スウェーデン・ストックホルムの路上で一般男性に対して暴力を振るった罪で起訴されたラッパーのエイサップ・ロッキーが約1カ月間の拘留期間を経て釈放された。(フロントロウ編集部)

一時的に釈放

 音楽イベントのために訪れたスウェーデン・ストックホルムの路上で、執拗につきまとってきた男性に対して取り巻きたちとともに暴行をはたらいた罪で7月3日に逮捕され、先日、正式に起訴された人気ラッパーのエイサップ・ロッキー(ASAP Rocky)が、裁判官からの評決が下される8月14日まで、一時的に身柄を開放されたことが明らかになった。

画像: エイサップらの裁判が行われたストックホルム市内の裁判所。世界中から報道陣が押し寄せ、傍聴を求める人々による長蛇の列ができた。

エイサップらの裁判が行われたストックホルム市内の裁判所。世界中から報道陣が押し寄せ、傍聴を求める人々による長蛇の列ができた。

 現地時間2日に行なわれた審理で、エイサップと彼とともに逮捕された取り巻きの2人は同事件に関して無罪を主張。被害者である19歳男性への暴行は正当防衛にあたると訴えた。これに対し、検察側はエイサップらに対し、最低でも6カ月間の服役を求刑している。


エイサップが感謝の言葉

 一時的ではあるものの、晴れて自由の身となったエイサップ。ついに刑務所を後にした彼は、SNSを通じて自身を支えてくれた人々に感謝の言葉を綴った。

「ここ数週間の間、俺をサポートしてくれたファンのみんなや友達、そして世界中の人たちに心の底からありがとう。どれだけ俺がみんなに感謝しているか、どんな言葉で表現したらいいかわからない。今回の件は、とても困難で己の小ささを感じさせる経験だった。俺とブレイディ、トト(※)が家族や友達の元へ帰ることを許可してくれた判事に感謝してる。改めて、多大な愛とサポートをありがとう」

 エイサップの言葉にある通り、判事は評決が下されるまでの間、エイサップらがスウェーデン国外に出ても良いと許可。エイサップ一行は、一路、アメリカへと帰国の途についている。

 

トランプ大統領の「ダジャレ」が炸裂

 エイサップが釈放されたとのニュースを受け、以前、スウェーデンの総理大臣に向けて「スウェーデンは我が国のアフリカ系アメリカ人コミュニティを失望させた」、「アメリカ人を平等に扱うべきだ! #ロッキーを解放せよ」などとツイッター上で“圧力”をかけていたドナルド・トランプ大統領が、再びツイート。

 今度は、エイサップの名前をダジャレのように盛り込んだ、お気楽な文章でエイサップの帰還を祝福した。

「エイサップ・ロッキーがスウェーデンの刑務所を出所しアメリカに帰ってくる。まったくロッキー(不安定)な一週間だったよ。できる限り速やかに(ASAP<※>)帰宅したまえエイサップ!」
※「ASAP」は「As Soon As Possible(できるだけ早く)」の略。

 今回の事件については、先にからんできたのは被害者とされる相手の男性の方であることや、エイサップと取り巻きの男性2人が「人間がいる場所ではない」と比喩されるほど劣悪な環境で身柄を拘束されているという証言が出たことなどから、スウェーデン側の厳しすぎる対応を問題視する声が噴出。

 エイサップの開放を求める署名活動がスタートしたほか、人気シンガーのジャスティン・ビーバーやリアリティスターのキム・カーダシアンも各々の方法で彼の開放を訴えていた。(フロントロウ編集部)

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