R&Bをベースとしつつもソウル/ファンク/ロック/エレクトロなど様々なジャンルの音楽をクロスオーバーさせ、唯一無二の世界観を提示し続けてきたグラミー受賞シンガーのミゲルが初の単独来日公演を成功させた。(フロントロウ編集部)

日本ではアートに夢中に

 3作品連続で全米R&Bチャート1位を獲得し、現R&Bシーンを代表するアーティストとして支持されるミゲル。そんなミゲルは現在、初の来日公演のため来日中。

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 プライベートでは、大好物であるラーメンを食べに行ったほか、世界有数の大都市である東京が提案するアートの数々を堪能。

 森美術館で催されている「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」を訪れると、「一度にここまで多く彼の作品を見たのは初めてだ。量の多さにインスパイアされた」とSNSで絶賛。

 また、今もっとも人気の観光名所のひとつである、超巨大没入空間であるチームラボプラネッツにも足を伸ばし、アート好きであるミゲルらしい来日中の過ごし方となった。

一夜限りの来日公演では全16曲を披露

 デビューから9年経ってやっと実現した実力派セクシーR&Bシンガー、ミゲルの来日公演。2015年に来日公演が予定されていたもののキャンセルとなってしまっていただけに、EX THEATER ROPPONGIを埋め尽くしたファンにとって待望のショーになったわけだが、ミゲル本人にとっても感極まる公演となったよう。 

 2017年リリースの最新アルバム『War & Leisure』のオープニングトラック「Criminal」で静かに始まったかと思った途端、ギターをバキバキと鳴り響かせて「The Thrill」へと繋ぎ、冒頭から突っ走っていくミゲル。大きなステージにドラマーとギター、そしてミゲルの3人だけだが、ミゲルのセカンドアルバムのタイトルになった万華鏡(Kaleidoscope)のように光るライティングや曲に合わせた映像のバックグラウンドのなか激しく踊るミゲルを見ていると、逆にステージが小さく感じる錯覚にも陥るほど。頭から盛り上がる人達を見てニヤリと嬉しそうに笑ったミゲルは、矢継ぎ早に「Banana Chip」「Simple Things」へ流れ込み、比較的ロック色強めで攻めてきた。

画像1: ©Naoki Yamashita

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 そして中盤に差し掛かると、今度はR&B色の強い楽曲をまとめ、「みんな飲みたいか?」と「How Many Drinks」へと流れ込むと、それまで縦揺れだったミゲルが腰をこれでもかとくねらせセクシーさを前面に押し出し、ファンの歓喜の悲鳴が鳴り響いた。「Do You…」を歌い上げたあとに、ここで、「祖母がメキシコからアメリカLAに移住してきてなければ俺はここには立てていない。海外でステージに立つと去年亡くなったその祖母のことを思い出す。シンガーになるのが祖母の夢だったから」と話して「Come Through & Chill」、そして体の髄まで響いてくる伸びのある美しい声で歌い上げるグラミー賞受賞大ヒット曲「Adorn」では会場が大合唱。「Waves」で後半へ突入すると会場の盛り上がりは最高潮を見せ、突然「こんなこといつもはしないんだけど」と言って、2Pacの「I Get Around」、自分が未成年の時に30代の女性との経験を書いたという「Quickie」を即興で披露。そしてその浮気がその当時の彼女にバレてしまい彼女を失って書いたという「Sure Thing」をしっとりと切なく歌いあげた。

 後半は彼のスペイン語も聞ける「Caramelo Duro」「Pinapple Skies」そして「Skywalker」でヒップホップ寄りに締めくくった。その後も興奮冷めやらず、アンコールの声も止まず再び現れたミゲルは、「Tokyo is mine(東京は俺のものだ)」と言いながら「Pussy is Mine」を官能的に歌ってステージを後にした。

画像2: ©Naoki Yamashita

©Naoki Yamashita

 頭から最後まで彼の真骨頂であるフォルセットに酔いしれたのは当然ながら、低音の太い声でも観客を魅了したミゲルは、絶対に生で観るべき1人と言える。シャツを脱ぎ捨てるでもなく、派手で露骨にいやらしいダンスをするわけでもなく、ただ彼の音楽と声と存在感だけで聴く人を酔わせられる姿は、流石はほかのR&Bシンガーとは一線を引く存在。

 ライブを観た人も今回は行けなかった人も、本公演のセットリスト・プレイリスト「MIGUEL JAPAN LIVE 2019 SETLIST」を聴いてワイルドでセクシーなミゲルの官能歴な音の世界を体感して欲しい。(フロントロウ編集部/Kana Muramatsu)

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