第91回アカデミー賞のノミネート作品が発表。今年のオスカーの注目ポイントを解説! (フロントロウ編集部)

 2019年のアカデミー賞のノミネート作品が、米現地時間の1月22日、ついに発表された。今年のオスカーの注目ポイントを紹介。


最多ノミネートはこの2作!

 最多ノミネートは作品賞、監督賞、主演女優賞(オリヴィア・コールマン)、助演女優賞×2(エマ・ストーン&レイチェル・ワイズ)、脚本賞、撮影賞、美術賞、編集賞、衣装デザイン賞の計10部門にノミネートされたヨルゴス・ランティモス監督作の『女王陛下のお気に入り』

画像: 『女王陛下のお気に入り』 ©2018 Twentieth Century Fox

『女王陛下のお気に入り』 ©2018 Twentieth Century Fox

 17世紀から18世紀にかけてイギリスを統治したアン女王と、彼女を取り巻く女性たちのドロドロの愛憎劇を描いた同作は、主演のオリヴィア・コールマン、脇を固めたエマ・ストーンレイチェル・ワイズのひとクセもふたクセもある演技が素晴らしいと大絶賛。

 2018年9月に開催されたカンヌ国際映画祭で予告編が初公開された同作は、たった2分ほどの映像だったにもかかわらず、早くも“オスカー候補”(※)の呼び声が上がっていた。

※アカデミー賞受賞候補

 同作は、1月に行なわれたゴールデン・グローブ賞でも多数部門にノミネートされたほか、英国アカデミー賞では最多となる12部門へのノミネートを果たしている。

 そして、『女王陛下のお気に入り』と並ぶ10部門にノミネートされた作品がもう1作。、『ゼロ・グラビティ』で第86回アカデミー賞監督賞に輝いたアルフォンソ・キュアロン監督の最新作『ROMA/ローマ』も、作品賞、監督賞、主演女優賞(ヤリッツァ・アパリシオ)、助演女優賞(マリーナ・デ・タビラ)、脚本賞、撮影賞、美術賞、音響編集賞、録音賞、外国語映画賞にノミネートを果たした。

画像: 『ROMA/ローマ』©Netflix Film/Instagram

『ROMA/ローマ』©Netflix Film/Instagram 

 1970年代のメキシコを舞台に、ある若い家政婦と彼女が仕える家族が織りなす人間ドラマをキュアロン監督本人の幼少期の思い出を投影して描いた物語である同作は、ベネチア国際映画祭でNetflixオリジナル作品として初めて最高賞にあたる金獅子賞に輝いたことでも話題となった。


映像配信サービスのオリジナル作品が大健闘

 今回のアカデミー賞には『ローマ/ROMA』以外にも、NetflixやHulu、Amazonといったストリーミングサービスのオリジナル作品が複数部門にノミネートを果たしている。

 Netflix配給のジョエル&イーサン・コーエン監督作の西部劇映画『バスターのバラード』は脚色賞、衣装デザイン賞、歌曲賞の3部門にノミネート。

画像: 『バスターのバラード』©Netflix Film/Instagram

『バスターのバラード』©Netflix Film/Instagram

 Huluからはオリジナルドキュメンタリー映画『マインディング・ザ・ギャップ(原題)』が長編ドキュメンタリー賞に、そして、Amazonスタジオ配給のポーランド発の恋愛ドラマ『COLD WAR あの歌、2つの心』は主要部門である監督賞、そして撮影賞と外国語映画賞にノミネートされている。

画像: 『マインディング・ザ・ギャップ(原題)© PBS/COURTESYEVERETT COLLECTION/AFLO

『マインディング・ザ・ギャップ(原題)© PBS/COURTESYEVERETT COLLECTION/AFLO

画像: 『COLD WAR あの歌、2つの心』©coldwarmovie/Instagram

『COLD WAR あの歌、2つの心』©coldwarmovie/Instagram

 数年前までは、大手映画会社が製作・配給を手がける作品がノミネート作品の大半を占めていたアカデミー賞。しかし、近年、ストリーミングサービスの加入者が爆発的に増加し、次々と良作が生み出されるようになるなか、いよいよ映画界最高峰のアワードの賞レースにも、ストリーミングサービス発の作品が食い込むように。2019年の候補作リストは、そういった映画界の新しい流れを象徴するようなラインナップとなった。


“初めて”がいっぱい!

 マーベル映画『ブラックパンサー』がヒーロー映画としては史上初となる作品賞にノミネートを果たすという快挙を達成したほか、映画『アリー/ スター誕生』で映画初主演を務めたシンガーのレディー・ガガが主演女優賞と歌曲賞に同時にノミネートした史上初の人物に。

 世界中で大ヒットを記録しているロックバンド、クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』からは、ボーカルの故フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが自身初のアカデミー賞ノミネートとなる、主演俳優賞部門へのノミネートを果たしている。

画像: B『ブラックパンサー』

B『ブラックパンサー』

画像: 『アリー/ スター誕生』

『アリー/ スター誕生』

画像: 『ボヘミアン・ラプソディ』

『ボヘミアン・ラプソディ』

 Netflixオリジナル作品として初めて作品賞にノミネートした『ローマ/ROMA』に至っては、プロデューサーのガブリエラ・ロドリゲスがラテン系女性としては初めて作品賞にノミネート。さらに同作のキュアロン監督は、監督賞と撮影賞に同時にノミネートするという映画人冥利につきる史上初のダブルノミネートを達成した。


