Photo:ゲッティイメージズ、ニュースコム、スプラッシュ/アフロ
演技のプロが揃ったハリウッドでもその役作りのストイックさは別クラスと言われる、オスカー俳優のクリスチャン・ベール。2019年の第91回アカデミー賞で作品賞を含む8部門にノミネートされた映画『バイス』でも、大幅な体重増量をして当時60代の副大統領だったディック・チェイニーになりきって主演男優賞の最有力候補と言われた。そんなクリスチャンの役作りを振り返る。(フロントロウ編集部)

クリスチャンの徹底した役作りがスゴイ

 これまでにアカデミー賞主演男優賞・助演男優賞で3回ノミネートされ、2011年に助演男優賞に輝いた俳優のクリスチャン・ベール。

画像1: クリスチャンの徹底した役作りがスゴイ

 ジョージ・W・ブッシュ政権をイラク戦争に導いた影の権力者と言われる元米副大統領ディック・チェイニー役を熱演した映画『バイス』は、2019年開催の第91回アカデミー賞で主演男優賞ほか主要部門を含む8部門にノミネートされた。

画像2: クリスチャンの徹底した役作りがスゴイ

 2019年のオスカーで4回目のノミネートとなるクリスチャンは、ディック・チェイニー役を演じるために約18㎏も増量。

 役作りで大幅な体重増減を繰り返すことで知られているクリスチャンは、今回の役作りで初めて医師の指導を受けたことを番組『CBS This Morning』に明かしている。

「いままで役作りの体重管理で医師や栄養士の指導を受けたことがなかった。それで体を壊してしまったから、やっと専門家に管理してもらうことにして、健康的に約18㎏増量した。きちんとやったから、短期間に増量したのにこんなに健康だったことはないよ」

画像3: クリスチャンの徹底した役作りがスゴイ

 自身の健康をリスクにさらしてでも役作りを徹底して、激太りしたり激やせしたりするクリスチャン。そんなクリスチャンの「カメレオンボディ」がわかる映画を厳選してふり返る。

クリスチャン・ベールのプロフィール
1974年1月30日・英ウェールズ・ペンブルックシャー生まれ。母は元サーカスのパフォーマー、姉は女優と、クリエイティブな血筋。10歳で俳優を目指し、13歳のときにテレビ映画『アナスタシア/光・ゆらめいて』で俳優デビュー。同年にスティーヴン・スピルバーグ監督映画『太陽の帝国』にて映画スクリーンデビューする。1991年にサイコパスの投資家を演じた映画『アメリカン・サイコ』で脚光を浴び、若手の実力派俳優として認められる。2005年にクリストファー・ノーラン監督によるバットマン3部作に主演。同3作はクリスチャンのキャリア史上最高の興行収入を稼ぎ出した作品トップ3を占める(2019年現在)。薬物に溺れた天才ボクサーを演じた2010年の映画『ファイター』でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の助演男優賞を受賞している。

クリスチャンが激変する映画まとめ

『アメリカン・サイコ』(2000)

画像: 『アメリカン・サイコ』(2000)

 表は完璧なエリート、裏は殺人を繰り返すサイコパスな男を演じたクリスチャンは、引き締まったボディを露わにさせるシーンがあったこの役作りのために、数ヵ月間も生活のほとんどをワークアウトと日焼けに費やしたと英The Gurardianに語っている。

 クリスチャン史上最もムキムキと言えるボディを手に入れた当時を、本人は「筋肉が大きくなればなるほど脳みそが小さくなる気がする」となんとも冷静な分析している。

『マシニスト』(2004):29㎏減量

画像: 『マシニスト』(2004):29㎏減量

謎の不眠症に悩まされて衰弱していくキャラクターを演じるにあたり、クリスチャンは周りに止められるまで減量を続け、約29㎏も体重を減らした。

 ガリガリになるほど痩せた時の気持ちを、クリスチャンは「ガリガリだと階段を上ぼるのも怖くなる…」「2時間睡眠で10時間ぶっ続けで本を読むんだ、信じられないだろ。感情なんてない」と英Guardianに明かしていた。

『バットマン ビギンズ』(2005):45㎏増量

画像: 『バットマン ビギンズ』(2005):45㎏増量

 映画『マシニスト』から数ヵ月後には、『バットマン』シリーズのオーディションが始まったため、ピークで54㎏まで落とした体重から急激な増量を開始。

 ヒーロースーツが似合うマスキュリンな筋肉をつけるために、なんと半年間で45㎏も体重を増やしたのは今でも有名な話。

『戦場からの脱出』(2006):30㎏減量

画像: 『戦場からの脱出』(2006):30㎏減量

 バットマン役で蓄えた筋肉を今度は減量。実話がもとになったベトナム戦争下で捕虜となった米軍パイロット役になり切るために、クリスチャンは約30㎏も減量したとThe Chicago Tribune に語った。

『ダークナイト』(2008):30㎏増量

画像: 『ダークナイト』(2008):30㎏増量

 再び激ヤセしたクリスチャンだが、『バッドマン』シーズンの続編のためまた増量をはじめ、体重を約30㎏増やしてブルース・ウェイン(バッドマン)役に復帰した。

『ザ・ファイター』(2010):14㎏減量

画像: 『ザ・ファイター』(2010):14㎏減量

 『バットマン』シリーズでムキムキな筋肉をつけたクリスチャンだが、今後はドラッグに溺れたボクシング選手を演じるために、英Daily Mail いわくスリムな筋肉へと肉体改造して約14㎏も減量した。

 この時の減量はクリスチャンにとってそこまで苦ではなかったのか、「おかしいほど走っていたよ。何時間も走り続けたけど、すごく健康な気分だった」と、米Huffington Postに話していた。

『アメリカン・ハッスル』(2014):20㎏増量

画像: 『アメリカン・ハッスル』(2014):20㎏増量

 天才的な詐欺師役を演じたクリスチャンは、いかにも成り金なルックスを再現するために約20㎏増量した。

 これまでの作品と違い、ぽっちゃり体型になるために増量したクリスチャンは「ドーナツとチーズバーガーをたくさん食べた。手に取れるものは何でも食べた」といい、「84㎏から103㎏までいった」と米Peopleに語っている。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.