カンヌ国際映画祭に初参戦したシンガー兼女優のセレーナ・ゴメスが、記者会見中にSNSが若者たちにもたらす影響について持論を展開した。(フロントロウ編集部)

 自身が出演するゾンビ映画『The Dead Don’t Die(ザ・デッド・ドント・ダイ)』がカンヌ国際映画祭で特別上映されたセレーナ・ゴメスが、監督、共演者らとともに、同作のプレスカンファレンスに出席。その中で、集まった報道陣に向け、ソーシャルメディア(以下SNS)が世間、とくに若い世代に与える影響について言及した。

画像: 左から:ジム・ジャームッシュ監督、女優のティルダ・スウィントン、セレーナ・ゴメス、俳優のビル・マーレイ、プロデューサーのカーター・ローガン。

左から:ジム・ジャームッシュ監督、女優のティルダ・スウィントン、セレーナ・ゴメス、俳優のビル・マーレイ、プロデューサーのカーター・ローガン。

 上映会から一夜明けた会見で、「私たちの世界は、今、たくさんの試練を経験していると思います」と話し始めたセレーナは、続けて「私たちの世代にとって、とくに、SNSはものすごく悪影響をおよぼしています」とコメント。

 さらに「たくさんの若い男の子や女の子たちが、こんなにも自らの情報を世間に晒しているのを見ると、とても恐ろしく感じます。彼らはその危険性についてきちんと認識していないのです。私は明らかに危険なことだと思います。それなのに、時に、人々には適切な情報が与えられていないのです」と語り、「ここまで来てしまったら、SNSを安全なものにすることはもう不可能かもしれません」と、いまや社会現象となったSNSが、知らず知らずのうちに若者たちを危険に晒し、たくさんの人々の精神を蝕んでいるという現状を危惧した。

画像: セレーナ・ゴメス、「SNSは若い世代にものすごく悪影響」カンヌで熱弁

 インスタグラムのフォロワー数が女性としては世界最多となる1.5億人を超え、“インスタグラムの女王”の称号を手にしているセレーナ。

 しかし、その一方で、過去には「SNS疲れ」や「ストレス」を理由に自分にとって重要ではないと思う人たちを大量アンフォローしたり、インスタグラムの更新を一時休止したり、アプリ自体をスマホから削除してしまうという「デジタル・デトックス」に取り組み、SNSとの付き合い方を見つめ直してきた。 

 記者会見で「自分がさまざまな情報を発信できる立場にあることには感謝しています。だからこそ、私は、意味の無い写真を投稿したりすることはほとんどありません。何かを発信するときは、ちゃんと意図をもってそうしたい」と話したセレーナは、さらに、「私は、ミート&グリート(※)などで若い女の子たちと交流する機会がありますが、彼女たちは、(SNSが原因で)ひどく落ち込んでいたり、いじめに悩んでいたり、それらについて思うように声を上げられなかったりといった状況に追い込まれています」と自身が目の当たりにした若者たちの苦悩を説明。

 「SNSには素晴らしい部分もありますが、使うときは、ちゃんと気をつけて、ある程度のタイムリミットなどを設けるべきだと私は思います」というアドバイスで締めくくった。

※セレブとファンの交流イベント

 これまでにも「SNS上にアップされる、いわゆる“リア充”な写真だけが、その人の真の姿ではない」などとフォロワーたちに忠告し、SNSに潜む危険に警笛を鳴らしてきたセレーナ。

 カンヌ国際映画祭という、世界中のメディアが注目する場所で、改めてその有害さや残酷さについて発言した背景には、若い世代に影響力を持つ立場の人間として、SNSでのトラブルやストレスが原因で、頭を悩ませ、心を病んでしまう人を少しでも減らしたいという想いがあったよう。

画像: フォトコールに参加するセレーナ。

フォトコールに参加するセレーナ。

 同席していた『The Dead Don’t Die』のジム・ジャームッシュ監督は、セレブとしての発言力を善い方向に活用しているセレーナを「非常に立派」と称賛。「彼女はたくさんの人々に尊敬されています。卓越した素晴らしい人物です」と語った。(フロントロウ編集部)

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