米大手旅行サイト「トリップアドバイザー」が、同サイトに載っている高評価のツアーガイドを雇ってレイプ被害にあったという女性に対して「ありえない提案」をして、批判が殺到している。(フロントロウ編集部)

同様の報告が過去に40件以上

 旅行者による“公平な口コミ”がチェックできるとして人気の米大手旅行サイト「トリップアドバイザー」が、同サイトで高い評価を受けていたツアーガイドからレイプされたことを報告した女性に対し、レビューにその事実を書くよう提案しただけで、それ以外の措置を一切取らなかったことに批判の声が上がっている。

画像: 同様の報告が過去に40件以上

 今後、このツアーガイドによって同じような被害にあう女性が出ないようにしたいという思いで、トリップアドバイザー側に報告をした被害者の女性は、てっきりこのツアーガイドの情報を取り下げるなり、ユーザーへの警告を表示するなり、報告をすれば会社として誠意ある対応をしてくれると思っていたという。

 しかし、トリップアドバイザー側から戻ってきた返事は、被害にあった女性自身でレビューを書いて、低評価を与えるよう提案するものだけで、被害を未然に防ぐための防止策に取り組む姿勢などはまったく見られなかった。そのことについて、米Newsweekの取材で女性はこう語っている。

 「レビューに書くだけではほかのユーザーへの警告としては不十分だし、たとえ私がレイプされたことを書いて、星1つの評価を下したとしても、すぐにほかのレビューのなかに埋もれて、誰の目にも触れなくなってしまう。それに、レビューに書くということは、あの忌々しい出来事を再び思い出さなければならないということであり、私の個人情報をさらすことにもなり得る」

 トリップアドバイザーのずさんな対応をふくめ、一連の出来事に憤りを感じた被害者の女性は、その後、「性的暴行を隠蔽するのはやめて(Stop covering up sexual assaults)」と題した嘆願書を自ら作成。近年、旅行の際にこういった口コミサイトを利用する人が増えている影響もあってか、すでに14万件超の署名が集まっているという。

 ちなみに、英The Guardianによると、サイトのユーザーからトリップアドバイザーに性的暴行やセクハラの被害が報告されるのは今回が初めてではなく、過去に少なくとも40件は同様の被害が発生しており、そのなかで適切に対処されたのはたったの4件だとか。

 口コミを見て利用するかしないかを決めるのはユーザーであり、例えサービスが良くなかったとしてもそれはユーザーの自己責任だが、性的暴行はれっきとした犯罪で、被害者にはなんの罪もない。もちろん全責任がトリップアドバイザーにあるわけではないが、何かしらの防止策を投じるなど、サイトに掲載されていた情報がきっかけで、ユーザーが性犯罪に巻き込まれた際の適切な対処を求める声が多く上がっている。(フロントロウ編集部)

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