電源が入らない…女性客の悩みにジーニアスが神対応
時は2008年か2009年。アップルストアのジーニアスバーで働いていたあるジーニアスはこの日、電源のつかないMacBook Proを持ち込んだ女性客の対応をしたという。
この女性の場合はラップトップを修理に出すべきだったのだけれど、女性はすでに無料で修理に出せる回数をオーバーしていた。しかしこのジーニアスいわく、女性は感動するほど人が好かったそうで、それに心動かされたジーニアスは、自分に与えられた権限を最大限に利用して、女性が新品のラップトップを手に入れられるように手配したという。
「すごく好い人で、自分の一日を良いものに変えてくれたことを今でも覚えています。『もういいや、これは修理に出さない。あなたに新品のラップトップをあげましょう』って言って、選ぶのを手伝ってあげました」
「(ストアクレジットなども使って)最終的に100ドル(約1万円)くらいの支払いで済んだはずです。ファイルの転送も手伝ってあげたらすごく喜んでくれて、自分としてもとても良い気分でしたよ」
女性に太っ腹なサービスを提供した結果、同僚からは「そんなことするべきではなかった」と白い目で見られたそうで、「けっこうイジられましたね」と掲示板で語った。
アップル社から電話、女性の正体は…!
そして数週間が過ぎ、この一件が遠い日の思い出になろうとしていたとき、このジーニアスは上司から呼び出されることとなった。
上司に、会社から名指しで連絡があったことを知らされて最初によぎるのが、あの一件は“やりすぎ”だったのかもしれないという考え。しかしその次にこのジーニアスは、信じられないことを耳にする。
ジーニアスは掲示板にこう書き込んだ。
「あの女性は教師だったんです。そして彼女はあの一件を地区に報告した。そしてその地区が(全学校に)Macを入れたいと言ってきた。自分は、人生最大のボーナスをもらいましたよ」
ジーニアスは女性の人の好さに感激したと言っていたけれど、女性側もそんなジーニアスの人の好さに感激したようで、1人の女性への親切心が、学区にマッキントッシュのコンピューターを卸すという大きな契約につながった。太っ腹なサービスが、太っ腹なボーナスにつながるという、関わった多くの人がハッピーになったエピソードだった。(フロントロウ編集部)