Photo:ゲッティーイメージズ,スプラッシュ/アフロ,Instagram
テイラー・スウィフトがハッピーな恋から人生の葛藤、挫折など等身大の感情をぎゅっと詰め込んだニューアルバム『ラヴァ―(Lover)』がついにリリース。同作に秘められた、さまざまな「愛」のカタチを解説! (フロントロウ編集部)

「愛へのラブレター」

 スウィートでガーリーな印象だったデビュー当時からのイメージからガラリと一変、前作の『レピュテーション』ではクールでパワフル、そしてダークな一面を見せて世間をあっと驚かせたテイラー・スウィフト

 そんな名作をさらに上回る“最高傑作”と言われる待望の新アルバム『ラヴァ―』が、今日8月23日にリリースされた。

画像: 「愛へのラブレター」

 通算7枚目のアルバムとなる『ラヴァ―』について、「いろんな意味で私にとって新たな始まりとなる作品」と語るテイラー。

 その証拠に、テイラーは『レピュテーション』時代に見せたブラックを基調としたハードなイメージや当時多用していた「嘘つき」「裏切り者」といった意味を持つ“ヘビ”のモチーフ(※1)から卒業。

※1 2013年、因縁の相手であるラッパーのカニエ・ウェストとのバトルに妻のキム・カーダシアンが加担した際、SNS上で“ヘビ”の絵文字を使ってテイラーを非難。これがきっかけでテイラーのもとには“ヘビ”の絵文字を使った誹謗中傷が殺到したが、テイラーはこれを逆手に取り、『レピュテーション』のシンボルとして採用した。

 『ラヴァー』のリリースに合わせて、パステルカラーや蝶、花、レインボー、ユニコーンといったハッピーでロマンチックな印象の色使いやモチーフを取り入れて、前時代に築き上げたトゲトゲしいイメージを一新した。

画像: 左:『レピュテーション』時代、右:『ラヴァー』時代に突入したテイラー。ステージ衣装やセットなども、黒を基調としたセクシーでエッジーなものから、よりポップでカラフルなものへと変化。

左:『レピュテーション』時代、右:『ラヴァー』時代に突入したテイラー。ステージ衣装やセットなども、黒を基調としたセクシーでエッジーなものから、よりポップでカラフルなものへと変化。

 ビジュアル面での刷新もさることながら、日本語にすると「恋人」、「愛する人」となるタイトルからも分かるように、『ラヴァー』にはたくさんの“愛”が詰まっている。

 テイラーは、自身が表紙を飾った米Vogue9月号のインタビューの中で、ひと言で言い表すなら、『ラヴァ―』は「愛へのラヴレター」だと説明。

「このアルバムは『愛へのラヴレター』なの。愛は狂おしく、情熱的でワクワクして魅惑的で、恐ろしくて、悲劇的なもの。そして素晴らしい栄光でもある」—米Vogue 9月号のインタビューより

 さらに、アルバムタイトルを発表したインスタグラムストーリーでのライブ配信では「このアルバムは、全体的にとてもロマンティックな内容なんだけど、ただ単に全てがラヴ・ソングな訳じゃないの。だって、ロマンティックだからといって、必ずしもハッピーなものじゃなくてもいいと思うし。孤独や悲しみ、争いごとを経験したり、人生の葛藤に苦しむことにもロマンスを見出すことができるわ」と、全18曲を収録した同作には、さまざまな形の“愛”を表現した楽曲がラインナップしていると明かした。


色とりどりの「愛」

 第1弾シングルとしてリリースされた「ミー!」、第2弾シングルの「ユー・二ード・トゥ・カーム・ダウン」、テイラーがファンたちに「アルバムの別の側面を知ってほしかった」という思いから先行公開した「ジ・アーチャー」、テイラーの婚約説を加熱させている「ラヴァー」、そして、アルバムリリース前にタイトルと歌詞の一節がお披露目された「ザ・マン」で描かれる、色とりどりの“愛”についてひも解いてみよう。