以下、ノミネート作品の全リスト。


作品賞

『アリー/ スター誕生』

『ブラック・クランズマン』

『ブラックパンサー』

『ボヘミアン・ラプソディ』

『女王陛下のお気に入り』

『グリーンブック』

『ROMA/ローマ』

『バイス』


監督賞

アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ』

ヨルゴス・ランティモス 『女王陛下のお気に入り』

アダム・マッケイ 『バイス』

スパイク・リー 『ブラック・クランズマン』

パヴェウ・パヴリコフスキ 『COLD WAR あの歌、2つの心』


主演男優賞

クリスチャン・ベール 『バイス』

ブラッドリー・クーパー 『アリー/ スター誕生』

ラミ・マレック 『ボヘミアン・ラプソディ』

ヴィゴ・モーテンセン 『グリーンブック』

ウィレム・デフォー 『永遠の門 ゴッホの見た未来』


主演女優賞

オリヴィア・コールマン 『女王陛下のお気に入り』

グレン・クローズ 『天才作家の妻 40年目の真実』

レディー・ガガ 『アリー/ スター誕生』

メリッサ・マッカーシー 『キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?(原題)』

ヤリッツァ・アパリシオ 『ROMA/ローマ』


助演男優賞

マハーシャラ・アリ『グリーンブック』

アダム・ドライバー『ブラック・クランズマン』

サム・エリオット『アリー/ スター誕生』

リチャード・E・グラント『キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?(原題)』

サム・ロックウェル『バイス』


助演女優賞

エイミー・アダムス 『バイス』

マリナ・デ・タヴィラ 『ROMA/ローマ』

レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』

エマ・ストーン 『女王陛下のお気に入り』

レイチェル・ワイズ 『女王陛下のお気に入り』


脚色賞

『バスターのバラード』

『ブラック・クランズマン』

『キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?(原題)』

『ビール・ストリートの恋人たち』

『アリー/ スター誕生』


脚本賞

『女王陛下のお気に入り』

『魂のゆくえ』

『バイス』

『ROMA』

『グリーンブック』


長編アニメ映画賞

『インクレディブル・ファミリー』

『犬ヶ島』

『未来のミライ』

『シュガー・ラッシュ:オンライン』

『スパイダーマン:スパイダーバース』


短編アニメ映画賞

『バオ』

『冲破天際 ワン・スモール・ステップ(原題)』

『ウィークエンズ(原題)』

『アニマル・ビヘイビアー(原題)』

『レイト・アフタヌーン(原題)』


撮影賞

『ROMA/ローマ』 アルフォンソ・キュアロン

『アリー/ スター誕生』 マシュー・リバティーク

『女王陛下のお気に入り』 ロビー・ライアン

『ネヴァー・ルック・アウェイ(原題)』 キャレブ・デシャネル

『COLD WAR あの歌、2つの心』 ウカシュ・ジャル


衣装デザイン賞

『バスターのバラード』メアリー・ゾフレス 

『ブラックパンサー』ルース・E・カーター

『女王陛下のお気に入り』サンディ・パウエル

『メリー・ポピンズ リターンズ』サンディ・パウエル

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』アレクサンドラ・バーン


長編ドキュメンタリー賞

『フリー・ソロ(原題)』

『ヘイル・カウンティ・ディス・モーニング・ディス・イブニング(原題)』

『マインディング・ザ・ギャップ(原題)』

『オブ・ファザーズ・アンド・サンズ(原題)』

『RBG(原題)』


短編ドキュメンタリー賞

『ブラック・シープ(原題)』

『エンド・ゲーム(原題)』

『ライフボート(原題)』

『ピリオド・エンド・オブ・センテンス(原題)』

『ア・ナイト・アット・ザ・ガーデン(原題)』


短編実写映画賞

『ディテインメント(原題)』

『フォーブ(原題)』

『マルグリット』

『マザー(原題)』

『スキン(原題)』


編集賞

『女王陛下のお気に入り』 

『バイス』 

『ボヘミアン・ラプソディ』 

『ブラック・クランズマン』 

『グリーンブック』 


外国語映画賞

『カペナウム』(レバノン)

『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド)

『エヴァ―・ルック・アウェイ』(ドイツ)

『ROMA/ローマ』(メキシコ)

『万引き家族』(日本)


メイク・ヘアスタイリング賞

『ボーダー(原題)』

『バイス』

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』


作曲賞

『ブラック・クランズマン』 

『ブラックパンサー』 

『ビール・ストリートの恋人たち』 

『犬ヶ島』 

『メリー・ポピンズ リターンズ』 


歌曲賞

「オール・ザ・スターズ」『ブラックパンサー』

「アイル・ファイト」『RBG(原題)』

「ザ・プレイス・ホウェア・ロスト・シングス・ゴ『メリー・ポピンズ リターンズ』

「シャロウ」『アリー/ スター誕生』

「ホウェン・ア・カウボーイ・トレーズ・ヒズ・スパーズ・フォー・ウィングズ」 『バスターのバラード』


美術賞

『ブラックパンサー』 

『女王陛下のお気に入り』 

『ファースト・マン』 

『メリー・ポピンズ リターンズ』 

『ROMA/ローマ』 エウジェニオ・カバイェロ


音響編集賞

『クワイエット・プレイス』

『ブラックパンサー』

『ボヘミアン・ラプソディ』

『ファースト・マン』

『ROMA/ローマ』


録音賞

『ブラックパンサー』

『アリー/ スター誕生』

『ボヘミアン・ラプソディ』

『ファースト・マン』

『ROMA/ローマ』


視覚効果賞

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

『ファースト・マン』

『レディ・プレイヤー1』

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』

『プーと大人になった僕』


 第91回アカデミー賞の授賞式は米現地時間の2019年2月24日に開催。今年は、司会者を立てない異例の授賞式となることがウワサされており、一体どんなセレモニーとなるのかにも注目が集まっている。(フロントロウ編集部)

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