2016年に全米を騒がせた女子大生レイプ事件の被害者で、“エミリー・ドウ”という仮名で世間では知られていた女性が顔と実名を公表した。(フロントロウ編集部)

全米を震撼させた「女子大生レイプ事件」とは?

 2016年にアメリカ全土を震撼させた「女子大生レイプ事件」。酒に酔って意識を失っていた女子大生をレイプするという卑劣な犯行に加え、加害者のブロック・ターナーが、当時米名門スタンフォード大学に通うエリート学生だったこともあり、世間から大きな関心を集めた。

画像: 加害者のブロック・ターナー。 ©CBS

加害者のブロック・ターナー。
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 この事件で被害を受けた女性は、少なくとも3時間ほど意識がなかったと伝えられており、発見時、性器に擦過傷、裂傷、そして泥が付着した状態であったことが裁判の記録などで明らかにされている。

 しかし、これほど卑劣な犯行であったにもかかわらず、加害者であるブロックに言い渡された判決は禁錮6ヵ月という寛大なものであった。これに対し全米中から批判の声が上がったが、判決が覆ることはなく、被害者にやるせない気持ちが残ったまま事件は幕を閉じた。

エミリー・ドウ(仮名)が顔と実名を公表

 そして事件から約3年が経過した今年9月、エミリー・ドウ(Emily Doe)という仮名で知られてきた被害者の女性が、自身のアイデンティティを世間に知ってもらうために「シャネル・ミラー(Chanel Miller)」という本名と顔を公表した。

画像: シャネル・ミラー ©CBS

シャネル・ミラー
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 米CNNによると、シャネルは米現地時間9月22日放送のドキュメンタリー番組『60 Minutes』で事件後初のインタビューに応じ、エミリー・ドウではなく、シャネル・ミラーとして自らの口で事件について話すという。また、番組の放送に先駆けて公開された映像には、事件の公判で読み上げられたシャネルの声明文を彼女自身が朗読する場面もあった。

 以下、声明文の一部。

「あなたは私のことを知らない。でも、私の中に入った。(中略)あなたのせいで私は被害者になりました。新聞に書かれていた私の名前は、“意識不明で酩酊状態の女性”でした。たったそれだけです。みんなにとって自分は“意識不明で酩酊状態の女性”で、『それ以外の何者でもない』と自分で思い込んでいました。自分の本当の名前は何で、本当は何者なのか、何度も自分に言い聞かせなければなりませんでした」

 ちなみに、シャネルは米現地時間9月24日に『Know My Name(原題:私の名前を知って)』というタイトルの回顧録の出版を予定している。(フロントロウ編集部)

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