<自分への愛>
「ミー!」

 アルバムの方向性を印象づける、最も重要な第1弾先行曲として発表された「ミー!」はテイラー曰く、「自分自身を称え、自分らしくあることを後押しするような曲」

 その言葉の通り、テイラーが友人でもあるバンド、パニック!アット・ザ・ディスコ(Panic!
At The Disco)のブランドン・ユーリーとコラボを果たしたラブソングでもある同曲には、「世界に私は1人だけ」「世界中で私ほどあなたのことを愛している人はいない」といった自信に満ちた歌詞が登場する。

 さらに、自分自身を愛するということは、決して自己中心的なものではなく、他者があってこそ成り立つものであるということ、また、自分を愛することで他者とのヘルシーな関係が生まれる、ということを示すように、まるで言葉遊びかのようなこんなウィットの効いたリリックも含まれている。

「チーム(Team)」って単語の綴りに“I(個人のエゴ)”はないんだ、でも“me(自分らしさ)”はあるでしょ/それと同じで“me(私)を抜きにして、「最高さ(Awesome)」は語れない」—「ミー!」の歌詞より

 音源公開と同時に公開されたMVは、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのようなカラフルでポップなビジュアル。映像の中盤には、当時まだ発表されていなかった『ラヴァ―』のタイトルのほか、収録曲などにまつわるたくさんのヒントが盛り込まれたことでも話題に。

画像1: ©Taylor Swift/ YouTube

©Taylor Swift/ YouTube

 そして、冒頭でヘビが美しい蝶へと変身を遂げるシーンは、テイラーの『レピュテーション』時代からの“脱皮”を象徴していると、ファンたちを興奮させた。

via GIPHY


<全人類への愛>
「ユー・二ード・トゥ・カーム・ダウン」

 2018年11月に行なわれた米中間選挙を目前に、ドナルド・トランプ大統領率いる政権下で激化する差別や偏見の問題を憂い、キャリア史上初めて、それまで控えていた政治的発言を解禁して話題となったテイラー。

 インスタグラムで公開した長文声明の中でLGBTQ+や男女の平等な権利を求めて闘う民主党議員への支持を表明したテイラーは、6月のプライド月間(※2)に合わせてリリースされた「ユー・二ード・トゥ・カーム・ダウン」を通じて、音楽でも全面的にLGBTQ+コミュニティへのサポートや理解を訴えた。

※プライド月間(プライド・マンス/Pride Month)とは、毎年6月をLGBTQ+の権利を啓発する月としたムーブメント。アメリカをはじめとした欧米諸国では、LGBTQ+コミュニティを盛り上げるために様々な活動やイベントが行なわれる。

 米有名司会者のエレン・デジェネレス、元祖ドラァグクイーンのル・ポール、トランスジェンダー女優のラヴァ―ン・コックス、同性愛を公言するプロフィギュアスケーターのアダム・リッポン、レズビアンを公言している日系シンガーのヘイリー・キヨコら総勢20名以上のLGBTQ+アイコンや、LGBTQ+にサポートを表明するセレブらも出演したMVには、長年のバトルを経て今や信頼できる友人となった“元宿敵”のケイティ・ペリーもサプライズ出演

via GIPHY

 このMVで、テイラーとケイティがフライドポテトとハンバーガーという“お互いに必要とする関係”、“パーフェクトな組み合わせ”という意味を持つコスチュームで抱き合う姿を披露し「終戦宣言」をした背景には、“争いをやめてお互いを認め合い、手を取り合おう”というメッセージや、“汝の敵を愛せよ”といった博愛を意味するメッセージも込められていると言われている。

馬鹿げたことはやめて、しっかり気を落ち着けて、平和を取り戻そうよ/そして嫌いな相手を端から怒鳴りつけたくなる衝動を抑えなくちゃ/不快な顔をしてみせたって、ゲイがゲイでなくなるわけじゃないから―「ユー・二―ド・トゥ・カーム・ダウン」の歌詞より

【「ユー・二―ド・トゥ・カーム・ダウン」誕生秘話】

 テイラーがLGBTQ+コミュニティの権利向上に関して声を上げようと決めた背景には、彼女が親友であり、ゲイを公言しているシンガー兼ダンサーのトドリック・ホールから、ある日、不意に投げかけられた質問にショックを受けたことがあるという。

