田舎町での暮らしを捨て、カリフォルニアの大病院の外科病棟で研修医として新たな一歩を踏み出すことに決めた主人公のショーン。まっすぐすぎるほどピュアな性格の彼が、偏見や逆境にめげることなく、ひたむきに奮闘する姿に心を揺さぶられる人が続出している。
1月19日(土)22時から全国無料のBSテレビ局Dlifeで無料初放送をはじめる『グッド・ドクター』が、全米視聴率1位を獲得するほど、観る者を夢中にさせる理由は一体何なのか、気になる魅力にフォーカス! (フロントロウ編集部)
海外発作品のリメイクがブームに! リメイクドラマが急増する理由
インターネットの普及により、自国だけでなく色々な国の作品が気軽に楽しめるようになるなかで重要視されるのは、いかにコンテンツの質が高く、幅広い層の視聴者にアピールできるかという点。そのため各国のショービズ界は、すでに海外で映像化され成功を収めている作品に目を向けている。
他国で制作されたオリジナル作品にその国独自の文化や社会問題、価値観などを織り込んだうえで、新たな命を吹き込む、単なる焼き直しではない“リメイク”作が、今、続々と誕生している。
日本でも大人気弁護士ドラマの『SUIT/スーツ』や『グッド・ワイフ 』など、海外ドラマのリメイク版が次々と制作されているが、どれも、オリジナル版の前評判が大きな後押しとなり、成功を収めたり話題を集めたりしている。
各エピソードの平均視聴者数が1600万人を超える「全米視聴率No.1ドラマ」
そんな世界中で加速する“リメイクドラマ・ブーム”を力強く後押ししているのが、自閉症を抱えながらも外科医として類稀なる才能を発揮する異色の医師を主人公とした医療系ヒューマンドラマ『グッド・ドクター』。
オリジナルは2013年に韓国で制作された『グッド・ドクター』。これまであまり描かれてこなかった“障害を持つ医師の活躍”を主軸にした物語は、日本でも2018年夏に俳優の山﨑賢人主演でリメイクされ好評を博した。
アメリカ独自のアレンジを加えて2017年にリメイクされた米版『グッド・ドクター』は、ハリウッドならではの圧巻のクオリティと、さまざまな社会問題を盛り込んだ感動のストーリー、さらに実力派キャストが演じる愛すべきキャラクターが、視聴者たちのハートをがっちりと掴み、逃すことなくしっかりと抱え込んでいる。
シーズン1の第2話目が放送された時点で、すでにシーズン2の制作が決定するという異例のスピード出世を果たした同作は、各エピソードの平均視聴率が1600万人を超えるという目を見張るような記録を作り、2018年秋からスタートしたシーズン2も好評。
有名レビューサイト、Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)では視聴者満足度87%という高評価を獲得している。
選りすぐりのキャストが演じる愛すべき医師たち
ドラマを成功へと導くうえで最も重要なポイントの1つとなるのが、キャスティング。
人々の大切な命を扱う医療現場での緊張感と気迫に溢れるシーンをリアルに見せつつ、それでいて人間味のある、視聴者たちに愛されるキャラクターを演じることができる優秀な役者は限られている。
そんななか、『グッド・ドクター』のキャストには、難易度の高い役柄にピタリとハマる実力派の男優・女優が顔をそろえている。
<Dr.ショーン・マーフィー役 フレディ・ハイモア>
天才的な空間認知能力と記憶力を持つ自閉症の研修医ショーン・マーフィーを演じるのは、7歳で子役デビューを果たしたイギリス出身の俳優フレディ・ハイモア。
俳優のエドワード・ハイモアを父に持つ、2世俳優のフレディは、映画『ネバーランド』で共演したジョニー・デップの推薦で12歳の頃に映画『チャーリーとチョコレート工場』に主演。天才子役としてブレイクし、数々の映画やドラマに出演した。
その後、イギリスの名門校ケンブリッジ大学に入学したフレディは、一時は学業を優先するために俳優業から遠のいたものの、2013年に放送を開始した映画『サイコ』の前日譚であるドラマ『ベイツ・モーテル』で、のちにサイコキラーとして覚醒する主人公ノーマン・ベイツの青年時代を熱演して新境地を開拓。
『グッド・ドクター』では、普通とは違う思考回路や行動パターンを持つ発達障害の1つである自閉症を抱えながら、サヴァン症候群(※)により常人の何倍もの空間認知能力を有するショーンという難しい役どころを人間味たっぷりに演じ、2018年のゴールデングローブ賞でテレビドラマ部門の最優秀主演男優賞にノミネートを果たした。
※知的障害や発達障害などのある者のうち、ごく特定の分野に限って優れた能力を発揮する者の症状。
