テイラー・スウィフトのツアーでオープニング・アクトを務めたシンガーのチャーリーXCXが、テイラーの公演の観客たちを「5歳児のよう」と表現。一部のファンから激しい怒りを買うも、テイラーのコアのファンたちは彼女を擁護している。(フロントロウ編集部)

「まるで5歳児に手を振っているかのよう」

 キュートなルックスや特徴的な歌声、キャッチーな楽曲で若者の心を鷲掴みにしているイギリス出身の人気シンガーチャーリーXCXは、テイラー・スウィフトが2018年に行なったワールドツアー「レピュテーション・スタジアム・ツアー」でオープニング・アクトに抜擢。テイラーとともに、世界各地のファンを熱狂させた。

画像: チャーリーXCX

チャーリーXCX

 しかし、最近公開された米音楽メディアPitchforkとのインタビューの中で、チャーリーはテイラーのオープニング・アクトを務めた感想についてこうコメント。

「テイラーからツアーに同行して欲しいとお願いされたことにはすごく感謝してる。でもアーティストとしては、まるでステージに上がって5歳児たちに向かって手を振ってるみたいな気分だった」 

 さらにチャーリーは、「私はもう十分すぎるほどオープニング・アクトを務めてきた。それによって、私には“負け犬”みたいなイメージがついてしまった。今となってはそんな自分のキャラが気に入ってるけど、もう私はちゃんと1人立ちして自分のショーをするべきだと思う」と続け、これ以上ほかのアーティストの前座に甘んじるのはウンザリだとした。

画像: シンガーのカミラ・カベロ(中央)とともにテイラーのオープニング・アクトを務めたチャーリーXCX(左)

シンガーのカミラ・カベロ(中央)とともにテイラーのオープニング・アクトを務めたチャーリーXCX(左)


チャーリーが「問題発言」を弁解

 Pitchforkでのチャーリーのコメントは、案の定、多くのテイラーファンたちに「問題発言」としてとらえられ、チャーリーの元には激怒したファンたちからの批判の声が殺到。

 これを受けチャーリーは、長文コメントを通じて、自身の発言が世間の人々に歪曲されて伝わってしまったと弁解。テイラーに対しては感謝と愛しかないと真意を語った

 前記事ではコメントの一部を抜粋したが、今回はあえて、チャーリーの長文コメントの全文訳を紹介する。

「ヘイ、ネット上の一部の人たちは私の発言を前後の文脈を無視して解釈してしまったみたい。だから、私にはまったく悪意はなく、愛しかないってことをここで説明させて! 

これまでに世に出た記事の中で何度も言ってきたように、私をオープニング・アクトに選んでくれたテイラーには、この上なく感謝してる。彼女は私たちの世代における最も偉大なアーティストであり、レピュテーション・スタジアム・ツアーは歴史上最もビッグなツアーの1つだった。

紙媒体として発行されたPitchforkの誌面には、あのツアーに関して私が話したことのもっと深い内容が掲載されているけど、ネット版ではあの一文だけが変な風に要約されて、ひとり歩きしてしまった。

あのツアー以前の私は、おもに18歳以上のオーディエンスが集まるクラブなどでのショーを行なってきたわ。だから、いろんな年齢層の観客がいるテイラーのコンサートのステージに立つことは自分にとって斬新で、自分のパフォーマンスにもこれまでとはまったく違うエネルギーで取り組むことになった。テイラーのオープニング・アクトを務めたことは私にとって素晴らしい経験になったし、新たなオーディエンスの前でパフォーマンスできる素晴らしい機会を与えてもらったことにも感謝してる! 

テイラーに限らず、ほかのアーティストのオープニング・アクトを務めた経験も私にたくさんの事を教えてくれた。ほかのアーティストたちがそれぞれのパフォーマンスをして、ショーを成功させ、ファンたちに独自の言葉で語りかけている姿を見るのは素晴らしいこと。レピュテーション・スタジアム・ツアーは特にそうだった。

あのインタビュー自体は素晴らしい内容だから、この説明でちゃんと誤解が解けたらいいな! たくさんの愛をこめて」


テイラーのコアなファンたちが擁護

 このチャーリーの真摯な弁解を目にし、さらに紙版のPitchforkに掲載されたインタビューの全貌を読んだテイラーのファンたち、とくに昔からのコアなファンたちの多くは、チャーリーの発言が、彼女の言う通り多くの人々に本来の意図とは違った形でとらえられてしまったようだと納得。

チャーリーが以前公開したテイラーとカミラとのスリーショット。

 7年以上前からテイラーの関連ニュースを伝え、ファン同士の交流の場となっている有名なファンアカウントは、チャーリーに対して「アンタはもう終わり」、「チャーリーXCX終了のお知らせ」といった悪意のあるコメントを送ったり、ネット上で不買運動を拡散しようとしている一部のファンたちに、「寄ってたかって誰かを“キャンセル”しようとする風潮は良くない」と呼びかけ。

 さらに、「チャーリーはこれまでテイラーのことを悪く言ったことは一度もないどころか、感謝しか口にしていない」、「テイラーがチャーリーをオープニング・アクトに選んだのは彼女を心からサポートし信頼しているから」とチャーリーを全面的に擁護した。

 この騒動と時を同じくして公開された米Vogueのインタビューの中で、テイラーは、ネット上に蔓延する「キャンセル・カルチャー」(※)について、自身が以前経験したSNS上での壮絶なバッシングについて言及しながら、こうコメントしている。

※何か失敗や過ちなどを犯した人物に対して、大勢で「○○はキャンセルされた」、「○○終了のお知らせ」といった悪意のあるハッシュタグを立ててバッシングする風潮のこと。

「何百万人もの大勢の人たちから公の場で辱めを受けて、『おまえはもうキャンセルされた(終わりだ)』って言われるのはものすごく疎外感を感じる体験だった」

「あんなにもたくさんの人から大っぴらに嫌悪をぶつけられるのがどんな感じかを理解できる人はそんなには居ないんじゃないかな。誰かが『キャンセルされました』って、テレビ番組じゃないんだから。相手は1人の人間。黙れ、消えてしまえ、もしくは自殺してしまえってものすごい数のメッセージを送られてくるなんて」

 他人を貶めるような「キャンセル・カルチャー」について、テイラーが決して良く思っていないことを以前から汲み取っていたファンたちは、テイラーがチャーリーが辱めを受けることなど望んでいないとを悟っていたよう。

 テイラーのファンを「5歳児みたい」と表現したことで波紋を呼んでしまったチャーリーは、その後、ぎこちない笑みを浮かべた写真を公開し「ネットが大好きな人はリツイートして」とユーモアたっぷりにツイート。言葉選びには気をつけないと痛い目を見るということを身をもって学んだようだ。

(フロントロウ編集部)

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