英人気バンドのレディオヘッド(Radiohead)が未公開音源をハッキングされた。世間を賑わせている、それに対する彼らの反撃とは?(フロントロウ編集部)
画像: レディオヘッド、ハッカーに音源が盗まれて脅迫!その反撃法がお見事

 楽曲「Creep(クリープ)」「High&Dry(ハイ・アンド・ドライ)」などで知られる英人気ロックバンドのレディオヘッド。過去には音楽フェスティバルのサマーソニックに出演経験をもち、日本でも絶大な人気を誇るバンドの音源が、何者かによってハッキングされた。

トム・ヨークのMDがハック

画像: トム・ヨーク

トム・ヨーク

 今回ハッカーに狙われたのは、メンバーのトム・ヨークのミニディスク。この18時間におよぶミニディスクには、1995年から1998年の間に録音された未公開のデモ音源やアウトテイク、ライブ音源、さらに同時期にレコーディングされた音源など、レアなデータの数々が収録されていた。

 このデータを手にしたハッカーはレディオヘッドに対し、スタジオの音源1曲につき約88,000円(800ドル)、ライブ音源1曲につき約5,500円(50ドル)、またはすべての音源を合わせて約1,650万円(15万ドル)の支払いを要求。もしレディオヘッドが支払いに応じなければ、リリースすると脅迫していた。

リリースすると脅されたので、自らリリース

画像: リリースすると脅されたので、自らリリース

 18時間という未公開だった長い音源がハックされ、さらには脅迫を受けていたレディオヘッド。彼らはこれに対して、なんと18時間すべての音源を自ら公開するという作戦を決行。このハッカーの要求には応じず、約2,500円で(18ポンド)で期間限定販売を開始した。

 アーティストにとって音源は大切なもの。さらには今まで公開されなかったレアな音源だけになんとかして返してもらおうと思いそうなところだけれど、レディオヘッドは要求に応えることはなく、自らリリースするという大胆な反撃に出た。

レアな音源の売上を全額寄付

画像: ジョニー・グリーンウッド

ジョニー・グリーンウッド

 さらに同バンドは今回の売り上げを、環境保護活動を行なうことで知られるイギリスの環境団体「Extinction Rebellion(絶滅への反逆)」に全額寄付すると発表。ギタリストのジョニー・グリーンウッドはこれについて、「不満を言ったり無視をしたりするわけでもなく、僕たちはただこれをリリースして、売上は『Extinction Rebellion』に寄付するよ」とコメントし、スマートな対応を見せた。ハッキングに対するこの粋な反撃に、多くの称賛の声が挙がっている。

 今回ハッキングから脅迫を受けて、販売することに至った音源に彼らが付けたタイトルは「MINIDISCS [HACKED](ハックされたミニディスク)」。トム・ヨーク本人はこのデジタルアルバムの販売サイトにて、コメントを添えており「1995~1998年(?)の僕のアーカイヴ・ミニディスクがハッキングされた。でも、そんなに興味深いものじゃないよ。こんなのまだたくさんあるからね」と書き込み、ハッカーよりも一枚上手な方法で交わした。

 今回のレディオヘッドの音源は「bandcamp」というサイトで販売されている。(フロントロウ編集部)

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