クエンティン・タランティーノが監督を務め、トップ俳優のレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット、そして人気女優のマーゴット・ロビーら豪華キャストが出演する映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』あらすじ
クエンティン・タランティーノ監督作、マンソン・ファミリーによる“シャロン・テート殺人事件”を軸に、レオナルド・ディカプリオ演じる落ち目の俳優リック・ダルトンと、ブラッド・ピット演じるスタントマンのクリフ・ブースという2人の男たちを通して見えてくる、TVに押されて過渡期を迎えるハリウッド黄金期の光と影が映し出されていく。マーゴット・ロビーが女優シャロン・テートを演じたように、60年代を代表する実在の俳優がオマージュされているのもみどころ。
「ヒーローカー」に選ばれたのは、キャデラック・ドゥビル
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のキービジュアルに登場し、1969年のハリウッドが舞台になった劇中で、レトロでポップなロサンゼルスの街並みを爽快と走り抜けるのは、1966年式のヴィンテージカーであるCadillac DeVille(キャデラック・ドゥビル )。
レオナルド・ディカプリオ演じる落ち目の俳優リック・ダルトンと、リックのスタントマンであり、同時に運転手も務めるブラッド・ピット演じるクリフ・ブースを主人公にした同作で、クリフがリックをハリウッドの撮影現場まで送り届けるための“送迎車”の役割を果たすのが、キャデラック・ドゥビル。様々なシーンに豪快に登場し、劇中でも大きな存在を放つ「ヒーローカー」と言える。
クルマの選出は、ハリウッド映画界で有名なカーコーディネーターのスティーブン・ブッチャーが担当。スティーブンは同作のために、2,000台以上のクラシックなビンテージカーを手配。背景に映りこむ通りなどに車を配置して、タランティーノ監督が求める1960年代の雰囲気を演出する手伝いをしたという。
イエローのアロハシャツとインテリアのポップなベージュがマッチ
ブラッド・ピット演じるクリフ・ブースは、白Tの上から派手なイエローのアロハシャツをゆるく羽織り、ウォッシュドデニムと履きこんだウエスタンブーツで着崩した「ザ・LAスタイル」。ブラッドの十八番ともいえる、アウトローなタフガイのイメージは同作でも健在で、圧倒的な存在感を放つキャデラックを豪快に運転する姿もクール。
劇中ではブラッドが着用する陽気なイエローのアロハシャツと、キャデラックのライトイエローのエクステリア&インテリアのオールベージュのコントラストが美しくスクリーンを彩る。
キャデラックから乗り換え、クリフの愛車は…
レオナルドが演じる、俳優リック・ダルトンの運転手に励むクリフは、リックをスタイリッシュなキャデラックで送り届けた後は、ボコボコのマイカーに乗り換える。見るからにポンコツ車という雰囲気を醸し出す車は、1964年のフォルクスワーゲン カルマンギア(Volkswagen Karmann Ghia)。とはいえ、ブラッドの荒いドライブさばきで、ボコボコなフォルクスワーゲンも、やんちゃでクールにスクリーン映えする。スクリーンではキャデラックとフォルクスワーゲンの対比も見どころのひとつ。
マーゴット演じる女優シャロン・テートの「ヒロインカー」は、ポルシェ
マーゴット・ロビーが演じたのは、1960年代に活躍した女優シャロン・テート。劇中でマーゴットは、シンプルながらもキュートなスタイルでスクリーンを華やかに彩る。
黒のニットに、ホワイトのミニスカート&ブーツというシンプルなモノトーンコーデに、さりげなくシャネルのマトラッセバッグをアクセントにした女優らしいスタイルや、ポップなイエローのセットアップなど、陽気なヒッピースタイルが流行した60年代のハリウッドシーンがマーゴットの劇中ファッションを通して見ることができるのも見どころ。
そんなマーゴットの愛車である「ヒロインカー」は、ドイツの高級車ポルシェの名車として名高いモデル、ポルシェ 911(Porsche 911)。艶やかなブラックのボディと美しい曲線美が、人気女優のスタイリッシュなイメージにマッチしている。
フロントロウ編集部メモ 車選びの裏話
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に使われた車には、じつはこれまでのタランティーノ作品とつながりがある。
まず、ヒーローカーとして登場するライトイエローのキャデラック・ドゥビル。こちらは、1992年のタランティーノ監督のデビュー映画『レザボア・ドッグス 』に登場したものと同じもの。
また、ブラッドの愛車として登場するフォルクスワーゲンも、タランティーノ監督の名作『キル・ビル』で、女優のユマ・サーマンが運転したクルマと同じモデル。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』には、タランティーノ・ファンには懐かしいアイテムが散りばめられているということ。(フロントロウ編集部)