「ジュース(Juice)」や「トゥルース・ハーツ(Truth Hurts)」などで大ブレイク中の女性アーティストのリゾ(Lizzo)が、太っていても痩せていても「女性の体型」が批判されることについて一蹴した。(フロントロウ編集部)

「愛されラッパー」の知られざる過去

 アルバム『コズ・アイ・ラブ・ユー(Cuz I Love You)』が絶好調のシンガー兼ラッパー、リゾ。

画像1: 「愛されラッパー」の知られざる過去

 米テキサス出身、現在31歳のリゾといえば、ありのままの自分を愛することの何が悪いの?と強気に歌う楽曲「ジュース」や、彼氏に振られてすぐに男を作るビッチですけどなにか?と挑発的に歌う「トゥルース・ハーツ」など、これまでなかった等身大の現代女性の気持ちを代弁した楽曲で大人気のアーティスト。

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 大御所シンガーの故プリンスもその実力を認めたリゾは、ポジティブなメッセージと、同じ空間にいるだけで楽しくなってしまいそうな天真爛漫なキャラクターが同性を中心に圧倒的な支持を得ている、まさに愛されラッパー。

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 2019年のコーチェラに出演したことでも記憶に新しいリゾが、ラッパーの登竜門的な番組であるラジオ番組『ブレックファスト・クラブ(Breakfast Club)』に出演。この番組で、「愛されラッパー」の裏に隠れた知られざる苦労を明かした。

 常に明るく陽気なリゾの姿に、パーソナリティが「いつもポジティブだね」と聞くと、「ポジティブでいようと頑張っているの」と発言。「中学生の頃なんて、かなりイジられていたわ。真面目ちゃんだったし、フルートをやっていたから、友達はいたけど、自分を愛せるようになるまで長い時間がかかった」と、これまでリリースした楽曲のようにポジティブではなかった時期もあったと明かした。

画像: コーチェラ2019では、ステージ上で得意のフルートを披露。

コーチェラ2019では、ステージ上で得意のフルートを披露。

 また、ブレイクとともに精神状態が不安定になってしまったことを明かすと、「セラピストに会いに行き始めたのは去年から。つらかった」と、スポットライトの下では常にポジティブなエネルギーを与えていたリゾが、笑顔の裏でメンタルヘルスに悩んでいたことも暴露。

家なし時代と体型批判

 リゾの苦労は現在だけでなく、ブレイク前に1年半もホームレス状態の生活をしていたことも。

 家族が引っ越すにあたり、リゾは音楽活動を続けるためテキサス州ヒューストンにとどまることを選択。最初は上手くいっていたけれど、やがて人生のドン底ともいえる悲劇が。

画像: 家なし時代と体型批判

「すべてが上手くいっていると思ってたけど、最初は車がなくなって、次に家を追い出されて、父が亡くなって、そして仕事も失った。(中略)24時間制のジムでシャワーを浴びる生活を1年半送った。ミュージシャンとして音楽を頑張りたくて家族の元には帰らないという選択をしたから(家族の元に帰らなかった)。世の中にはそんな選択さえできない人もいる。“家がない”のと“ホームレス”なことはまったく違うことだと思っている。私はキャリアのために家がないことを選んだ」

 そんなリゾだが、そこで学んだこともあったらしく、「あの時はまだ若かったし、感情的だったし、そういう時期があったからこそ、自分を愛することを学んだ」と、つらい時期が今に活かされていることを明かした。

 しかし、家がなかった時代を経験し、激やせしたことをきっかけに、こんなことも思ったそう。

「あの時は、全然食べてなかったから、すっごく痩せていた。それでも男にひどく言われたわ! 『君は顔はいいけど体は努力が必要だ』って。今より36キロも痩せていたのに!男っていう生き物はいつまでも私のルックスに満足しないのねって思ったわ」

 痩せている=美しいという概念がまだ残るなかでラジオパーソナリティのひとりから、太っていることが“あなたに似合っている”と奇妙な褒められ方をしたリゾは、「私はどんなサイズだってイケてるわ!何サイズでもどんな格好をしていても私はイケてる。それだけ!今もイケてると思っているし気分がいいからなおさらイケてると思っている」と一蹴。

 体型が変わろうと自分に自信を持ち続けるリゾの精神に、ネット上では「よくぞ言ってくれました」と称賛するコメントが相次いでいる。

 そんなリゾは、ジェニファー・ロペスが製作総指揮を務める新作映画『Hustle(ハッスル)』で、カーディ・Bとともにストリッパー役として出演することが決定している。(フロントロウ編集部)

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