また、『ベイツ・モーテル』の撮影を通じて脚本や監督など製作に携わる“裏方”の仕事にも興味を持つようになったフレディは、『グッド・ドクター』のプロデューサーにも名を連ねている。
【フレディが明かした、ショーンを演じるうえでの役作り】
2013年から2017年までの4年間におよぶロングランとなった前出演作『ベイツ・モーテル』のクランクアップから、『グッド・ドクター』の撮影開始までは、じつはわずか3日間しか間が無かったというフレディ。
オリジナルである韓国版の第1話を見た彼は、ストーリーはもちろん、主演俳優の演技に感動。しかし、自身が演じるショーンにオリジナル版の“色”がついてはいけないと、あえてその先を観るのはやめたのだそう。
その代わり、ショーンは、自閉症を持つ昔からの知人と会ったり、参考文献を読み漁るなどして自己流の“ショーン像”を構築。しかし、自閉症を抱えている人の人物像というのは決して簡単に一括りにして良いものではなく、あくまでもショーンは“ショーン”として演じることを心がけたという。
<アーロン・グラスマン院長役 リチャード・シフ>
医師として理想的な能力を持つ反面、人と上手くコミュニケーションをとることができないショーンを、まるで父親のようにやさしく見守るのが、ショーンが外科研修医として勤務をする聖ボナベントゥラ病院の院長アーロン・グラスマン。
ある事がきっかけで、14歳の頃からショーンの面倒を見ている心優しきグラスマン院長を演じるのは、ドラマ『ザ・ホワイトハウス』でエミー賞を受賞したベテラン俳優のリチャード・シフ。
自閉症を抱えるショーンを推薦・採用したことに不満を露わにする現場の医師たちと、新たな環境に戸惑いつつもマイペースを貫くショーンの板挟みになる複雑な立場のグラスマン院長を好演している。
<Dr.クレア・ブラウン役 アントニア・トーマス>
何を考えているのかが掴みづらく、予測不能な行動を連発するショーンに最初は戸惑いながらも、少しずつ信頼関係を築いていく同僚研修医クレア・ブラウンを演じるのはNetflixの人気ドラマ『恋愛依存症』や米ABCのドラマ『Spark(原題/スパーク)』でメインキャストに抜擢されたアントニア・トーマス。
先輩医師からの圧力にも果敢に立ち向かう、患者思いの強く優しい女性医師クレアはハマり役だと評判。
<Dr.ニール・メレンデス役 ニコラス・ゴンザレス>
ショーンたちの指導医で聖ボナベントゥラ病院きっての敏腕外科医である、自信家で完璧主義者のニール・メレンデス医師を演じるのは『殺人を無罪にする方法』や『プリティ・リトル・ライアーズ』など、数多くの人気ドラマに出演しているニコラス・ゴンザレス。
当初ショーンの採用に反対していたものの、次第に彼の特性を理解し、試練を与えつつもさりげなく成長を促すメンター的存在となる。
そのほか、院長の座を虎視眈々と狙う外科部長のマーカス・アンドリュー医師役にドラマ『CSI:ニューヨーク』のヒル・ハーパー、病院の設立者の孫娘であり理事兼院内弁護士を務めるジェシカ・プレストン役にドラマ『クリミナル・マインドFBI行動分析課』のボー・ギャレット、ショーンとクレアの同期で世渡り上手な研修医ジャレッド・カル―役に映画『キャプテン・マーベル』やドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演したチュク・モデュ―と、いずれも演技派として知られる俳優陣が脇を固めている。
『グッド・ドクター』
Dlife(BS258)にて1月19日(土)より毎週土曜22時放送
詳細はDlife公式ページより
医療系ドラマの巨匠が贈る見応えたっぷりな作品
『グッド・ドクター』の製作総指揮を手がけるのは、全世界での視聴者数が8180万人を超え、2008年の「世界で最も見られたテレビドラマ・シリーズ」の座に輝いた医療ミステリードラマ『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』のクリエイターであるデイヴィッド・ショア。
エミー賞を受賞した『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』で医療現場を中心としたドラマの真髄を学んだデイヴィッドは、日韓版には無い、ショーンの“頭の中”を表現したり、患者の症状を視聴者により分かりやすく伝えるためのヴィジュアルエフェクトを採用。さらに、物語の舞台を小児外科ではなく一般外科へと移し、より幅広い病状の患者や彼らが抱える社会問題に触れている。
【米リメイク版誕生秘話】