トドリックはもちろん「ユー・二―ド・トゥ・カーム・ダウン」のMVにも出演。テイラーのアドバイザーとしてキャスティングやファッションなどのアイディアを提供した。

 トドリックとの会話について、「1、2年くらい前だったかな。トドリックと車の中で話していたとき、彼が私に聞いたの。『もし君の息子がゲイだったらどうする?』って。彼がそんな質問をしなくちゃいけないという事実に衝撃を受けたわ」と米Vogueに振り返ったテイラー。

 過去の楽曲やLGBTQ+支援団体への寄付などを通じて、自分なりにLGBTQ+コミュニティへのサポートを表明してきたつもりだったものの、トドリックのひと言で、それだけでは全然足りていなかったことに気づかされ、自分の考えをもっと明確にしなくてはと痛切に感じたそう。

 「もし私の息子がゲイだったら? 彼はゲイだっていうだけよ。質問の意味が理解できなかった。でも、友人である彼でさえ、そんな風に私に質問しなくちゃいけないって思っていたのなら、私のLGBTQ+ファンたちは一体、どう思っているだろうって」と胸を痛めたテイラーは、自らの平等への願いを明らかにするために一念発起。そうして作られたのが、LGBTQ+アンセムでもある「ユー・二―ド・トゥー・カーム・ダウン」だった。

 同曲のMVの最後には、米議会がLGBTQ+の人々の平等を求める「Equality Act(平等法)」を支持するよう求める署名運動の告知が。MV公開後、目標だった50万件を超える署名が集まっている。


<失われた愛>
「ジ・アーチャー」

 アルバムの5曲目には、毎回、最もエモーショナルでメッセージ性の強い楽曲を収録しているテイラー。

 ファンたちに指摘されて初めてこの傾向に気づいたというテイラーが、『ラヴァ―』のトラック5に選んだのが、「たくさんの感情を詰め込んだ」と語る楽曲「ジ・アーチャー」。

 5作目の『1989』、6作目の『レピュテーション』と過去のアルバムの制作にも参加し、今回のアルバムにも深く携わっているという音楽プロデューサーのジャック・アントノフと共作したせつないバラードは、リリースされるや否や、ファンたちの間で「テイラー史上最高の曲かも」、「涙が止まらない」と大絶賛。

 テイラーが約3年前から交際を続けている俳優のジョー・アルウィンの存在を感じさせる歌詞も登場することから、彼女が得意とする王道のラブソングかとも思われがちが、「私は射手だった/私は獲物だった」と歌うミステリアスな歌詞には、それ以上に奥深い、彼女の孤独や懐疑心、誰かを信じることへの恐れなどが秘められている。

「簡単に近づいてくる人たちは、簡単に去っていく」「ダーリン、誰が私を置いていくの?/残ってくれるのは誰?」「天敵はみんな最初は友達だった」—「ジ・アーチャー」の歌詞より

 かつて愛した人たちに裏切られた悲しみやトラウマ、そして“失われた愛”を歌ったとされる同曲について、テイラーは「すごく正直で感情的で弱さをさらけ出したパーソナルな歌」と表現している。


<永遠の愛>
「ラヴァー」

 テイラーが「すごくお気に入りのサビに仕上がっている」と自画自賛する、アルバムタイトルと同名の「ラヴァー」は、ロマンチックで心に残る、“ザ・テイラー”な極上ラブソング。

 元々は、アルバムタイトルを『Daylight(デイライト)』と名づけようと考えていたというテイラーだけれど、このラブソングの誕生をきっかけに、タイトルを『ラヴァー』へと改めたという。

私のハートはずっと借りられたまま/あなたのハートはずっとブルー/あなたと結ばれるなら、終わりよければ全てよし—「ラヴァー」の歌詞より

 歌詞に含まれる、まるで恋人との永遠の愛を誓うような一節は、西洋のウェディングの定番である花嫁が「借りられた」ものや「ブルー」のものを身に着ける習慣を彷彿とさせ、“結婚式”を連想させるため、もしかして、テイラーと恋人のジョーがひそかに婚約したのではないかとウワサに。

