラムを更新。

 自撮り動画で「世の中はクレイジーの域を超えている」とあきれながら発言すると、「何年も前のツイートだぜ…オー・マイ・ゴット…。みんな、俺はもうすぐ40歳だ。人は変われるし成長する、年を重ねるとともに人は学ぶってことを信じないなら、もう何を話せばいいかわからない。あなたがたが過去の失敗をいつまでも弁明して説明させたいなら、そうすりゃいい。でも俺はそうしない」「今はもうずっと落ち着いている。俺がしているのはポジティブなことだけだ」と発言。

Kevin Hart on Instagram: “Stop looking for reasons to be negative...Stop searching for reasons to be angry....I swear I wish you guys could see/feel/understand the…”

www.instagram.com

 コメント欄にも自身の言い分をぶちまけたケヴィンは、「俺の過去をさかのぼって見つけたことに激怒したって、俺はどうでもいい」「俺を信じないなら、それは君らのせいだ」と、何年も前の失言をぶり返してバッシングするアンチ派に食ってかかる言葉を口にした。

 そんな投稿から数時間後、ケヴィンは再びインスタグラムを更新。

 アカデミー賞授賞式の関係者から、「ツイートについて謝るか、他のホストを見つけなくてはいけない」と言われたことを報告し、その選択肢から「謝らないことを選んだ」と言い、ホストを辞退することを表明。

 今回のバッシングに対して謝罪を選ばなかったケヴィンは、「何度も説明したし、何が悪くてなにが正しかったのかも言ったし、僕がどんな人間かも話したことがある。もう十分やったんだ。十分。またそこに戻れって言われたって戻らない」と、過去にすでに釈明したことを繰り返すつもりはないと話した。

 そしてこのインスタグラムの投稿から1時間後に今度はツイッターを更新し、アカデミー賞授賞式のホストを辞退する決断を下したことを正式に発表。

画像: Kevin Hart on Twitter twitter.com

Kevin Hart on Twitter

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 辞退の理由を「自分のせいで、祝福されるべき一夜に才能ある人々の邪魔をしたくないから」と説明するとともに、今回の事態については謝らない姿勢でいるも、「僕が昔にした無神経な発言についてLGBTコミュニティに謝罪します」と、最終的には傷つけた人々へ謝罪した。(フロントロウ編集部)

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