もともとは韓国でドラマ化された『グッド・ドクター』をハリウッドに持ち込んだのは、ドラマ『LOST』や『HAWAII FIVE-0』などへの出演で知られる韓国系アメリカ人俳優のダニエル・デイ・キム。
本国で超高視聴率を記録したオリジナル版を視聴したダニエルは、同作のコンセプトに惚れ込み、アメリカ版の制作権を入手。米CBSに制作権を売り、脚本を持ち込んで2度にわたる制作交渉を試みたが、いずれも頓挫してしまった。
それでも諦めずにCBSから制作権を買い戻したダニエルは、その後、大手制作会社のソニー・ピクチャーズ・テレビジョンとの契約に成功。これが売れっ子クリエイターのデイヴィッド・ショアの参加へと繋がり、ダニエルが3年以上にわたって温めてきた米版『グッド・ドクター』の構想はようやく日の目を見ることとなった。
同作のエグゼクティブ・プロデューサーにも名を連ねているダニエルは、同作への強い思い入れをこんな風に語っている。
「単なる医療ドラマではなく、キャラクターにしっかりと焦点を当てた作品だということがとにかく気に入っています。同作はヒューマンドラマであり、普通とは少し違う、標準的なヒーローや屈強でザ・アメリカンな“何よりも成功第一”といった男性を主体にした作品ではありません。主人公のショーンは、私たちがこれまでに出会ったことのないような人物です。歴史上、過小評価されがちだった彼のような存在をスクリーンに登場させることに僕は心底情熱を燃やしました」―ダニエル・デイ・キム、米The New York Timesに語って。
社会問題に鋭く斬り込む キーワードは「インクルージョン&ダイバーシティ」
『グッド・ドクター』が大きな反響を得ている背景には、昨今世界中で声高に叫ばれている「インクルージョン(包含的)」や「ダイバーシティ(多様性)」を如実に反映した作品であるという点も多きく関係している。
「インクルージョン」とは、性別、人種、性的嗜好、宗教、そして障害など、職場や学校など社会で排除されやすい人々を受け入れてそれぞれが活躍できる場を作ること。そして「ダイバーシティ」は、そんな多種多様な人々がいる社会を意味する。
『グッド・ドクター』では、自閉症という発達障害を抱える特殊な医師であるショーンを主人公としているだけでなく、各エピソードで、幼児虐待、青少年のジェンダーに関する悩み、人種差別やセクハラ、熟年夫婦関係、親子の確執、延命治療、不妊治療など、現代社会に実在するさまざまな障壁を取り上げて問題提起。人々に考える糧を与え、共感や感動をもたらしている。
医療現場に立つ1人の医師として、それらの問題を目の当たりにしたショーンが、ふと放つ、まっすぐで澄み切った核心をつく発言の数々にも視聴者はハッとさせられる。
主演のフレディ・ハイモアは、自身が演じるショーンについてこんな風にコメント。『グッド・ドクター』は、こんな時代だからこそ多くの人に観て欲しい、エンターテイメントの枠を超えた深みのある作品だと念押ししている。
「毎日のように悲惨な事件が起こっている昨今、人々は素晴らしい心の持ち主で、ただ純粋に正しいことをしようとするショーンのような人物に心惹かれるはず。ショーンの世界に対する希望に満ちた見解や、どんな人にでも良心を見つけようとする姿勢、すぐに物事を決めつけようとしないところなど、彼の楽天的な性格は僕自身もすごく気に入っています」—フレディ・ハイモア、米Goldderbyとのビデオインタビューで語って
時には涙し、時には笑える、ドラマ『グッド・ドクター』は、観終わった後にまるで心を洗われるような爽快感を味わえる感動作。保守的な周囲の偏見や批判と闘いながら、患者とまっすぐに向き合い、自分の意見をぶつけて全力を尽くすショーンの姿に、あなたもきっと何か大切なことに気づかされるはず。
そんな『グッド・ドクター』は2019年1月19日(土)22時から全国無料のBSテレビ局Dlifeで無料放送がスタート。
海外エンタメを全作品無料で放送しているDlifeは登録など一切不要。ぜひこの機会にチェックして。
『グッド・ドクター』
Dlife(BS258)にて1月19日より毎週土曜22時放送
詳細はDlife公式ページより
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Rotten Tomatoesにおける視聴者満足度<出典元:Rotten Tomatoes>、フレディ・ハイモア役作りに関する発言<引用元:The Good Doctor (ABC) Cast Interviews>
(フロントロウ編集部)
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