シンガーのレディー・ガガが自分の体を切りつける「自傷行為」を常習していた過去について告白。自傷したいという”衝動”に打ち勝つために実践した方法についても明かした。(フロントロウ編集部)

自傷行為を繰り返していた過去

 鬱や不安障害といったメンタルヘルスの問題に悩まされていることや、過去のレイプ被害などの辛い体験によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)、摂食障害、ドラッグ依存、そして、2017年には、持病の線維筋痛症との闘病を公表するなど、自身が抱える問題を包み隠さず明かしてきたシンガーのレディー・ガガが、自傷行為に依存してしまっていた時期があることを告白した。

 米ELLEで行なわれた大物女性司会者オプラ・フィンフリーとの対談の中で、改めて自身が抱えるさまざまな問題に言及し、今でも医師から処方された薬に頼り、セラピーを受ける日々を送っていると話したガガは、「それでも私は前に進み続ける。そして、困難に直面している若者たちそして、大人たちにも、彼らだって前進することはできる、生き抜くことができる、私のようにオスカー(※)を獲得することだってできるということを知って欲しい」とコメント。

※世界最高峰の映画アワードの1つであるアカデミー賞のこと。

画像: ガガは初主演映画『アリー/ スター誕生』のために書き下ろした主題歌「シャロウ」のプロデュ-サーの1人として、アカデミー賞の最最優秀歌曲賞を受賞した。

ガガは初主演映画『アリー/ スター誕生』のために書き下ろした主題歌「シャロウ」のプロデュ-サーの1人として、アカデミー賞の最最優秀歌曲賞を受賞した。

 さらに、「準備ができたなら、勇気を出して誰かに助けを求めてみて欲しい。そして、周囲の人々は、もし苦しんでいる人を見かけたら、その人に歩み寄り、『私にはあなたの姿が見える。苦しんでいるのが分かっているよ。私はここにいる。君のストーリーを教えて』と声をかけてあげてほしい」と、感情的に呼びかけた。


自傷行為をやめる方法

 「これは、これまであまりオープンにはしてこなかったことだけど、でも、人々に知ってもらったり、聞いてもらう意味があることだと思うから…」と前置きしたうえで、ガガは、「私は長い間“カッター(自傷行為をする人)”だった」と告白。

 「私が自傷行為をやめることができた唯一の理由は、自分がやっていることが、誰かに助けを求める代わりに、自分が痛みを感じているのだと見せつけているだけだということに気づけたからだった」と説明し、「誰かに対して『ねえ、私、自分を傷つけたくて仕方ないんだけど』と伝えることができたとき、その衝動は鎮まったわ。そして、私のそばで『そんなことをして見せなくていいよ。話してごらん。君はどんな風に感じてるの?』と言ってくれる誰かがいたことで、私は自分の辛さを吐き出すことができた」と、自身が自傷行為から卒業できた経緯を振り返った。

画像1: 自傷行為をやめる方法

 自傷行為をしていた過去があることについて、「恥ずかしさと強さをもって言うわ。今はもう、自分が自傷しないでいられることに感謝してる。自分の経験を美化しているわけでは決してないわ」と語ったガガは、さらに、自分自身を切りつけたくなる衝動を抑えるために効果的だった方法もシェアした。

「私がトラウマや自傷行為、自殺自殺念慮の衝動に悩んでいる人に試してみて欲しいのは、“氷”を使った対処法よ。氷水を入れたボウルの中に両手を突っ込んでみて。そうすると、神経組織が刺激されて、現実に引き戻してくれるの」

 ガガが提案した氷を使ったこの方法は、 “刺激的置換スキル”と呼ばれる自傷から気を逸らす対処法の1つとして、精神医学や心理学においても取り入れられている。

 使用するものは、氷や氷水だけに限らず、手首にはめた輪ゴムをパチンとはじいたり、紙を破いたり、または大声で叫ぶといった方法も、刺激的置換スキルに数えられ、自傷による刺激とは別の方法で神経を刺激し、逆に心を落ち着かせて平静を取り戻すことを繰り返すことで、やがて自傷願望から卒業できるというメカニズムとなっている。

画像2: 自傷行為をやめる方法

 ガガがリストカットなどの自傷行為をしているのではないかというウワサは、デビュー当時から、何度か彼女の腕に傷があるのが見かけられたり、手首に肌色のテーピングをして公の場に登場したことがあったことから、まことしやかに囁かれてきた。

 彼女が今回、自傷行為をしていた過去を認め、それを乗り越えたことについて明かした背景には、以前の自分と同じ様な苦しみや悩みを抱えている人たちに、彼らにも、その問題を乗り越えることができると伝えたかったから。

 ガガは、「昔は、トラウマから逃れることなんて不可能だと思ってた。当時は、身体的にも精神的にも、感情的にも痛みを感じていた。でも、私は、打ち勝つことができたわ」と、自身の経験をもとに、セラピーに自主的に取り組んだうえで、それと並行すれば、薬物療法もしっかりと効果を発揮するはずだと語った。

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日本いのちの電話連盟
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(フロントロウ編集部)

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