テイラー・スウィフトが、デビュー時から28歳まで契約していた音楽レーベルであるビッグマシン・レコードを、ジャスティン・ビーバーを発掘したスクーター・ブラウンが買収した騒動に怒りを爆発させる声明を発表した。(フロントロウ編集部)

テイラーの過去作の権利をスクーターが持つことに

 ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデを顧客に持つ敏腕マネージャーのスクーター・ブラウンの会社イサカ・ホールディングスLLC.,が、約325億円(300万ドル)でビッグマシン・レコードを買収した。

画像: テイラーの過去作の権利をスクーターが持つことに

 ビッグマシン・レコードは、テイラー・スウィフトが15歳の時に契約したレコード会社であり、2018年11月にリパブリック・レコーズに移籍するまで13年間も所属していたところ。このレーベルから、テイラーは2006年のデビューアルバム『テイラー・スウィフト』から2017年の『レピュテーション』までをリリースした。

画像: 中央でテイラーと肩を並べるのは、ビッグマシン・レコードのCEOスコット・ボルチェッタ。

中央でテイラーと肩を並べるのは、ビッグマシン・レコードのCEOスコット・ボルチェッタ。

 今回の買収でスクーターの会社が、事実上、テイラーのほとんどの作品の権利を所有することになったことについて、テイラーが激怒の声明を自身のタンブラーに公開。

 スクーターの行動や、スクーターが発掘したジャスティンの行動を批判しながら、テイラーが若いアーティストたちに向けて行なった注意喚起とは?テイラーの長文声明を全訳した。

コメント全訳

「何年もの間、私は、自分の作品の権利を持てないかと頼み、嘆願してきました。しかし、私が代わりに得たのは、新作を出すごとに1つのアルバムを取り返せるよう、ビッグマシン・レコードと再契約し直す機会でした。この契約にサインすれば、(ビッグマシン・レコードのCEOの)スコット・ボルチェッタがレーベルを売却し、私と私の未来を売るとわかっていたから、私はレーベルから立ち去りました。そのために私は、過去を捨てるという耐え難い選択をしなければなりませんでした。ベッドルームの床で書いた音楽や、私が考え、バーで歌い、クラブで演奏し、アリーナで披露し、スタジアムでパフォーマンスして稼いだお金で作ったミュージックビデオのことです。
 
今日のニュースで皮肉にもスクーター・ブラウンが私の作品を買収したことを知りました。これを聞いて思い出したのは、彼が何年もの間、人を操って私にしてきたいじめです。
 
例えば、キム・カーダシアンが違法に収録した通話音声の一部がリーク(※1)したときに、スクーターのクライアント2人が揃ってネット上で私を誹謗中傷した(※2)こととか。(写真参照)。彼の顧客であるカニエ・ウェストが、私の全裸が映るリベンジ・ポルノなMV(※3)を制作したこととか。そして今、スクーターは、私には買う権利を与えられなかった私の人生をかけた作品をはぎ取りました。事実上、私が作った音楽のレガシーは、それを壊そうとした人物の手に渡ろうとしています。
※1:カニエ・ウェストの楽曲「フェイマス」の歌詞でカニエがテイラーを「ビッチ」と呼ぶことをテイラーが許可 したかどうかでカニエとテイラーが2016年にバトルになったときに、カニエの妻キム・カーダシアンが テイガーが使用許可を出す 瞬間 とする通話動画“”を公開。カリフォルニア州では相手の許可なく通話を録音することは違法。
※2:テイラーとカニエが前述 の「フェイマス」の件でバトルを繰り広げ ているなか、ジャスティンが、カニエやスクーターとフェイスタイムする写真に「テイラー・スウィフト調子どう?」というコメントを添えてSNSに投稿 。カニエを支持したと当時騒がれた
※3:「フェイマス」を巡ってバトルが繰り広げ られたなか、カニエが同曲のMVにテイラーそっくりのろう人形を全裸で登場 させた。テイラーはこの行為が、 相手の意思に反して仕返しするために裸の写真や動画などを公開するリベンジ・ポルノであると主張している。
 
 
これは私にとって最悪の事態です。15歳という若さで、“忠実”という言葉が契約上の概念でしかない人を相手と契約するとこうなるのです。そしてその男性 は『音楽には価値 がある』と言いましたが、その 価値 の恩恵 を受けるのは制作に一切関 わっていない男性 たちでした。
 
スコットに作品を残した時、彼が結果的に私の作品を売ることになるという事実を前向きに受け入れていました。でも私は、買い取る相手がスクーターになるなんて、そんな最悪な悪夢を想像 していなかった。スコット・ボルチェッタは、私の口から“スクーター・ブラウン”という名前が出た時は、私は必ず泣いていたか、泣くのをこらえていたことを知っています。彼は自分が何をしているのかをはっきり分かっているはずです。彼ら2人とも分かっているはず。関わりたくないと思っている女性を支配 しようとしていることを。しかも永久に。
 
ありがたいことに、私は今、自分の作ったものは自分で所有すべきだと信じてくれるレーベルと契約を結び ました。スコットに過去を握られても、未来は 握られていません。そして、若いアーティストや音楽の夢を追う子供 たちがこれを読んで、交渉する時に自分を守ることを学ぶ術 を心得るべきだと思ってほしい。あなたの作ったアートの権利はあなたが持つべきです。
 
私はこれからも昔の作品に誇りを持っていきます。でもより健全なオプションとして、『Lover/ラバー』が8月23日にリリースされます。
 
悲しみと不快感と共に
 
(割れたハートの絵文字)
 
テイラー」

 以前から自分の作った音楽の権利はアーティストが持つべきと訴え続けているテイラーは、この声明でレーベルに移籍した本当の理由を話し、スクーターの買収を「悪夢」と表現した。(フロントロウ編集部)

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