画像: 2019年2月に行なわれた英国アカデミー賞のアフターパーティーを後にするテイラーとジョー。

2019年2月に行なわれた英国アカデミー賞のアフターパーティーを後にするテイラーとジョー。

 その後、テイラーがSNS上で、この説を指摘したファンの投稿を「いいね」したことから、ファンたちは大興奮。

 さらに、テイラーが同曲の歌詞の一部を公開した際に投稿した米Vogueからのショットに目を凝らして見ると、テイラーの左手薬指に糸のようなものが巻きついているのが分かることから、これもジョーとの婚約を暗示しているのではないかと注目を集めている。

画像: ©Taylor Swift/ Instagram

©Taylor Swift/ Instagram

 2人の知人は「テイラーとジョーは婚約していない」とET Canadaにウワサを否定しているが、真相は果たして? 

 まるで絵本の中の世界に迷い込んだかのような美しい映像が満載のMVでは、スノーグローブの中に暮らす恋人たちが、移り変わる季節の中で愛に溢れた日常を重ねる様子を表現。彼らがやがて夫婦となり、少女の両親となるというラブストーリーには多くの人が胸を熱くした。


<歪んだ自己愛>
「ザ・マン」

 「もし私が男性だったとしたら、これまでに下した選択や、成し遂げた功績、おかした過ちはどんな風にとらえられるだろう?」とイメージしながら、これまでとは視点を変えて作ったという「ザ・マン」では、社会的に優位な立場に立ち続けてきた男性たちの歪んだ自己愛に触れているテイラー。

たぶん私は勇敢なリーダーになってる/支配的なタイプかもね/みんながあなたのことを信じるとしたら/それって一体どんな感じ? —「ザ・マン」の歌詞より

 現代社会に根強く残る性差別に「NO」をつきつける、ポップで一度聴いたら耳から離れないフェミニズム精神に溢れる楽曲「ザ・マン」のヒントは、じつはテイラーがこれまでに公開した「ミー!」と、「ユー・二―ド・トゥ・カーム・ダウン」のMVのなかに隠されていたよう。

 「ミー! 」のMVには、パステルカラーのスーツでサラリーマン風の姿に男装したテイラーが同じく男装姿の女性ダンサーたちと踊るシーンが。

画像2: ©Taylor Swift/ YouTube

©Taylor Swift/ YouTube

 そして、「ユー・二―ド・トゥー・カーム・ダウン」には、「Mom, I’m a Rich Man(お母さん、私がリッチな男なの( ※3)」という言葉が書かれた額縁入りのアートが燃え盛る炎に飲み込まれていく意味深なシーンが登場する。

※3 大物歌手のシェールが母親に「あなたもいつか落ち着いてリッチな男と結婚しなさい」と言われたときに返した、フェミニストの歴史に残る名言。

画像3: ©Taylor Swift/ YouTube

©Taylor Swift/ YouTube

 テイラーは、これらが「ザ・マン」のヒントなのではないかと指摘したファンのSNS投稿に「いいね」して、間接的に繫がりを認めている。


 テイラー自身が「これまで世に出したアルバムの中で一番のお気に入りかも」豪語する『ラヴァー』には、今回紹介した楽曲のほかにも、テイラーが今の気持ちや彼女の中に溢れる“愛”について歌った楽曲がずらり。豪華アーティストとのコラボも実現した同作は必聴! 


画像: テイラー・スウィフトが最新作『ラヴァー』で魅せる、色とりどりの「愛」のカタチ

<リリース情報>

『ラヴァ―(Lover)』
2019年8月23日発売

ジャパン・スペシャル・エディション 初回生産限定盤 ¥ 3,300 (税抜)+ 税(UICU-9099)
通常盤 ¥ 2,500 (税抜)+税 (UICU-1311)

ダウンロード・購入はコチラ



This article is a sponsored article by
''.