映画『シャイニング』嫌いのスティーヴン
ジャック・ニコルソンが主演し興行的に大きな成功を収めた映画『シャイニング』。その人気は現代まで語り継がれ、映画史に残る傑作となっている。
けれども原作者であるスティーヴン・キングは、映画『シャイニング』が大嫌いなことで有名。なぜなら、原作の内容とは大幅に変えられてしまっているからだという。そのためスタンリー・キューブリック監督によって製作された映画『シャイニング』については公開当時から「嫌いだ」と公言し、ことあるごとに猛批判している。
そんななか、続編にあたる映画『ドクター・スリープ』を作りたいと思っていたマイク・フラナガン監督は、スティーヴンに続編映画の制作を申し込みに行った際「ノー」と言われたことを米Indie Wireに明かした。
マイクはスティーヴンの許し無しには続編制作をしたくないと考えていたため、スティーヴンに直談判。『ドクター・スリープ』は原作に誠実に作るという意思を示しながらも、キューブリック版の要素も残したいことを告白。それに対するスティーヴンの答えは「ノー」だったという。
そこでマイクは、映画『シャイニング』と原作とのギャップを埋めるようなイメージで『ドクター・スリープ』の結末を執筆。その結果、大のキューブリック版嫌いのスティーヴンを説得することに成功し、映画『ドクター・スリープ』の制作に着手できたそう。
マイクは、スティーヴンとキューブリックのどちらにも敬意を払いつつ映画『ドクター・スリープ』を作り、先に公開された欧米諸国では大成功。米映画批評サイトRotten Tomatoesでは、現在95%という高評価を得ている。
映画『ドクター・スリープ』はユアン・マクレガー主演で、11月28日に全国ロードショー。(フロントロウ編集部)