スコットランドに住む女性が、ミュージアムのサーモグラフィー体験で自分の胸が赤くなっていることに気がつき、病気の早期発見に繋がった。(フロントロウ編集部)

自分の胸が赤い

 スコットランドのバークシャーに住むバルは、子供の学校が休みの日に、エジンバラに旅行へ行ったそう。

 エジンバラ城を観光したあと、市内にあるミュージアムの「カメラ・オブスクラと幻想の世界」へ行ったバル一家。アトラクションのひとつであるサーモグラフィーの部屋へ入ったバルは、画面に映った自分の胸がほんのりと赤くなっていることに気がついたという。最初はすべての人がそうなるものだと思ったそうだけれど、周りを見渡しても誰の胸も赤くなっていないことに気がついた彼女は、とりあえず写真を撮って、その日は子供たちと楽しく過ごしたそう。

 その後、例の写真を思い出したバルは、グーグルで調べてみることに。すると、乳がんを疑う多くの記事が。すぐさま病院の予約をした彼女は、検査の結果、初期の乳がんであることが分かったという。

 日本でも、30歳から64歳までの女性における死亡原因のトップは乳がんであり、世界全体でも乳がんによる死亡率は増え続けている。しかし乳がんが早期に発見され、転移もない場合は、5年後の生存率は95%以上であることが分かっている。子供と訪れたミュージアムが自分の人生を救ったと言っても過言ではない状況に、バルはミュージアムへ手紙を書いた。

「ただ、感謝を伝えたかったんです。あのカメラなしでは、私は(乳がんに)気がつくことはありませんでした。それがあのカメラの意図ではないことは分かっていますが、ミュージアムへ行ったことは人生を変えました。カメラ・オブスクラへ訪れたことがどれだけ私の人生を変えたかというのは、話しても話し足りません」

画像: 自分の胸が赤い

 バルによると、彼女は乳がんが発覚してからすでに2度の手術を受け、さらにもう1度の手術が予定されているとのこと。

 今回バルはサーモグラフィーで乳がんを発見したけれど、サーモグラフィーは身体の表面の熱や血流のパターンを赤外線画像として作るものであり、乳がん発見のために行なわれるX線撮影のマンモグラフィーとは別物。アメリカ食品医薬品局は、サーモグラフィーで乳がんを見つけようとすることは「早期での乳がん発見のチャンスを失うことになりかねない」とし、定期的にマンモグラフィー検査を受けることを奨励している。(フロントロウ編集部)

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