ファション界ではエシカルやサステイナブル思考のブランドが増え、リサイクルされたアイテムでファッションアイテムを制作するブランドも。今回は難民のライフジャケットをリサイクルして作られたファッションアイテムを作るブランドMakers Unite(メイカーズ・ユナイト)を紹介。(フロントロウ編集部)

ライフベストがファッションアイテムに

 ここ数年、地球・動物・人間にやさしいエシカル・ファッションやサステイナブル・ファッションという言葉を耳にするようになり、様々なブランドが持続可能なファッションアイテムを生み出すことに力を入れている。

 ペットボトルをリサイクルして作ったアイテムや、藻類や植物由来のものをファッションアイテムに変えてしまうブランドが続々と登場するなか、2016年にオランダで誕生したメイカーズ・ユナイト(Makers Unite)という社会問題に取り組む企業が目につけたのは、なんと難民たちが使用していたライフベスト。

画像1: ライフベストがファッションアイテムに

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発表した報告書によると、2018年の難民の数は世界で2590万人に達し、2017年より50万人増加。難民の多くは船を使ってやってヨーロッパなどにやって来るため、ライフベストを着用している場合が多く、その時着用していたライフベストは海岸で脱ぎ捨てられ、海岸に残された救命胴衣の処分についても問題になっていた。

画像2: ライフベストがファッションアイテムに

 それを見かねたメイカーズ・ユナイトは、5,000着ものライフベストをオランダに持ち帰り、オレンジの救命胴衣をファションアイテムへと進化させた。

ライフベストの再利用だけではなく難民の支援も

 メイカーズ・ユナイトは、救命胴衣をファッションアイテムに変えるだけでなく、ここ数年で難民たちがオランダでキャリアを確立するための6週間のコーチングプログラムとして、難民としてやって来た人たちのことをバッグの作り手や売り手としてサポートし、その中の13名が実際にテーラーとしてリサイクルのアイテムを作るチームに加わっている。

 ライフベストで作られたアイテムは、トートバッグをはじめ、トラベルポーチやタブレットスリーブ、ラップトップスリーブが販売されており、ライフベストということもあり、かなり丈夫で軽い。価格は約3,526円(29ユーロ)~約6,600円(55ユーロ)とお手頃価格で日本からもオフィシャルサイトから購入出来る。

 また、ひとつひとつ手作業で作られているためデザインも少しずつ異なり、人と被ることも少ない。

 メイカーズ・ユナイトの共同創設者であるターミ・シュワイツァーは、「私たちは新しく来た人とこの廃棄物にセカンドチャンスを与えている。私たちの商品が難民への意識を高めると同時に、彼らの未来を築き助けることを願っている」と、英The Guardianにコメントしている。(フロントロウ編集部)

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