じわじわと日本でも注目されるようになってきたラッパーのヴィンス・ステイプルに単独インタビューを行なった。(フロンントロウ編集部)

注目ラッパー、ヴィンスにインタビュー

 シド・ザ・キッドらと出会い音楽をはじめ、アリアナ・グランデの元恋人でラッパーの故マック・ミラーに見いだされたラッパーのヴィンス・ステイプル。ヒップホップ界の人気アーティストが勢ぞろいした映画『ブラックパンサー』や『スパイダーマン:スパイダーバース』のサウンドトラックアルバムにも収録され、彼が生み出す音楽は評価を得ている。

画像: ヒップホップ界の大御所ディディとも対談したことが。

ヒップホップ界の大御所ディディとも対談したことが。

 そんなヴィンスにフロントロウ編集部が単独インタビュー。日本で楽しみにしていることなどのプライベートな話から、楽曲づくりといった仕事の話までたっぷりと聞いてきました。

フジロック以来の来日でたのしみにしていることは?

「初めて日本に来たのはBeats By Dr.Dreの新商品発表のイベントでのパフォーマンスだったよ。そして去年のフジロックでは想像以上に沢山の人が来てくれてびっくりしたし、光栄だった。でもそのイベントもフジロックも自分のイベントではなかったから、今回はファンにかかわらず来てくれるお客さん全員に自分のことをもっとよく知ってもらいたい。フェスティバルとは違ってお客さんは僕に興味があって来てくれている。ファンが増えてくれることによって僕はまた大好きな日本に戻ってこられるから、がんばっていいところを見せたいな」

画像: アメリカ最大級の野外フェス、コーチェラ・フェスティバルに出演した際の写真。

アメリカ最大級の野外フェス、コーチェラ・フェスティバルに出演した際の写真。

日本で必ず行なうことや、日本のすきなところはどこですか?

「日本で必ず購入するのは、ズボンだよ。ズボンの国って呼んでいるんだ。あとは、日本にいる人々を見るのが好き。みんな個性的で、人を見るだけで日本にいるのだと実感できる。ビルや雰囲気が、異世界のように感じるんだ。日本に来るときは興味がるものが多すぎて、ついついお金を使いすぎちゃうよ。後忘れちゃいけないのは、食べ物。日本食が大好きなんだ。日本では必ず、美味しいものを食べて、昼寝する。時差ボケがひどいからね」

日本で楽しむヴィンスの様子。

普段曲を作るにあたって、どこからインスピレーションを得ていますか?どのようにして曲を作っていますか?

「普段は、音楽を聴かない。聞いてしまうと、自分の音楽に変な影響を与えてしまう気がして。その日の気分によるけど、アイディアがすぐ出てきたり出てこなかったりするね。あとは、スタジオに入る前に何も食べないことかな。食べてしまうと寝ちゃうんだ。アイスティーを飲んで、アニメを見て、いろんな音を聞きながら過ごしているとアイディアが浮かんでくるんだ。シンプルだよ。真面目にやりたくないんだ。なぜなら、楽しむためにやっていることだから」

Vince Staples showのシリーズの撮影は楽しいですか?

「とっても楽しいよ。自分が俳優かと思うくらい。ビル・マーレイみたいになりたい。映画にも出てみたいな。『ラッシュ・アワー』や『おじさんに気をつけろ』みたいなコメディーものがいい。警察官の役もいいね。このショーに出ることによって、いつかこの夢が叶えばいいなと思っているよ。新しいことにトライしてみたくて始めたこのショーだけど、良い反応が返ってきていて、とても嬉しいよ」

(※Vince Staples showとは、ヴィンスがYOUTUBE上ではじめたショーのこと。)

画像: ヴィンス・ステイプルに単独インタビュー!日本は「ズボンの国」と語る

エピソード1の「 So What?」では、乱闘のシーンがありますがどのようにして撮影を行ないましたか?

「長い一日だった。その時は忙しい時だったからその一日ですべてを終わらせなければいけなくて、スタントもその日に練習した。外はとっても熱いし、撮影は長いし大変だしで、みんなイライラしてたけど、結果的にいい映像が取れてよかった。大変だったけど楽しかったよ。初めてこんなことをしたからね。喧嘩も、ほんとに喧嘩をしているわけではないからすごい難しかった。でも、スタントの先生がちゃんと教えてくれて、うまく撮れたからよかったよ」

画像: ヴィンスが語った乱闘のシーンは2分14秒あたりから。

ヴィンスが語った乱闘のシーンは2分14秒あたりから。

 日本のことからキャリアのことまで色々とオープンに話してくれたヴィンスは、ラッパーでは珍しく、ストレージト・エッジというライフスタイルを貫いていることでも知られる。

 ストレート・エッジとは、「喫煙しない」「麻薬を使用しない」「アルコールを摂取しない」「快楽目的のみのセックスをしない」などといった理念を持つ生き方。あまり日本では浸透していないこのストレート・エッジについて聞いてみると、このような回答が。

 「(ストレート・エッジをはじめたのは)ドラッグはだめだ、というメッセージを伝えるプロジェクトに参加したことがきっかけかな。この世界にはたくさんの思い違いや、ステレオタイプによって人の性格やすることが決まってしまう。ラッパーもそうだ。僕はドラッグには興味ないけど、好きなものはたくさんあるよ。ビデオゲーム、あとハンバーガーには目がない。もしハンバーガーがドラッグだったらもうこの世にはいないだろうね。食べ過ぎて。
 みんなには好きなことをして、健康に楽しく生きてほしい。僕も長く生きたいんだ。でも長すぎるのも嫌。もし自分が息をひきとったら、キャンドルを焚いて、僕のためにパレードが開かれる。あと、銅像も作ってほしい。教皇みたいな存在になりたいんだ」

 そう、冗談交じりに語ったヴィンス。次回のインタビューでは、ヴィンスが『スパイダーマン:スパイダーバース』のサウンドトラックアルバムについて語る。じつはスパイダーマンではなく、あのキャラクターの方が好きだったとの衝撃告白も。(フロンントロウ編集部)

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