ファッションウィーク真っただ中の2019年2月19日に、多くの人を震撼させたモードの帝王であるカール・ラガーフェルドの死。その後デザイナーを務めたフェンディ(Fendi)のコレクションでは、ショーが終わった後に会場が暗転し、カールが初めてフェンディのデザイナーとなった日のことを思い出して自分自身の絵を描くという追悼映像が流され、多くの人が涙したのが記憶に新しい。
そして現地時間3月5日には、カールがデザイナーを務めていたもう1つのブランド、シャネル(Chanel)のコレクションが開催。ショーではカールがファッション界に残していったシャネル(Chanel)の最新アイテムがお披露目され、カールへの追悼と共にショーがスタート。
今回は“ウィンター・ワンダーランド”をテーマにした雪山に囲まれたスノーリゾートにぴったりなシャネルらしいエレガントなダウンや、ブランドを代表するツイードのアイテム、そして会場の雪のように美しい白一色のスタイリングなどがお目見えし、見る者の視線を奪った。
またモデルも豪華で、生前カールと親しかった女優のペネロペ・クルスをはじめ、カーラ・デルヴィーニュやカイア・ガーバーなど、カールがひいきにしていたモデルたちが続々と出演。
あるアイテムでカールを追悼か
そんなショーで多くのモデルたちが着用していたアイテムがある。それは、髪の毛につけられた黒のリボン。
生前最後にカールがデザインした洋服や帽子などはそのままに、スタイリングの支障にならない頭の後ろに黒いリボンをつけている姿は、デザイナーチームやモデルたちがカールのことを追悼しているようだった。
実際ショーのラストでは、デヴィッド・ボウイの名曲「ヒーロー」がバックに流れるなか、ランウェイを歩くモデルたちが感極まって涙する場面も見られ、それぞれがそれぞれの想いを胸に抱きながらウォーキング。
最後までカールらしいシャネルを貫き、一時代を築いたカールのコレクションはこれで全て終了。ここからのシャネルは、30年以上カールの右腕として活躍したヴィルジニー・ヴィアールが引き継ぐことが発表されている。(フロントロウ編集部)